(1) 会社の基本方針
当社グループは、「地球上に限りある資源の有効活用を図り、あらゆる素材の表面改質を通じて、資源の新しい価値を創造し、地球環境の保全と豊かな社会作りに貢献する」を企業理念に、環境保全への積極的な取り組みを経営における最重点課題の一つとして捉え、表面改質を通じて地球環境の保全に貢献することを経営の基本方針としております。また、コーポレート・ガバナンスの充実及び社会貢献にも積極的に取り組み、ステークホルダーの皆様と共に、持続可能な社会の実現と企業価値の向上に努めてまいります。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
地球環境問題などの社会課題の重要性が高まるなか、社会と共に持続的な成長を実現していくためには、SDGsを始めとする社会課題の解決に取り組むことが不可欠と考え、2030年のあるべき企業像と成長の道筋を示した長期ビジョン「Vision2030」を策定しております。「Vision2030」では、表面改質のスペシャリストとして「表面改質技術を通じて、新たな価値を創造し、持続可能な社会の実現に貢献する」を目標に、あらゆる素材の表面に、多様な機能を付加する技術の研究開発に取り組んでまいります。
第4次グループ中期経営計画では、当社グループが取り組むべき6つの重要課題を選定し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進する他、成長戦略、社会課題解決、企業変革の3つを柱として、Vision2030の実現に向けた経営基盤の強化に取り組みます。
また、2050年のカーボンニュートラルに向けては、2030年までに、当社単体でCO2排出量を30%削減することを目標として、再生エネルギーの利用拡大など、製造および加工段階でのCO2の削減に取り組む他、工程短縮や低温処理などを通じてCO2削減に寄与する製品(PALLUCID、PULS)の拡販などを推進し、サプライチェーン全体でのCO2削減にも取り組みます。
当社は1928年に創業し、2028年に創業100周年を迎えますが、「地球上に限りある資源の有効活用を図り、あらゆる素材の表面改質を通じて、資源の新しい価値を創造し、地球環境の保全と豊かな社会作りに貢献する」という企業理念のもと、これまで以上の大きなチャレンジに果敢に取り組み、社会と共に持続的な成長・発展を目指してまいります。
(3) 目標とする経営指標
(第4次グループ中期経営計画:2025年3月期の目標)
・売 上 高 1,300億円
・営 業 利 益 169億円
・経 常 利 益 195億円
・売上高営業利益率 13%以上
・売上高経常利益率 15%以上
・自己資本利益率(ROE) 8~10%以上
(4)会社が対処すべき課題
2023年3月期における日本および世界経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大やウクライナ情勢の動向、中国の景気減速懸念などリスク要因も多く、急激な為替変動やエネルギー価格の上昇など懸念材料もあり、国内外ともに依然として先行き不透明な状況が続くと予想されますが、販売価格への転嫁や原価低減により、適正なマージンを確保できるように取り組んでまいります。
また、中長期的には、主要な供給先である自動車産業においては、グローバル競争の激化による価格低下及び国内市場の成熟等による需要減少リスクに加え、脱炭素社会に向けた自動車の電動化への取り組みがグローバルで加速しております。そのような市場環境のなか、当社グループの持続的な企業価値の向上には、既存事業の収益力強化と将来を見据えた技術開発が不可欠と考えており、Vision2030の実現に向けて、以下の取り組みを推進してまいります。
① 新規分野の開拓
自動車及び鉄鋼などの伝統的な市場だけでなく、医療機器、電子部品、航空宇宙、ヘルスケア、家庭用品など、新規市場及び新規分野への参入拡大を推進してまいります。
② 既存分野の深耕
次世代自動車に対応した技術開発、環境対応型製品及び高機能製品の開発など、社会のニーズに合わせた製品開発や技術開発により、既存分野の深耕を図ってまいります。
③ グローバル展開の加速
事業活動の更なるグローバル化を推進し、グループ総合力を活かして、社会課題の解決に貢献するソリューションをグローバルに提供する体制を強化してまいります。
④ グループ・ガバナンスの強化
中長期的な企業価値の向上に向けて、グローバルな事業活動を支えるためのグループ・ガバナンスの強化に取り組みます。
⑤ 多様な人材の活躍推進
イノベーションの創出と海外事業の拡大による持続的な成長を実現するため、ダイバーシティ経営をグローバルに推進し、多様な人材の活躍促進とグローバル人材の育成・確保に積極的に取り組みます。
(5)コーポレート・ガバナンス強化による企業価値及び株主共同の利益向上に向けた取組み
当社では、上場会社として社会的な使命と責任を果たし、継続的な成長・発展を目指すためには、コーポレート・ガバナンスの充実が重要な経営課題であると考えております。
この考えに基づき、(ⅰ)取締役会による重要な意思決定と職務の監督、(ⅱ)グループ全般を視野においた経営管理体制による意思決定の迅速化、(ⅲ)監査等委員による取締役の職務執行の監査、(ⅳ)社長直轄の内部監査室による内部監査の実施、(ⅴ)化学メーカーとしての責任である製商品に関する安全性確保、品質保証、環境対応及び法令遵守を全社統合的に推進する組織の編成、(ⅵ)コンプライアンス委員会・リスク管理委員会の設置、リスク管理規程・子会社管理規程の整備等の施策を実行しております。
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