課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

 当社は、2018年に創業100年を迎えましたが、次の100年を視野に入れた「第二の創業」の実現に向け、2030年のあるべき姿として、長期ビジョン「IMURA VISION 2030」を策定しております。

 これまで当社は、1974年に制定した社是「より良き人生の創造に限りなく前進しよう」及び、これを実現するための長期経営基本方針をあわせて、経営理念としておりました。

 しかしながら、コロナ禍による社会システムの急速なデジタル化等、当社を取り巻く経営環境は大きく変化してきており、長期ビジョン「IMURA VISION 2030」を実現し、更なる飛躍を遂げていくためには、既存の枠組みを超えた事業展開やサステナビリティへの取組み、更には経営と社員が目指すべき想いを共有することがより一層必要となってまいりました。

 当社は、創業期の荷札製造販売からスタートし、数多のイノベーションを起こし、他社が出来ないサービス、製品を世の中に送り出すユニークなイノベーション企業として、100年もの長きに渡りお客様から支持されてまいりました。次の100年も、社会やお客様が求める価値を創造するソリューション提供企業、クリエイティブな企業であるため、新しい経営理念のもと、社員全員が一丸となって、新しい「イムラ」を創っていきたいと考え、2022年2月に「PURPOSE」を起点とし、「SPIRIT」、「PROMISE」の3層からなる新しい経営理念『IMURA PHILOSOPHY STRUCTURE』を制定いたしました。

 

「PURPOSE」

  潤創 社会と人生に潤いを創造する

 

 当社は何のために存在するのか、あるべき姿は何なのか、について経営と社員が共に目指すべき想いとして、当社がこれから持続可能な社会を建設していく上での基本精神として、当社に受け継がれてきた経営思想の源である「潤創思想」に立ち返り、これまでの社是に込められた想いを引継ぐ形で「PURPOSE」を制定いたしました。

 

「SPIRIT」

  Give&Give&Give 全ての人に最高の付加価値を届け続ける

 

 企業の使命として、「お客様への貢献」、「社員への貢献」、「家族への貢献」、つまり、お互い、身の回りの人たちを「幸せ」にするという価値観を共有し、それが出来るようになれば必ず成果となって返ってくるという考えのもと、基本精神として、「SPIRIT」を制定いたしました。

 

「PROMISE」

 ① 品格と尊重 ~人として正しく行動する~

   正しい倫理観と道徳観を持ち、品位ある行動(規律とマナー)を心掛け、他者を尊重し、日々の業務に

   取組みます。

 

 ② 貢献と奉仕 ~社会とお客さまのために~

   お客さまの満足を第一に考え、持続的社会の実現のため、喜んでいただくことのできる商品とサービスを

   通して貢献と奉仕に努めます。

 

 ③ 変革と挑戦 ~枠を超える~

   常に現状に満足せず、チャレンジ精神を持ち、自分に枠を設けず、勇気をもって積極果敢に新たな商品や

   サービスの創造に挑戦し続けます。

 

 ④ 対話と協働 ~組織力を発揮する~

   コミュニケーションとチームワークを大切にし、自由闊達な組織風土を創り、高い組織力と総合力を発揮

   することを通して、全社員の力で社会やお客さまのお役に立ちます。

 

 ⑤ 執念と完遂 ~やり遂げる~

   何事も自分事と捉え、一度決めたことには責任をもち、不屈の精神と創意工夫をもって、最後まで粘り強く

   やり遂げることで結果に結びつけます。

 

 行動指針の位置付けで、一人ひとりが会社や社会への約束事として心に持ちながら行動していく指針として「PROMISE」を制定いたしました。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、自己資本比率、売上高営業利益率、自己資本利益率(ROE)を経営指標に定め、その動向を注視するとともに、売上高及び経常利益を重要視しております。これらの経営指標については、業務執行役員会において定期的に達成状況を確認しております。

 

(3)経営環境並びに優先的に対処すべき課題

 当社グループは、これまで封筒を中心とするパッケージソリューション事業をコア事業として、封筒業界トップの地位を確固たるものとし、100年企業としての礎を築いてまいりました。しかしながら、ポストコロナにおいては、社会システムのデジタル化の進展により封筒市場の縮小が想定されることから、2030年までの事業環境の変化を踏まえた長期ビジョン「IMURA VISION 2030」を策定し、また、これを実現していくための道標として、2021年度を初年度とする3か年の中期経営計画「IMURA VISION 2030 StageⅠ」を策定しております。

 

①長期ビジョン「IMURA VISION 2030」

 『当社グループは、次の100年を視野に入れ、「第二の創業」の実現に向け、社会やお客様が求める価値を創造するソリューション提供企業への転換にチャレンジする。』を当社グループの基本方針とし、以下の3項目をあるべき姿として掲げました。

(a)プロモーションメディアにおいて、デジタルと紙の融合により、最高の付加価値を提供できる企業グループ
(b)パッケージの紙化ソリューションの提供により、持続可能な社会の発展に貢献する企業グループ
(c)事業基盤の再構築により、多様な成長エンジンを有する企業グループ

 

②中期経営計画「IMURA VISION 2030 StageⅠ」

 『変革とイノベーション(革新)により新たな成長軌道を実現し、企業価値の更なる向上を図ることで全てのステークホルダーに最高の付加価値を提供する。』を中期経営計画の基本方針とし、以下の6項目について重点的に取り組むことにより、新生イムラの基盤づくりを進めてまいります。

 

■変革

(a)デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、業務プロセス改革の実現による業務効率化、人員の最適配置、データの有効活用による営業戦略の高度化に取り組みます。

(b)「量」から「付加価値」への転換による収益力の強化、EC販売の強化、スマートファクトリーを意識した製造拠点の再構築、パッケージソリューション事業における圧倒的コストリーダーシップ戦略の実行等により、事業基盤の再構築に取り組みます。

(c)次世代を担うリーダーの育成、職務と成果に基づく人事評価制度の導入、個のパフォーマンスの向上と成長に資する働き方改革の推進に取り組みます。

 

■イノベーション(革新)

(d)バリューチェーンの拡大や通販系顧客層の拡充により、メーリングサービス事業の構造改革に取り組みます。

(e)ロジスティックサービス事業への進出や新規事業・事業領域拡大に向けた積極的投資により、新たな成長エンジンの創出に取り組みます。

(f)包装材等の拡販や脱プラスチック対応の新商品開発により、SDGsの推進に取り組みます。

 

③数値目標

項目

IMURA VISION 2030

2023年度目標

(StageⅠ)

2030年度目標

売上高

230億円

250億円以上

経常利益

20億円

30億円以上

自己資本利益率(ROE)

8.0%

10.0%以上

CO2排出量

20%削減

40%以上削減

(注)CO2排出量は2020年度実績6,600tを基準としております。

 

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