課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営理念

 当社グループは、

・人を大切にし、人を育てる

・どのような社会の変化にも対応する

・地球環境問題への取組みなど社会的責任を果たす

・トータルパッケージのソリューション企業として社会の発展と繁栄に貢献する

を経営理念とし、業績の継続的な成長と企業価値の向上を目指し、株主の皆様のご期待にお応えしてゆく所存です。

 

(2) 目標とする経営指標

 当社グループは、各事業の収益性向上を図り、株主の皆様はもちろん、お取引先・従業員等のステークホルダー各

位が安心かつ安定したお付合いを続けていただけるように、確固たる財務基盤を築く必要があります。その為に自己

資本利益率の向上に努め、なおかつ、安定的な配当に留意した経営に努めてまいる所存です。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、「環境対応を見据えた経営」をスローガンに掲げ、

・紙化への取組み

・食品、医薬品・化粧品、EC市場への拡販

・紙器の販売強化

・事業領域の拡大

・生産性向上と働き方改革の推進

を成長のための戦略と位置づけております。また、「紙器製造能力の増強」や「新規事業への投資」等の3か年、

「大阪工場の建替え」等の5か年に及ぶ投資計画や財務戦略を社員一人ひとりが中期経営計画の達成に向けて、自ら行動する取組みを進めています。また、2022年度にサステイナブル経営推進室を新設し、SDGs(持続可能な開発目標)にも積極的に取り組んでまいります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社の属する業界は、既存の顧客、取扱い製品だけでは大きな業績の伸長を望みにくい成熟産業とされています。そのため、当社は、従来からの主力製品に加え、米袋、紙おむつ用製品、食品用パッケージ等、販売先市場や取扱い製品を開拓してまいりました。今後も、需要が見込める新たな市場の開拓や製品の開発に注力し、必要となる設備には積極的に投資して事業の拡大に努めてまいります。

 近年では原材料や輸入品の価格上昇に加え、物流費の上昇にも直面しています。当社は、企画提案販売と品質管理を強化して顧客満足度の向上を図ることで適正価格による販売に努め、業務改革による合理化を一層推進して利益体質強化を図り、中長期的な経営戦略を着実に実行して、さらなる業績の向上に努める所存です。

 また、新型コロナウイルス感染症拡大は日本経済に大きな影響を与えました。当社グループにとっても販売の減少など業績悪化の要因となっています。このような状況の中で、当社グループは今後、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する場合を想定し、新しい生活様式の中でさらに需要が見込める市場への取組みを強化していく所存です。

 これらの業績向上に努める一方、当社は「地球環境問題への取組みなど社会的責任を果たす」、「トータルパッケージのソリューション企業として社会の発展と繁栄に貢献する」をも経営理念として、1981年に包装資料館(現パッケージラボ)を設置して国内外のパッケージ研究及び情報発信の拠点とした他、1993年より森林保全活動費用を拠出し、主力事業におきましては環境対応新商品及び新技術の開発に積極的に取り組みながら、2000年には「ザ・パックフォレスト®環境基金」を設立し、NPO法人と協働で植林活動・森林保全活動を推進しております。さらに、1999年の茨城工場を皮切りに、現在は当社の国内4工場及び全事業所においてISO14001「環境マネジメントシステム」、ISO9001「品質マネジメントシステム」の認証を取得しております。また、紙を素材としたパッケージ製造を行う全工場と全販売部門でFSC® CoC認証(FSC® C020517)、東京・大阪工場の食品用紙器製造ラインでFSSC22000認証を取得しております。今後も、地球環境問題への積極的な取組みと、社会の発展と繁栄に継続的に貢献していく所存です。

 

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(5) 中長期的な会社の経営戦略

 このような経営環境の中、当社グループは「環境対応を見据えた経営」を中期経営計画のスローガンに掲げ、次の項目を成長の戦略と位置づけています。

① 紙化への取組み

 地球環境に配慮した製品の需要の高まりを受けて、リサイクルしやすい紙製パッケージの販売を強化します。

 紙化を含む環境対応製品として、販売額の一部をザ・パックフォレスト®環境基金に拠出するザ・パックフォレスト®製品並びに森林保全に貢献するFSC認証製品の販売を促進します。

② 食品、医薬品・化粧品、EC市場への拡販

 これまで主力としてきた和洋菓子向けパッケージに加え、弁当・惣菜等の中食及びコンビニ・ファストフード等の外食(テイクアウト含む)業界への販路拡大や健康志向の高まりもあり、安定した成長が見込まれる消費者向け一般医薬品・化粧品・健康食品市場へ注力します。さらに自社ECサイトでの直接販売を行う得意先に対し、省人・省力化のソリューション提案の推進を行います。

③ 紙器の販売強化

 販売形態がリアル店舗からECへ変化することへの対応として、注力する分野をショッピングバッグから紙器に転換いたします。

 設計力・デザイン力・情報力を駆使した提案型営業が評価されていることや、今後EC化が進んでいくことから、商品パッケージも引き続き利用されると予想されます。また、環境への意識が浸透することで紙化による需要の底上げが期待できます。

 食品向けに、東京・大阪工場の食品用紙器製造ラインでは、食品安全マネジメントシステムの国際規格であるFSSC22000認証を取得済みです。品質においても優位性がある紙製一次容器では、ファストフードやコンビニ業界にも進出しており、さらなる販路の拡大及び販売強化に努めます。

④ 事業領域の拡大

 M&A・業務提携・新設備導入等による商品群・販売事業領域の拡大に取り組み、中国市場での拡販やASEAN市場への進出など海外展開も視野に入れていきます。

⑤ 生産性向上と働き方改革の推進

 業務の効率化に向けた基幹システムの構築や製造ラインの省人化・省力化を進め、ワークライフバランスに配慮した人員配置と勤務時間の適正化を行います。

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(6) その他、会社の経営上重要な事項

 大阪工場及び奈良工場はともに築後相当年数が経過しており、今後の作業環境の改善、工場内自動化等による省人化・省力化及び生産性の向上を図るため、大阪工場は建替え、奈良工場は増改築を行う予定です。将来を見据えた付加価値の高い製品を生み出す生産体制の構築を目指します。

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