文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、「The Human Based Company 私達は「人と共に成長し継続する企業」を目指します」という理念のもと、「デジタルネイティブ(※)カンパニー」を標榜し、単一の技術ではなく、製品・サービス・手法を総合的に提供することで、顧客のビジネス価値の最大化に貢献してまいります。
また、当社グループは、「顧客から期待され信頼される企業」、「社員から期待され愛される企業」、「株主から期待され評価される企業」の3つの責任を履行することで「人と共に成長し継続する企業」として、社会に貢献することを基本方針としております。
※ 企業のDXやデジタル化に対応する為に最適化した設計思想や技術のこと。
(2)中長期的な経営戦略
当社グループは、次世代のクラウド型デジタルビジネスプラットフォームLaKeel DXを中心とした成長エンジン及びストック型収益モデルを構築することで継続的な成長及び安定的な収益モデルの構築を推進してまいります。
当社グループが推進するLaKeel戦略(LaKeelify or die)の骨子は以下の様になります。
LaKeel DXを以て、さまざまな企業の「デジタルビジネスプラットフォーム」として、広く市場から認知して頂き、LaKeel製品及び付帯するサービスの付加価値、ブランド力を向上させるというものです。
「当社グループの顧客は、LaKeel DXを活用してシステム構築する際に生み出されたアプリケーションやサービスを外向けに流通(販売)することが可能です。」
この考えをコンセプトに、LaKeel DXは、顧客のDX、即ち新規ビジネスの立上げの実現を支援することができます。
当社グループは、LaKeel DXを利用している顧客に対し、単にシステムのデジタル化(DX化)にとどまらず、「アプリケーションやサービスの流通(販売)」という新たなビジネスの提案を行っています。
顧客視点でみれば自社システムのDX化と、DX化による新規ビジネスの立上げを一石二鳥で実現する機会になります。
この点で、当社グループが考えるDXと他社が提案するDXとは異なっており、新しいビジネスモデルを提案し、真のDXを実現するという意味で大きな優位性になると考えています。
また、当社グループの顧客がLaKeel DX上で開発されたアプリケーションやサービスを外向けに販売することで、LaKeel DXを柱にしたエコノミーの構築/展開/転用が可能となることも大きなメリットです。当社グループの顧客の顧客は潜在顧客であり、顧客のDX化による新規ビジネス即ち「アプリケーションやサービスの流通(販売)」が順調に立ちあがり推移すれば、当社グループの顧客も増え続けることになります。
更に、LaKeel DX上でのアプリケーション開発は、マイクロサービス化されており部品化/再利用(組立)可能な構造とすることで、俊敏性と拡張性を併せ持つシステム構築を可能としています。
LaKeel DXには、アプリケーションの部品化/再利用(組立)を実現するための仕組み(LaKeel Engine)が実装されています。
これに加え、LaKeel Engineには、LaKeel DX上でのアプリケーションだけでなく、顧客が所有するシステムに蓄積されたデータやインターネット上に存在するデータを横断的に活用する仕組みも実装されています。LaKeel DXの俊敏性に加え、この仕組みによりビジネスの状況や環境変化をリアルタイムで把握することが可能になり、顧客のビジネススピードの最大化に大きく貢献します。
LaKeel DXは、昨今、サービス化する企業や社会に対する当社グループからの提案であり、同時にソフトウェアという視点から企業のビジネスモデルを変革させるプラットフォームだと位置付けています。
(3)経営環境
当社グループのLaKeel事業は、ソフトウェア業界に属しておりますが、当業界は、業種や導入先企業の規模などに応じて多くのソフトウェアが存在するため、参入企業も多いという現状であり、世界の大手企業が日本市場にも展開しております。
経済産業省が発表したレポート「2025年の崖」(※)では、複雑化したシステムの運用コスト高騰など「技術的負債」(レガシーシステムのブラックボックス化)、IT人材不足(2025年に43万人不足)、分断されたシステムによるデータ活用やデジタルトランスフォーメーションの遅れといった諸問題が提起されています。
当社グループは、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現する為のデジタルビジネスプラットフォームLaKeel DX及びアプリケーション群LaKeel Appsを提供する事により、企業のDXを強力に支援するとともに、「2025年の崖」をはじめとする当業界における問題を解消します。
※ ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開 経済産業省 2018年9月7日
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、ソフトウェア業界に属しており、LaKeel DXを中心としたユーザー基盤の拡大が、当社グループの収益拡大に寄与するものと考えられ、また売上高及び営業利益(率)は、企業経営の基本的な指標と考えられるため、LaKeel製品サブスクリプションのユーザー数、売上高、営業利益、営業利益率を経営上の重要な指標としております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 人材の確保と育成
人材の確保は当社グループの成長の礎であり、いかに人材を採用し、育成するかは重要な課題の一つです。当社グループの企業理念である「人と共に成長し継続する企業」を全従業員と共有・体現する為に、当社グループの行動指針である5つの「ラキールウェイ」(ロイヤリティ・問題解決能力・イノベーション・プロフェッショナル・ヒューマンスキル)を基軸としております。それをもって、企業理念に共感し高い意欲を持った優秀な人材を継続的に採用していく必要があると考えております。人材市場における知名度の向上を図り採用力の向上に努めるとともに、業務環境や福利厚生の改善により採用した人材の定着率の向上も図ってまいります。
② 新サービスの開発
ITの急速な発展および変革により、多様化し拡大するニーズに応えるために、当社グループの基幹技術LaKeel DXを基盤とした新しいサービスの開発および提供が必要と考えております。クラウド型デジタルビジネスプラットフォームLaKeel DXを統合的な開発・運用プラットフォームとすることにより、高い生産性と品質向上を加速してまいります。
具体的な新サービスは下記のとおりです。
a. LaKeel Workflow
ワークフローの基盤です。「申請と承認」は、企業において非常に多くの業務で必要な手続きですが、LaKeel Workflowを利用することで、電子申請とその承認システムを極めて簡単に作成し、速やかに運用を開始することができます。
b. LaKeel Passport
ID管理・認証の統合管理基盤です。外部システムとの連携、既存システムとのシングルサインオン、多要素・多段階認証機能を提供し、ユーザーIDの一元管理・セキュリティレベルの強化と統一を実現します。また、LaKeel DX上で構築されたアプリケーションに対しては認可機能を提供いたします。
c. LaKeel HR
これからの人事が目指す理想の実現を支援する人事給与システムです。近年の人事では、人材育成、働きがいの醸成、生産性の向上など、持続的な強い企業を実現するための本質的な課題に応える必要に迫られています。そのためには、「人事データの分析」に基づいた「エンプロイー・エクスペリエンス」の実現と向上を図り、「働きがいを創出すること」が人事の重要なテーマになると考えます。
LaKeel HRは、人材データ管理や給与計算、勤怠管理に加え、業務工数の削減や、業務のブラックボックス化を排除する機能により生産性の向上を図り、エンプロイー・エクスペリエンスを実現する人事データ分析機能を提供いたします。
d. LaKeel Survey
アンケート基盤です。一般的なアンケートを作成し収集するだけでなく、収集した結果は、グラフで可視化されると共に、アンケート毎に設定された閾値や、繰り返し実施されるアンケート結果の傾向から、異常値(例:前回から急激に変化したことなど)を検知した場合に、管理者に通知する機能を提供いたします。
e. LaKeel Process Manager
LaKeel DXの画面や機能を部品として構築する特徴を最大限に活かす製品となります。ユーザー企業において、業務の流れが変わった場合、システムの作り直しが発生していましたが、本製品は、パズルのように機能部品を組み合わせて、業務フロー図を作成するだけで、システム上でそのフローを実現します。また、1つの業務フロー図からは、システム1の機能Aとシステム2の機能Bなど、複数のシステムを横断的に呼び出すことも可能です。
つまり、LaKeel Process Managerは、複雑な業務とシステムの機能を分離することで、システム機能の再利用性と業務への対応力を高めます。
③ 技術力の強化
新技術の採用と研究開発により、技術ノウハウをさらに蓄積し、充実させていくことは当社グループの事業の競争優位性を高めるうえでも必要不可欠です。優秀な技術者の採用や先端技術への投資・モニタリング等を通じて、技術力の向上に取り組んでまいります。
④ 個人情報の取扱い及び情報管理体制の強化
当社グループは、各事業で提供するサービスの特性上、顧客企業の機密情報及び個人情報等を多く取扱っております。これら情報等の取扱いについては、プライバシーマークを取得しており、個人情報や機密情報に関する取扱いを社内規程に定め、社内研修の実施等によりセキュリティ意識の喚起や情報リテラシーの向上に努めてまいります。
⑤ 内部管理体制の強化
当社グループが今後の事業環境の変化に対応し、また新たに事業拡大を進めるためには、内部管理体制を強化していくことが重要であると認識しております。内部統制の実効性を高め、コーポレート・ガバナンスを充実していくことで、リスク管理の徹底や業務の効率化を図ってまいります。
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