クレハグループとしての研究開発は、当社が主体となって取り組んでおります。研究開発本部では、海洋プラスチック問題、CO2排出削減等の地球環境や人々の暮らしに有益なソリューションの提供を目指し、「環境」「エネルギー」「ライフサイエンス」「電子」「モビリティ」等、社会的貢献度の高い当社が強みを持つ技術を活用できる分野を重点研究開発分野と位置づけております。
研究開発は、中央研究所と樹脂加工研究所の2研究所、および安全性研究・評価センターで、「既存事業の持続的な収益性の維持・向上」および「新事業・新製品の創出」に向け、関連する事業部、生産・技術本部等の関連部署、生産グループ会社と連携を深めて、研究開発のスピードアップを図っております。
なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は
その概要は次のとおりです。
① 機能製品事業
「KFポリマー」(ポリフッ化ビニリデン樹脂)および「フォートロンKPS」(PPS樹脂)については、生産性向上や安定生産に向けた技術開発とプロセス開発を推進し、革新的なコスト低減に取り組んでいます。また、KFポリマーについては、HEV(ハイブリッド自動車)やEV(電気自動車)に搭載される大型リチウムイオン二次電池用バインダーを中心に、顧客へのソリューション提案を通じてシェアの維持拡大に繋げるべく、高性能グレードの開発を推進しております。2024年稼働を想定した中国新拠点での生産に対応したグレード開発にも取り掛かっております。
「PGA」(ポリグリコール酸樹脂)と「クレハマイクロスフェアー」(熱膨張性マイクロカプセル)については、市場ニーズを捉えた性能や機能の差別化ならびに新グレード開発を推進しております。特にPGA事業については、自社素材のPGAを用いたシェールオイル・ガス掘削用部材のフラックプラグの販売に加えて、今後の市場成長が期待される超低温分解向けとして高性能グレードの開発を加速しております。
なお、当事業に係わる研究開発費は
② 化学製品事業
農薬では、農業・園芸用殺菌剤「メトコナゾール」、および種子消毒用殺菌剤「イプコナゾール」の販売数量の維持・拡大を図り、さらに市場および適用拡大を進めております。また、両剤ともに原価低減に向け、製造体制の最適化にも取り組んでおります。次世代の農薬探索として、基礎研究段階から見出した有望な候補剤について、開発のステージアップを着実に進めております。
医薬品では、慢性腎不全用剤「クレメジン」の速崩錠の展開等、収益維持・拡大のための支援研究を行っております。また既存治療や製品と差別化できる独自の医療材料の創出を目指し、基礎評価研究を進めております。
なお、当事業に係わる研究開発費は
③ 樹脂製品事業
「クレハロン」(塩化ビニリデン・フィルム) については、常にお客様のニーズに耳を傾け、安定生産・品質向上、ならびに各国衛生法対応のための技術開発を進めております。また、「クレハロンML」(熱収縮多層フィルム)については、市場の拡大や今後の更なる成長に向けて国内外の関連部署と連携して性能・機能の差別化や新グレード開発を展開しています。さらに、グローバル展開を図るため、国内外顧客の技術支援も積極的に行っております。
なお、当事業に係わる研究開発費は
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