文中に記載している将来に関する事項は、当事業年度末現在において入手可能な情報に基づき当社が判断したものであり、実際の結果と異なる可能性があります。
当社は、AIの社会実装を視野に入れた産業・企業の開発パートナーとして、AI活用コンサルティング、ビッグデータ分析、AIアルゴリズム開発、AIシステム実装まで一気通貫の支援等のサービス「AI実装支援事業」をメイン事業として展開し、併せて、顧客企業内人材の育成支援サービス「データサイエンティスト育成支援事業」やAIを搭載した汎用的な自社プロダクトを提供する「AIプロダクト事業」を展開しております。
事業展開にあたり、重点産業を特定し、各産業の支援を通じたドメインナレッジを蓄積することによる提供ソリューションの価値向上、各産業と横断的に関わることにより、AIアルゴリズム・データの触媒機能となり、産業間のAI・データシェアリングを促進しAIネットワーク化社会を目指す「CATALYST(触媒)戦略」の展開等に取り組んでおります。加えて、昨今の社会全体でのDX人材の不足という課題に対して、社内外のデータサイエンティスト育成に注力することにより社会課題の解決と当社事業成長の両立を目指してまいります。
1.概況
当社が事業を展開しておりますビッグデータアナリティクス領域においては、AIの利活用が急速に浸透しており、特に国内企業を中心に事業のDXを通じた事業成長意欲が高まっております。これら環境の変化に伴い、当社が提供するビッグデータ分析及びAIアルゴリズム開発等のソリューションへのニーズが高まっております。
2.新型コロナウイルス感染症の影響と対応
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、当社事業においても、2020年12月期中には一部クライアントにおいて、当社との取引に係る意思決定の遅れによる売上計上時期の期ずれ等の軽微な影響が発生した経緯がありますが、足元では受注ペースは正常化しており、新型コロナウイルスによる当社事業への影響はありません。
一方、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、国内企業における事業環境及び労働環境等が変化しており、データ及びAIを活用した既存事業の効率化や新規事業開発に対する意識が高まっているものと考えており、当社が属する関連市場においては市場拡大要因になり得るものであると捉えております。
なお、当社事業運営においては、リモート環境を速やかに整備し、約9割の従業員がリモートワークに移行済みであり、従前どおりの事業運営を継続しております。
当社は、持続的成長と企業価値向上のため、下記の項目を主な対処すべき課題として認識し、事業に取り組んでまいります。
1.収益力と事業成長
① 継続的な事業成長及び利益率の向上
国内有数のデータサイエンティスト集団として事業を展開していくにあたり、人員拡充にかかる採用コストや人件費の増加、その他一時的に発生する費用を吸収し、通期の営業利益の黒字化を達成しております。引き続き事業を継続的に成長させるとともに適切なコストコントロールにより、通期営業利益の黒字継続及び利益率の向上を図ってまいります。
② ストック型収益の獲得に向けた事業展開
当社は、現在、主にAIの社会実装を視野に入れた産業・企業の開発パートナーとして、企業に対するビッグデータ分析等のソリューション提供に注力しております。その中で、企業と共同しAIシステム開発及び展開等を行うことにより、企業との長期継続的な取引関係を構築しストック型収益の獲得を目指してまいります。
③ M&Aによる事業ポートフォリオの強化
当社は、既存事業がリニア成長を実現していく中、財務の健全性を維持した上で、M&Aにより新規事業を確立することで、非連続成長を実現してまいります。
2.人材と技術力
① 人材の採用・育成
当社は、事業成長のために優秀な人材確保と継続的な人材育成が不可欠であると認識しております。特にデータサイエンティストをはじめとする社内DX人材の不足が社会的に顕在化している中、優秀なデータサイエンティストの獲得・定着に継続的に取り組む必要があります。また、最新の分析技術へのキャッチアップを含め、データサイエンティストの技術力、ビジネス力等を高める機会を提供していくことが、継続的な企業価値向上に繋がると考えております。加えて、当社が提供する「AI実装支援事業」においてはAI活用コンサルティングからAIシステム実装まで一気通貫の支援を行っており、特にコンサル領域及びAIシステム実装領域における人材及び体制の強化を推進してまいります。
② 先進技術領域における支援体制の強化
世界規模でAIが産業発展に必要不可欠になり、AIの技術革新に向けた研究が進んでおります。このような中、当社では自社内に先進技術の研究及び実装に特化した組織を有しており、顧客事業への先進技術の実装を支援しております。引き続き、当社はクライアントニーズに応じた先進技術領域におけるサービス提供を継続的に行っていくため、先進技術研究に積極的に取り組んでまいります。
3.内部体制
① プロジェクト管理とサービス品質の向上
事業規模の拡大及びデータサイエンティストの人員増加に伴い、受注案件数の増加及び個別案件の大型化・長期化が進行し、プロジェクト推進体制がより複雑化しています。このような状況のもと、当社は各プロジェクトの作業工数をより正確かつリアルタイムで把握できるよう、自社独自のアサインメントシステムを導入する等、工程管理を強化しております。また、AIシステム開発案件等を中心に、受注前からプロジェクトを精査しサービス品質を管理する体制を整える等、サービス品質の向上にも継続的に取り組んでまいります。
② 情報セキュリティ体制の強化
当社は、顧客企業が保有するビッグデータの分析、AIアルゴリズムの開発及びAIシステム開発を支援するにあたり、クライアントとの信頼関係を維持し、長期安定的にサービスを提供していくため、サイバー攻撃等に備えた情報セキュリティ体制の整備・強化に継続的に取り組んでいくことが重要と考えております。
③ 内部統制の整備
当社は、安定したサービス提供を維持するとともに持続的に成長していくため、組織が健全かつ有効、効率的に運営されるようにコンプライアンス・リスク管理体制を含め、内部統制の強化に継続して取り組んでまいります。
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