(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期の国内外の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にありましたが、持ち直しの動きが見られました。
このような状況のもとで、当期の当社グループの売上高は1,155億8千3百万円(前期比11.9%増)、営業利益は80億7千2百万円(前期比20.1%減)、経常利益は89億1千5百万円(前期比14.1%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、連結子会社であるスミトモ セイカ ヨーロッパ S.A/N.V. において、欧州市場における事業環境悪化の影響等を受け、減損損失3億5千7百万円を計上したことなどにより、58億9千5百万円(前期比17.2%減)となりました。
また、1株当たり当期純利益は429.10円、ROEは7.8%となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用したことに伴い、従来の方法に比べて、当連結会計年度の売上高は1,652百万円減少し、売上原価は1,138百万円減少し、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ513百万円減少しております。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ134億3千9百万円増加し、1,212億7千4百万円となりました。これは主に現金及び預金、棚卸資産が増加したことによるものです。負債は、前連結会計年度末に比べ70億2千6百万円増加し、393億6千9百万円となりました。これは主に買掛金が増加したことなどによるものです。純資産(非支配株主持分を含む)は、前連結会計年度末に比べ64億1千3百万円増加し819億5百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ2.6ポイント低下し64.9%となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
当セグメントでは、売上高は789億9千1百万円(前期比14.1%増)、営業利益は24億8千6百万円(前期比57.4%減)となりました。売上高は、原料価格の上昇に伴う販売価格の上昇や為替の影響などにより増収となりましたが、営業利益は原燃料価格や物流費の上昇などにより減益となりました。
当セグメントでは、売上高は185億5千3百万円(前期比3.4%増)、営業利益は27億円(前期比32.6%増)となりました。これは医薬中間体や機能製品、粉末樹脂の販売数量が増加したことや為替の影響などによるものであります。
当セグメントでは、売上高は171億9千6百万円(前期比10.1%増)、営業利益は27億7千9百万円(前期比22.1%増)となりました。これはエレクトロニクスガスの販売数量が増加したことなどによるものであります。
<その他セグメント>
当社グループは上記事業のほか、人材派遣業務、製造受託事業等を行っております。当セグメントでは、売上高は8億4千2百万円(前年同期比68.5%増)、営業利益は9千9百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、39億8千2百万円増加し、292億4千8百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動による資金の増加は、90億1千7百万円(前期比72億3千4百万円の減少)となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益が84億5千3百万円、減価償却費が48億9千6百万円、法人税等の支払額が24億6百万円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動による資金の減少は、43億2千1百万円(前期比20億9千1百万円の増加)となりました。主な内訳は、固定資産の取得による支出36億2千9百万円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動による資金の減少は、29億8千6百万円(前期比2億7千7百万円の減少)となりました。主な内訳は、短期借入金の純増額が5億7千6百万円、長期借入金の返済による支出が9億6千3百万円、自己株式の取得による支出が9億4千6百万円、配当金の支払による支出が15億1千6百万円などであります。
イ. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。
当連結会計年度における「ガス・エンジニアリング」のうち、エンジニアリングの受注実績は次のとおりであります。なお、エンジニアリングを除く製品については、見込み生産を行っております。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(注) 当連結会計年度における广州伊藤忠商事有限公司への販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満のため、
記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、当社グループにおける過去の実績や現時点での将来計画などに基づき見積りを行っている事項があり、主な事項は次のとおりですが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を判断するに際して、将来の課税所得を合理的に見積もっておりますが、将来の課税所得の見積り額に変更が生じた場合、繰延税金資産が増額又は減額され、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づいて算出しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症拡大による重要な会計上の見積りに対する影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
イ. 財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ134億3千9百万円増加し、1,212億7千4百万円となりました。主な要因は原料価格の上昇に伴い販売価格が上昇し営業債権が増加したことや、原料価格の上昇に伴い棚卸資産が増加したことなどによるものであります。
(負債の部)
負債は、前連結会計年度に比べ70億2千6百万円増加し、393億6千9百万円となりました。主な要因は原料価格の上昇に伴い買掛金が増加したことなどによるものであります。
(純資産の部)
純資産(非支配株主持分を含む)は、株主資本の増加に加え、円安の影響による為替換算調整勘定の増加などにより、前連結会計年度末に比べ、64億1千3百万円増加し、819億5百万円となりました。また、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ2.6ポイント低下し、64.9%となりました。
(経営指標)
1株当たり純資産額は利益剰余金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ557.50円増加し、5,835.52円となりました。
(売上高および営業利益)
売上高は、前連結会計年度に比べ123億2千9百万円(11.9%)増収となり、1,155億8千3百万円となりました。また、営業利益は80億7千2百万円となり、前連結会計年度に比べ20億2千8百万円(20.1%)減益となりました。売上高は、為替の影響に加え、吸水性樹脂事業での原料価格の上昇に伴う販売価格の上昇、機能化学品事業での医薬中間体や機能製品、粉末樹脂の販売数量増加、ガス・エンジニアリング事業でのエレクトロニクスガスの販売数量増加などにより増収となりましたが、営業利益は、原燃料価格の上昇および物流費用の増加などにより減益となりました。
(経常利益)
経常利益は89億1千5百万円となり、前連結会計年度に比べ14億6千万円(14.1%)減益となりました。当連結会計年度の期末にかけて円安が進行したため、為替差益は6億7千6百万円となり前連結会計年度と比べ5億8千8百万円増加しましたが、営業利益の減益により減益となりました。
(税金等調整前当期純利益)
税金等調整前当期純利益は84億5千3百万円となり、前連結会計年度に比べ12億1千2百万円(12.5%)減益となりました。特別損失については、前連結会計年度に、稼働計画を見直した生産技術研究所のパイロットプランにかかる減損損失7億3百万円を計上しておりました。当連結会計年度は、連結子会社であるスミトモ セイカ ヨーロッパ S.A/N.V. において、欧州市場における事業環境悪化の影響などを受け、吸水性樹脂製造設備に係る減損損失3億5千7百万円を計上しております。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は58億9千5百万円となり、 前連結会計年度に比べ12億2千3百万円(17.2%)減益となりました。
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額は24億9千9百万円となり、税金等調整前当期純利益84億5千3百万円に対する税効果会計適用後の法人税等の負担率は29.6%となりました。
(経営指標)
1株当たり当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益が減益となったことから、前連結会計年度に比べ87.10円減少し429.10円となりました。またROEは、前連結会計年度に比べ2.6ポイント低下し7.8%となりました。
2023年3月期を最終年度とする中期経営計画に対する2022年3月期の実績及び2023年3月期の業績予想は下記のとおりであります。
営業活動による資金の増加は税金等調整前当期純利益や減価償却費の影響により90億1千7百万円となりました。固定資産取得等の投資活動による資金の減少は43億2千1百万円となり、フリー・キャッシュ・フローは46億9千6百万円となりました。また、財務活動による資金の減少は配当金の支払や自己株式の取得等により29億8千6百万円となり、この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、292億4千8百万円と前期比39億8千2百万円の増加となりました。
ニ. 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達については、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース負債を含む有利子負債の残高は145億4千8百万円となっており、当連結会計年度末における現金及び預金の残高は292億4千8百万円であります。
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
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