業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、厳しい状況が継続しました。

学校教育を取り巻く環境としては、2020年度より実施が始まった新たな「学習指導要領」に基づき、ICT環境の整備が進行しております。特に小学校・中学校では政府の「GIGAスクール構想」によって、児童生徒向けの1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークの一体的な整備が多くの自治体で達成されました。今後は実際の授業における利活用に焦点が移るものと見込まれています。また高校・大学においても同様の整備が進む一方で、オンライン授業の浸透やBYOD活用の傾向がみられるなど、ICT環境に変化も見られつつあります。

大型イベント等を企画する進路市場においては、コロナ禍前の水準には達しないものの、感染予防対策を徹底しつつ、進路相談会が開催できる状況へと戻りつつあります。しかしながら、新変異株であるオミクロン株が国内においても広がりを見せ、警戒が必要な状況が続きました。

このような市場動向のもと、当連結会計年度の売上高は4,095,498千円(前年同期比0.3%増)、営業利益は592,936千円(前年同期比15.5%増)、経常利益は647,585千円(前年同期比32.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は472,717千円(前年同期比31.1%増)となりました。 

 

セグメントごとの経営成績は、次の通りです。なお、当連結会計年度において、従来「学習部門」に含まれていた製品「InterCLASS Filtering Service」の区分を「情報基盤部門」に変更しております。同製品は、Chromebook対応製品であることから授業支援ツール「InterCLASS Cloud」等とともに「学習部門」の製品と分類しておりましたが、収益に占める金額的な重要性が増したことに加え、製品の機能が「情報基盤部門」の特性に適合することから、区分を変更することといたしました。なお、このセグメント変更に伴い、前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の報告セグメントの区分により組み替えて表示しております。

 

(学習部門)

学習部門においては、GIGAスクール構想の「児童生徒1人1台端末の整備」事業を受けて前期に受注が増加した小中市場向けサービスの契約負債が利用期間に応じて振り替わったことから、前年同期比で売上が大きく増加しました。内訳としては授業支援ツール「InterCLASS Cloud」や運用管理ツール「InterCLASS Console Support」などが占めます。また、高大市場ではeラーニングシステム「GLEXA」が前期に引き続き受注を伸ばすなどした結果、売上高は1,617,846千円(前年同期比37.1%増)、セグメント利益は604,409千円(前年同期比107.3%増)となりました。

 

(進路部門)

進路部門においては、緊急事態宣言下も、感染予防対策を行いつつ、前年同期を上回る進路相談会が開催され、当連結会計年度における進路相談会の売上は前年同期比で増収となりました。加えて、株式会社昭栄広報の業績は、前連結会計年度には2020年1月1日から2020年12月31日までの12カ月間を計上しておりましたが、連結財務諸表のより適切な開示を図るため、当連結会計年度は2021年1月1日から2022年3月31日までの15カ月間を計上しております。2022年1月1日より2022年3月31日までの業績は営業損失であったため、前年同期比増収の要因となる一方、前年同期比減益の要因となっております。

これらの結果、売上高は1,277,723千円(前年同期比20.7%増)、セグメント利益は35,825千円(前年同期比43.9%減)となりました。

 

(情報基盤部門)

情報基盤部門においては、小中市場向けフィルタリングツール「InterCLASS Filtering Service」の売上が前年同期比で大きく増加した他、大学の大型案件に伴う統合ID管理システムの売上計上があったものの、GIGAスクール構想「校内通信ネットワークの整備」事業の影響を受けた無線LAN最適化ソリューション「Tbridge」の前期特需の反動により、売上高は1,199,928千円(前年同期比34.9%減)、セグメント利益は436,279千円(前年同期比30.7%減)となりました。

 

当連結会計年度末における資産の額は、6,384,002千円(前連結会計年度末は5,585,679千円)となり、798,323千円増加しました。これは主に、現金及び預金の増加855,030千円、投資有価証券の増加162,711千円の他、売掛金の減少417,572千円によるものです。

負債の額は、4,241,908千円(前連結会計年度末は3,582,674千円)となり、659,234千円増加しました。これは主に契約負債(前年度においては前受金)の増加1,021,806千円の他、買掛金の減少158,570千円及び未払法人税等の減少114,781千円によるものです。なお、契約負債の増加は、主に学習部門における運用管理ツール「InterCLASS Console Support」やフィルタリングツール「InterCLASS Filtering Service」などのChromebook対応授業・学習支援システムによるものです。

純資産の額は、2,142,093千円(前連結会計年度末は2,003,005千円)となり、139,088千円増加しました。これは主に利益剰余金が453,211千円増加した一方、自己株式が330,363千円増加したことによるものです。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より735,030千円増加し、4,105,170千円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、1,548,863千円の収入(前年同期は2,567,530千円の収入)となりました。これは主に、契約負債(前期においては前受金)の増加1,021,805千円及び売上債権の減少417,572千円が計上されたことによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、461,026千円の支出(前年同期は352,657千円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出211,940千円、定期預金の預入による支出260,000千円が計上されたことによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、352,806千円の支出(前年同期は25,800千円の支出)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出330,363千円及び配当金の支払額19,412千円が生じたことによるものです。

 

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

学習部門

437,596

100.4

進路部門

184,071

91.2

情報基盤部門

174,850

96.7

その他

合計

796,518

97.3

 

 

b. 受注実績

当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績の記載は省略しております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

学習部門

1,617,846

137.1

進路部門

1,277,723

120.7

情報基盤部門

1,199,928

65.1

その他

合計

4,095,498

100.3

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループにおける重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は4,095,498千円(前年同期比0.3%増)となりました。内訳は「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。

 

(売上原価、売上総利益)

当連結会計年度は、売上原価が1,335,629千円(前年同期比23.2%減)、売上総利益が2,759,869千円(前年同期比17.8%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は2,166,932千円(前年同期比18.4%増)となりました。

以上の結果、当連結会計年度の営業利益は592,936千円(前年同期比15.5%増)となりました。

 

(営業外損益、経常利益)

当連結会計年度の営業外収益は57,750千円となりました。当連結会計年度の営業外費用は3,101千円となりました。

以上の結果、当連結会計年度の経常利益は647,585千円(前年同期比32.0%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の法人税等合計は177,237千円となりました。

以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は472,717千円(前年同期比31.1%増)となりました。

 

 

b.財政状態の分析

財政状態の分析については、「(1) 経営成績等の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

c.経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。

 

d. 経営戦略の現状と見通し

新型コロナウイルス感染拡大によってもたらされた環境変化に対応するとともに、企業の社会的責任を果たすことを重要な経営課題の一つと捉え継続的な成長を目指します。

学習部門においては、GIGAスクール構想の事業等を受けて獲得した契約負債を安定的な収益の基盤とするとともに、顧客基盤を活かした活動等を行うことで利活用を促進し、収益拡大を目指します。

進路部門においては、従来の進学相談会のデジタル化を促進するとともに、進路情報サイトを本事業のプラットフォームと捉え収益化を促進いたします。

情報基盤部門においては、情報基盤の構築から保守・運用までを支援し、安定的な収益増を目指します。

 

e. 経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

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