研究開発活動

5【研究開発活動】

 当社グループは、「特徴ある独自技術に基づく高付加価値製品の開発」を進めるために、「知の融合」「技の融合」「グローバル」をキーワードに、化学品事業として機能性材料と精密合成技術を活用した各種化学品、および農業化学品事業として新規農薬開発を目指した研究開発に取り組んでおります。また、予想される事業環境の変化に備え、現有製品の更なる強化・拡大を図り、既存事業周辺、重点指向分野での新製品の開発を強力に推進すると共に、関連会社との技術連携を通したグループ全体の技術力強化、新しい技術分野への参入や自社保有技術の積極的活用による新規事業の創生を目指しております。

 当連結会計年度における各セグメント別の研究開発の状況は次のとおりであります。

 なお、研究開発費の総額は5,844百万円(連結売上高比3.8%)であり、グループ全体で341名(総従業員比12.2%)体制であります。

 

[化学品事業]

 機能性材料分野では、精密重合技術による新規ポリマー材料、有機EL材料等の分野で技術的特徴を活かした開発を推進しております。2022年1月には新規機能性ポリマーとして精密重合技術を活かし、「液状1,2-SBS(スチレンブタジエンスチレン)」を上市いたしました。電子材料用途をはじめ、合成ゴム用途、粘接着剤用途へ販売してまいります。

 また、当社の特徴ある既存製品であるセルロース誘導体、液状ポリブタジエン製品、感熱紙用顕色剤、エコケア・光触媒及びバイオサイドなど環境化学関連製品、有機金属関連製品等についても競争力強化を行いながら、新規分野への積極進出を図っております。

 精密合成分野では、ホスゲン、青酸、金属ソーダ等の当社特有の原料を利用した重要中間体の開発及び新規製造技術開発による新製品の創出を目指しております。

 なお、[化学品事業]における研究開発費は1,269百万円であります。

 

[農業化学品事業]

 「食の安心•安全」にますます関心がもたれるなか、低薬量で活性を示し、低残留性の農園芸用農薬を中心とした研究に取り組んでおります。

 べと病やピシウム病に卓効を示す殺菌剤「ピシロック」につきましては、欧米をはじめとした海外開発を積極的に推進しております。用途には瓜類や葉菜類の茎葉散布と、とうもろこし等の種子処理が含まれます。また、新規の作用性を有する殺ダニ剤「ダニオーテ」につきましては、2020年10月に国内で上市し、好評を得ております。広範囲の病害に有効な殺菌剤「ミギワ」は2021年2月に国内上市に至りました。海外開発も順調に推移しており、2022年3月に米国で登録を取得しました。他の国々でも各種登録用試験をグローバルに実施中です。さらに、これらに続く有望化合物についてもフェーズアップに向け鋭意研究中です。

 化学農薬以外では、生物農薬として、「アグロケア」および「マスタピース」の販売が順調であり、今後も微生物の多様な能力を活かした生物農薬製品群の充実に力を入れます。

 なお、[農業化学品事業]における研究開発費は4,574百万円であります。

 

[その他]

 環境開発事業では、各種難処理産業廃棄物の資源リサイクルプロセスの改善研究に取り組んでおります。

 なお、[その他]における研究開発費は0百万円であります。

 

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