有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項についても、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、以下の記載は本株式への投資に関するリスクをすべて網羅するものではありませんので、ご留意ください。
(事業環境について)
当社グループの主たる収益は電子書籍の販売による収入であります。
電子書籍業界は、許認可や特許等による特別な参入障壁が存在しない業界であり、近年多数の企業が参入し競争が激化しております。競争がさらに激化し、顧客や読者の獲得や定着、並びに顧客単価の維持・向上が想定どおりに進まなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
対応策といたしまして、サービスとコンテンツの継続的な拡充、及び差別化による当社グループならではの付加価値の強化を進めてまいります。
現在、インターネット上で、出版物等を違法・不正にコピーしたコンテンツを扱う海賊版サイトが存在しております。かかる違法なコンテンツが相当量流通することによって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクの対応策として、2018年4月に他の電子書店4社と健全な市場の発展を目的に「日本電子書店連合」を設立し、読者に対して正規版購入への理解と啓発活動を行うとともに、出版社、出版関連団体及び権利者と連携し、海賊版サイト対策を講じています。
(事業内容について)
当社グループは、事業の運営にあたり、著作権者等の取引先(法人及び個人)との間で著作物利用許諾契約を締結しております。サービス・コンテンツ販売の拡大においては、これら契約の継続を前提としておりますが、何らかの事情により契約の更新に支障をきたす場合、又は著作物の利用料が変動した場合、取扱いコンテンツの減少や原価の上昇により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。対応策として、継続的かつ良好なコミュニケーションによる取引先ニーズの把握、当社が提供する付加価値や提案の充実によって、強固な信頼関係を構築し、維持してまいります。
当社グループがサービスを提供しているスマートフォン・タブレット端末並びにそのインターネット環境は、技術進歩が速いことが特徴です。当社グループが想定する以上の技術革新により、当社グループの技術やサービスが競争力を失うような事態が生じた場合、ユーザー数の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。対応策として当社グループは常に最新の技術動向に着目し、技術力で他社に後れを取ることのないように努めてまいります。
当社グループでは、主にプラットフォームセグメントにおいて、下記のとおり広告宣伝活動を効率的に実施し会員数の増加を図っております。当該施策が当社グループの想定どおりに推移しない場合、ユーザー数の減少、広告宣伝費の上昇により当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。対応策として、ROAS(広告支出の回収率を示す指標)等を勘案のうえ、定量的な分析に基づく最適な施策を実施するとともに、当社グループのサービス・コンテンツのブランディング活動に関してはその効果を慎重に検討した上で推進してまいります。
(注)第5期から第7期の広告宣伝費は、当社の推移であります。
当社グループは、事業の運営にあたり、多数のサーバーやネットワークを活用しております。自然災害、一時的なアクセスの集中、及び不正アクセス等により、通信ネットワークの切断、サーバーの作業不能が発生し、サービスがダウンする可能性があります。システムダウンが長時間にわたり継続するような場合、ユーザー数の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。対応策としてサービスの安定供給を図るために十分と思われるシステムの冗長化及びセキュリティ強化に努めてまいります。
(法的規制について)
当社グループの事業に関する法規制は、「著作権法」、「個人情報の保護に関する法律」等、多岐の分野にわたっております。
当社グループは、事業の推進にあたり、著作権をはじめとする知的財産権を侵害しないよう、取引先との間で締結する著作物の利用許諾契約を遵守し事業を展開しております。しかしながら、今後の法改正や解釈の変更、並びに海外展開による権利処理の複雑化等により、第三者から知的財産権に関する侵害を主張される可能性があります。このような場合、解決までに多くの時間と費用が発生する等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、サービス提供にあたり、取引先、お客様等の個人情報を取得する場合があります。これらの情報を適切に保護するため、情報へのアクセス制限や不正侵入防止のためのシステム採用や「プライバシーポリシー」等の情報管理に関する規程の作成等、個人情報保護のための諸施策を講じるとともに、個人情報の取得は必要最小限にとどめるなどして対応しております。なお、当社は2014年11月4日にプライバシーマークを取得しております。しかしながら、外部からの不正アクセス、故意又は過失等による情報漏洩に関するリスクは完全には排除できないことから、個人情報が流出する可能性があります。このような場合、損害賠償の請求や信用低下等によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
現在、当社グループは「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」等の法令等の遵守に努めております。なお、当社グループの事業は「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」及び各地方公共団体が制定する青少年健全育成条例等が規制対象とする事業に当たりません。しかしながら、これらの法令が改正・解釈の変更又は新たな法令の制定により、何らかの制約を受けることとなった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(その他のリスクについて)
当社グループは、当社の役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が行使された場合には、当社株式が発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。当連結会計年度末現在における潜在株式数は100,264株であり、発行済株式総数6,202,522株に対して約1.62%に相当しております。
当社グループは、企業買収に伴い生じたのれん及び出版権(識別可能資産)を2021年12月期末時点で10,336,951千円計上しております。内、当社の実質存続会社である旧menue株式取得によるのれんは3,008,068千円であります。また、2019年8月の株式会社ノベルバ吸収合併によるのれんは79,947千円であり、2020年10月のぶんか社グループ株式取得によるのれんは6,501,601千円、出版権(識別可能資産)は747,333千円であります。今後収益性の悪化などによる価値の毀損により、当該のれん及び出版権(識別可能資産)の減損処理を実施する場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業拡大を加速する手段の一つとして、積極的にM&Aを活用してまいる方針です。買収後に未認識債務の判明や偶発債務の発生等、事前の調査では把握できなかった問題の発生や、買収事業の展開が想定どおりに進捗せず、投資対象の減損処理の必要が生じる場合等、当社グループの財政状態、業績及びその後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。また、M&Aによって、当社グループが従来行っていなかった事業が加わる場合、当該事業固有のリスク要因が加わる可能性があります。対応策として、対象企業について事前に詳細な調査を行い、慎重にリスクを検討した上で進めてまいります。
地震や台風等の自然災害、テロ攻撃、感染症の流行といった事象が発生した場合、すべての被害や影響を回避することは困難であり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、発生時の損害を最小限に抑えるため、災害リスクに対する規程・マニュアル整備、社内安否確認体制の構築、倉庫管理会社との緊急時連携体制の構築等に努めております。
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