文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
〔顧客中心主義〕
創業以来コンピュータの進歩と共に歩んできました当社では、コンピュータ用帳票の企画、設計、製造、納入までの一貫生産を中心に、システム開発から高速漢字プリンタによるデータ出力、メーリングサービスに至るまでお客様の多種多様なニーズに最新の設備と技術を駆使し迅速、柔軟にかつ責任をもって対応してまいりました。私たちが掲げてまいりましたお客様本位の姿勢は、ときに営業展開に、また機械設備にと、情報化社会の高度化とともに進化してまいりました。これからもお客様に最適な製品、サービスを“光のごとく速やかに”ご提供し、お客様の良きパートナーとしてお役に立てるよう全社一丸となって努力してまいります。
〔収益力の安定強化〕
当社の強みである顧客ニーズへのきめ細かな対応と、顧客ニーズを先取する複合的な提案力を駆使し新規ユーザーの開拓と、既存ユーザーへの新たなニーズ発掘拡大に努め売上の増強を図り、また生産面においては常に原価率の低減と高品質な製品づくりを最大目標とし、効率性の向上を追求しつつ高収益体質の強固な企業基盤の構築により企業価値の持続的向上をめざしております。
〔社会との調和を重視〕
情報産業に携わる企業として、情報のセキュリティは不可欠であります。ことに当社が重点施策として取り組んでいるデータ出力業務については、個人情報の保護管理は極めて重要な問題と認識し万全の対処をしております。また世界的な広がりを見せている環境保全管理についても十分認識した生産活動が重要と考えます。
認定取得済のプライバシーマーク、認証取得済のISO9001、ISO14001等の改善に取り組んでいるのもそれらの一環であります。
私達は公正で透明性の高い経営により、社会と調和し、信頼される企業として努力を続けてまいります。
(2)中長期的な会社の経営戦略等
ビジネスフォーム印刷市場は、オフィス周りの電子媒体化、デジタル化の進展により電子帳票システム、電子商取引の拡大等が加速しており、ビジネスフォームの需要は逓減傾向が続いています。そうした潮流の中で、当社が従来より注力してまいりました、データ処理サービス及びその関連業務の本流化が進行しております。このようなビジネス環境や需要動向をふまえ、当社といたしましては、バリアブル印刷等を活かした新たなニーズの創出と提案営業力をさらに強化し、お客様のビジネスパートナーとしての役割を強固なものにしてまいりたいと考えております。企画から始まり発送に至るまで途切れることのない“製販社内一貫管理”体制を確立し、生産体制の拡充と整備を図ってまいります。
当社の中長期的な成長のために最新の設備導入によるさらなる生産性の向上、トータル的な効率アップに取組むことで企業価値、株主共同の利益の最大化を目指していきたいと考えております。
(3)目標とする経営指標
企業価値を増大させていくためには、利益を継続的に維持していくことが重要と考えております。そのため、自己資本当期純利益率(ROE)と売上高経常利益率(ROS)を重視しており、資本の効率的な運用と収益性の向上に努めております。
当面といたしましては、ROE10%以上、ROS13%以上を目標として取組んでおります。
(4)経営環境及び優先的に対処すべき事業上、財務上の課題
わが国では、新首相の下で新型コロナウイルスの新種株に対する感染防止対策の継続、3回目以降のワクチン接種が推進されるほか、「新しい資本主義」の下での経済政策、デジタル庁の発足とともにDX(デジタル・トランスフォーメーション)が強力に推進されていくものと思われます。世界では、北京冬期オリンピック・パラリンピックにおいて政治的ボイコットが広がり、人の交流も感染拡大防止のため思うようには復旧せず、米中対立構造の今後の展開は不透明です。今後、新種の変異株の拡大により経済活動が急停止しないとも限らず、他方で世界
的な物流や半導体の需要急増、エネルギー資源の高騰に起因するインフレ防止のための金利引き上げなど、内外政府および企業経営者には非常に難しいかじ取りが求められています。
フォーム印刷業界におきましては、感染症対策の特需が引き続き予定される一方で、公的部門においてもペーパーレス推進が本格化し、民間部門も含めて、ビジネスフォームの減少スピードは一段と速まっていくものと思われます。
このような情勢の中で、当社は営業面におきましては、特にBPOの分野で、顧客ニーズの変化に迅速に対応する、総合的かつ具体的なソリューション提案を行い、ビジネスフォームと情報処理の技術を総合的に組み合わせて新しいサービスに結びつけるような活動を積極的に進めてまいります。顧客企業の業態改革に伴うアウトソーシングの動きを好機ととらえ、自らの業態変革にも一層の拍車をかけていかなければならないと考えます。
生産面では、引き続き感染症予防対策を緩めることなく、一段の省力化投資により生産機能のレベルアップを図り、人員・設備の効率的再配置により、新しいサービスの提供力向上を目指すと共に、原価率のさらなる低減に努めてまいります。また、内部統制やISO活動・個人情報保護活動と共に、法令遵守やセキュリティ・環境・女性活躍推進・働き方改革といった企業の社会的責任、さらにはSDGsへの取り組みを一層強化してまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症が当社の経営環境に与える影響につきましては、限定的と考えておりますが、今後の経過によっては、当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があり、今後の推移状況を注視してまいります。
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