課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは「私たちは、包装を通じて社会に奉仕します。優秀な製品・確実な納品・適正な価格」の社是のもとで、お客様のニーズを汲み取り何処にも出来ないようなものを開発し、お約束したことは必ず守るという信念で事業活動に取り組んでおります。単に利益を求めるのみではなく、「包装を通じて社会に奉仕する」ことを愚直に追い求め、ESG(環境・社会・ガバナンス)を重視した経営を実践することで、さらなる企業価値の向上と持続的成長を目指す事業会社として今後も邁進してまいります。

(2)経営戦略等

 当社グループは、社是を準拠するに当たり、経営理念を基本として、企業集団全体とする企業行動憲章、行動基準を定め、使命や考え方、行動を普遍的なものとして社内に浸透させております。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、事業計画を定め、会社として達成すべき目標を明確にするとともに、さらなる企業価値の向上を図っております。

(4)経営環境

当社グループは、当社および連結子会社5社で構成され、印刷紙器およびプラスチック包材の製造・販売を主な内容とした事業活動を展開しております。このうち、印刷紙器は当社グループの主力部門で、菓子、食品、石鹸洗剤、日用雑貨品等の消費財用カートンが含まれておりますが、当連結会計年度の売上高は14,839百万円となりました。プラスチック包材には、複合成型容器およびフィルム包材が含まれておりますが、当連結会計年度の売上高は1,221百万円となりました。事業構成については、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載しております。

当社グループを取り巻く状況は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が継続する厳しい状況で推移しましたが、ワクチン接種の進展や各種感染症対策の継続により個人消費にも持ち直しの動きが見られてきました。原料となる板紙出荷量も前年より増加傾向にあります。一方で、世界的な原材料の需給逼迫や海外からの物流停滞により調達価格の上昇や納期遅延が発生し、加えて新型コロナウイルス感染症も新たな変異株が発生したことで収束の見通しが立たないなど先行き不透明な状況は続いております。海外の経済においても、欧米や中国を中心に新型コロナウイルス感染症に対するワクチン普及等により経済活動の正常化が進みつつあります。しかし、新型コロナウイルス感染症の新たな変異株の発生、中国経済の減速、米国のインフレなど、先行きは厳しい不透明な状況が続くものと思われます。このような状況のもと、当社ではホストコンピュータによるバッチ処理を見直し、ペーパレス化とリアルタイム情報の把握から最適なタイミングでの事業判断ができるよう、デジタルトランスフォーメーション(DX)開発への取組みに着手しました。DXに向けて、グローバルスタンダードで標準化されたERPパッケージ導入とオペレーションのトレーニングを進めております。この取組みは、自分の仕事に対するイノベーションや新しい知識を取り入れて全従業員の70%を技術者に成長させていくために相応の人員と工数を費やす人的資本への教育投資として位置付けております。また、当社グループでは新型コロナウイルス感染症に対して、すべてのステークホルダーへの安全安心を最優先に、従業員とその家族への消毒の徹底および感染対策の指導、工場内の入場制限、ソーシャルディスタンスの確保、時差出勤など、人への安全確保を第一とした各種感染症拡大防止策の励行を徹底してまいりました。

今後の見通しにつきましては、原材料価格の上昇と相まって新型コロナウイルス感染症も新たな変異株が発生したことで収束の見通しが立たず、今後も先行き不透明な状況が続くものと予想されます。そうした状況の中、当社グループといたしましては、経営環境が厳しい中にあっても利益が確保できるよう、生産技術を背景としてお客様の環境に則した事業活動を推進いたします。Web会議ツールも駆使した受注活動、「優秀な製品」「確実な納品」「適正な価格」の造り込みを進めるための生産体制の更なる改善や生産設備の維持・更新、DXへの取り組みを行い、経営体質の強化に努めてまいります。

(5)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

 当社グループでは、新型コロナウイルス感染症も新たな変異株が発生したことで収束の見通しが立たない中、すべてのステークホルダーへの安全安心を最優先に、引続き各種感染症拡大防止策の励行を徹底してまいります。合わせて、ESGを経営の根幹に据え、事業を通じて社会的課題の解決を図るよう努めてまいります。単に利益を求めるのみではなく、「包装を通じて社会に奉仕する」ことを愚直に追い求め、ESGを重視した経営を実践することで、更なる企業価値の向上と持続的成長を目指して、以下の課題に取り組んでまいります。

 

① 受注活動

当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症拡大により、従来の形態から大きく変わってきております。市場の変化をどのように認識し、受注につながる提案をするかが課題であります。これを克服するため、今後伸ばしていくターゲット市場を明確化するとともに、行動計画をベースにした活動を目指してまいります。

受注活動では、営業部門はお客様のニーズと要求品質に関わる情報の入手に注力し提案してまいります。設計技術部門は生産・品質の最適性を設計してまいります。製造技術部門は品質、供給責任、コストの運営管理を行ってまいります。営業・技術部門が協力してお客様の要求される品質を設計してまいります。このモノづくりに係る対価と設計をはじめとしたコトに係る付加価値についてお客様に評価いただけるように進めてまいります。

営業部門と技術部門が協力して設計したものを購買・生産部門は最適な生産プロセスに沿って、全社一体となってお客様と締結した個別契約の要求基準を満たすべく、製品を生産してまいります。工場・拠点においては、お客様の満足度を高めるべく、現場の防虫対策をハード面で一層進めて衛生的な製品を生産し、品質については品質保証部門がお客様との折衝を密にして要求品質を把握・行動し、顧客ニーズを余さず受け取ることで対応してまいります。でき上がった製品は決められた納期、数量での確実な納品を徹底してお客様に評価いただけるよう進めてまいります。

 

② 生産体制

製造スキルの向上については、製造技術部門において、さまざまな分野から高いレベルの技術・知識を吸収して社内に移植してまいります。製造・販売・管理部門間のコミュニケーションを密にし、人員の配置、各設備の最大キャパシティで稼働できる体制に整備してまいります。 

管理業務に関しては、DXに向けてグローバルスタンダードで標準化されたERPパッケージ導入とオペレーションのトレーニングを進めております。この取組みは、自分の仕事に対するイノベーションや新しい知識を取り入れて全従業員の70%を技術者に成長させていくために相応の人員と工数を費やす人的資本への教育投資として位置付けております。生産設備からの情報自動連係による生産情報のリアルタイムでの見える化、プロセスのデジタライゼーションへと段階を踏んで完成させ、DXにつなげてまいります。

今後、生産量の増加を見据えて、プラント技術部門が主導して、工場・拠点の増強を進めてまいります。工場・拠点を体系的に結合させ、スマートファクトリー化を構築してまいります。

 

③ コーポレート・ガバナンス体制の強化

当社グループはコンプライアンスの徹底を最重要課題と位置づけております。実効性のあるコーポレート・ガバナンス体制を構築してまいります。経営監視機能としては独立性の高い社外取締役2名と社外監査役2名(弁護士、公認会計士各1名)を独立役員として選任しております。弁護士資格を有した社内取締役を選任し、取締役会の透明性の向上および監督機能の強化を図っております。

 

④ 人財(人材)の育成

事業の継続的発展には人財の確保と成長が課題であり、めまぐるしく変化する企業を取り巻く環境に対し、「変化対応力」を備えた次世代経営幹部を育成します。そのためにも各拠点に配置を行い、職務の執行に責任を持たせることで経営者マインドを育成してまいります。これにより、いかなる状況にも対応でき得る経営基盤を築いてまいります。

また、当社グループは従来から男性従業員の多い状況にありました。これを打開し、男女関係なく働ける職場づくりを推進し、女性従業員を増やす取組みを進めてまいりました。特に営業部門での女性従業員の比率は5年間で15%から40%となりました。さらに管理者への育成に向けて内部教育と環境づくりを進めてまいります。

評価については、年功序列型からジョブ型の報酬への移行、国籍・性別・年齢・入社形態を意識しない人事などを柔軟に取り入れることにより成果報酬型評価に変革を進めてまいります。

 

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