業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の停滞等により、 依然として厳しい状況で推移いたしました。

 当社グループの事業領域に影響を及ぼす郵便及びメール便の取扱数量は、前期比横ばい圏内で推移しており、需要回復の兆しは確認されておりません。ダイレクトメール市場においては、「折込・DM郵便料(経済産業省公表)」が上期において一時的に増加の動きを見せたものの、下期には再び減少に転じるなど需要回復を確認するには至らず、当社グループを取り巻く環境は厳しい状況で推移いたしました。

 このような情勢のもと、当社グループは、「Give & Give & Give(全ての人に最高の付加価値を届け続ける)」を経営理念の基本精神に掲げ、「変革とイノベーション(革新)により新たな成長軌道を実現し、企業価値の更なる向上を図ることにより全てのステークホルダーに最高の付加価値を提供する。」を基本方針とする3か年の新中期経営計画「IMURA VISION 2030 StageⅠ」をスタートさせ、新生イムラの基盤づくりを、全社を挙げて進めてまいりました。

 この結果、当連結会計年度の売上高は、コロナ禍による日本経済の大幅な停滞に伴う需要後退の影響により、202億34百万円(前期比4.7%減)となりました。損益面につきましては、付加価値の高い商品・サービスの提案等収益性を重視した各種販売施策の実施や固定費の削減に努めた結果、営業利益は10億97百万円(前期比25.7%増)、経常利益は12億67百万円(前期比20.0%増)となり、保有株式の一部売却による特別利益の計上もあって、親会社株主に帰属する当期純利益は9億94百万円(前期比50.7%増)となりました。

 

 セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

 

(パッケージソリューション事業)

 官需による一部下支えやダイレクトメール用封筒の売上回復等がありましたが、コロナ禍による経済活動後退により需要が落ち込み、売上高は151億4百万円(前期比6.1%減)となりました。損益面では、生産性の向上に努めたほか、上述の収益性の改善も加わり、営業利益は7億61百万円(前期比21.5%増)となりました。

 

(メーリングサービス事業)

 コロナ禍による需要の落ち込みがあったものの、既存取引先への深耕活動に加え、官需の取り込みもあり、売上高は37億54百万円(前期比7.0%増)となりました。損益面では、増収効果に加え、内製化の推進や生産性の向上により、営業利益は3億13百万円(前期比55.1%増)となりました。

 

(その他)

 情報システム事業における半導体需給逼迫による製品供給の遅れや、子会社におけるコロナ禍による需要低迷の影響により、売上高は13億75百万円(前期比16.0%減)と大きく減少するものの、販売費及び一般管理費の抑制や売上総利益率の改善により、営業利益は31百万円(前期比5.4%減)となりました。

 

② 財政状態の状況

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ6億71百万円増加して193億46百万円となりました。

 流動資産は、前連結会計年度末に比べ7億18百万円増加して93億34百万円となりました。これは主に、現金及び預金が10億58百万円増加したことによるものです。

 固定資産は、前連結会計年度末に比べ46百万円減少して100億11百万円となりました。これは主に、無形固定資産が1億68百万円増加し、有形固定資産が1億67百万円、投資その他の資産が46百万円減少したことによるものです。

 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ56百万円減少して45億46百万円となりました。

 流動負債は、前連結会計年度末に比べ13百万円増加して40億79百万円となりました。これは主に、未払金が1億76百万円増加し、支払手形及び買掛金が1億52百万円減少したことによるものです。

 固定負債は、前連結会計年度末に比べ70百万円減少して4億66百万円となりました。

 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ7億28百万円増加して148億円となりました。これは主に、利益剰余金が7億92百万円増加したことによるものです。

 なお、自己資本比率は同1.2ポイント上昇して76.2%となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ10億43百万円増加して38億61百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金の収入は15億58百万円(前連結会計年度比2.4%減)となりました。これは主に、資金の増加要因として税金等調整前当期純利益14億35百万円、減価償却費5億99百万円、資金の減少要因として法人税等の支払額4億18百万円によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金の支出は1億89百万円(前連結会計年度は8億77百万円の支出)となりました。これは主に、資金の増加要因として投資有価証券の売却による収入4億4百万円、資金の減少要因として有形固定資産の取得による支出3億69百万円、無形固定資産の取得による支出1億85百万円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金の支出は3億25百万円(前連結会計年度は1億1百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額2億2百万円、自己株式の取得による支出1億10百万円によるものです。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

(a) 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

パッケージソリューション事業

15,054

△6.4

メーリングサービス事業

3,754

7.0

その他

963

△17.3

合計

19,772

△4.8

(注)1 金額は、販売価格によっております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(b) 受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

パッケージソリューション事業

14,653

△9.3

580

△43.7

メーリングサービス事業

3,734

6.1

116

△14.7

合計

18,388

△6.6

696

△40.4

(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2 その他の事業については、子会社が主として見込生産であるため、「受注高」及び「受注残高」の記載を省略しております。

 

(c) 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

パッケージソリューション事業

15,104

△6.1

メーリングサービス事業

3,754

7.0

その他

1,375

△16.0

合計

20,234

△4.7

(注)1 セグメント間取引については相殺消去しております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本文の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。これらの見積りは当社グループにおける過去の実績や将来計画を考慮して合理的と考えられる事項に基づき判断しておりますが、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。なお、会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、特に重要なものは以下のとおりであります。

(a) 繰延税金資産の回収可能性

 当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の判断においては、将来の課税所得を合理的に見積もっており、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対しては評価性引当額を計上しております。また、回収可能性の判断の前提とした諸条件に変化があり、繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断した場合、繰延税金資産の減額を行い、税金費用が計上される可能性があります。

 

(b) 固定資産の減損

 当社グループは、報告セグメントを基本に資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を実施することとしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては、慎重に検討を行っておりますが、事業計画や市場環境の変化により、投資額の回収が見込めなくなった場合には、減損処理が必要となる可能性があります。

 

(c) 有価証券の減損

 当社グループは、取引先との安定的かつ長期的な取引関係の維持・強化を目的として株式を保有しております。時価のある有価証券については、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には減損処理を行い、30%以上50%未満下落した場合には、当該金額の重要性、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。また、時価のない有価証券については、1株当たり純資産額と取得価額を比較し、1株当たり純資産額が取得価額の50%を下回っている場合に減損処理の要否を検討しております。将来の時価の下落、投資先の業績不振や財政状態の悪化により評価損の計上が必要となる可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの経営成績の分析は次のとおりであります。

(a) 自己資本比率

当連結会計年度末の自己資本比率は、前期比1.2ポイント上昇し、76.2%となりました。

(b) 売上高営業利益率

当連結会計年度末の売上高営業利益率は前期比1.3ポイント上昇し、5.4%となりました。これは、主に付加価値の高い商品・サービスの提案等の収益性を重視した各種販売施策を実施し、また生産性向上による原価低減と、各種経費の抑制による販売費及び一般管理費の減少によるものです。

(c) 自己資本利益率(ROE)

当連結会計年度末の自己資本利益率は、前期比2.1ポイント上昇し、6.9%となりました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益が増加したことによるものです。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2事業等のリスク」をご参照ください。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

 当社グループの資金需要のうち主なものは、原材料費、外注費及び人件費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに設備投資等によるものであります。これらの資金につきましては、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。

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