研究開発活動

 

5 【研究開発活動】

当社グループは技術立社として、「 金属表面処理技術の経験を活かして自動車・鉄鋼業等を中心に産業に貢献すべく、あらゆる素材の表面改質の分野で市場における技術的な優位性を維持し、世界のリーダーたる 」ことを基本方針に掲げ、国内外関係会社の技術開発部門が連携し、先進性と独創性に秀でる表面処理技術の開発を進め、その地位を確固たるものにするために日々努力しております。また、有害物質の代替や低減、ゼロエミッション化など環境負荷の抑制を可能とする技術開発を進め、社会課題にも積極的に取り組んでおります。

当社グループの事業領域は、表面処理薬剤の製造販売を中心とする薬品事業領域、防錆加工及び熱処理加工を行う加工事業領域、 表面処理及び塗装に関連する設備機器の製造販売を行う装置事業領域の3つ に大別されます。これら事業領域を網羅した基礎的な研究開発については総合技術研究所を中心として推進されており、同所が技術開発の発信拠点となっております。一方、東日本・西日本の各地域の技術センター、加工技術センター、油性製品技術センターや海外技術センターは、顧客により近い立場での応用開発を行っております。市場ニーズの急激な変化へ対応するために、シーズ開発から製品開発までを一貫して行うと共に、グローバルな製品展開を視野に入れ、迅速で柔軟な研究開発体制を構築しております。また、自社の持つコア技術を軸とした新技術創生活動にも力を入れております。更に製品の製造に関しては、多様化する製品群に対し安定した品質を保証できる製造技術の開発を製造技術センターにおいて推進しております。

主な研究開発の概要及び成果は、以下のとおりです。

薬品事業領域では、従来から対象としてきた鉄鋼材料・自動車車体・塑性加工パーツ・非鉄材料といった主な分野で、環境課題にも積極的に取り組んでおり、性能とコストを両立させ、環境に配慮した新しい表面処理技術・材料の開発を進めております。自動車車体の塗装下地分野では、りん酸亜鉛処理に替わる環境負荷の少ない新規化成処理のグローバル展開を進めており、次世代に向けた応用開発も同時並行で行っています。同じくりん酸亜鉛処理に頼っていた塑性加工用潤滑処理についても、環境対応型の一液型潤滑処理の市場が海外展開を含めて進んでおります。非鉄材料分野では、エアコン用熱交換器に対して新たな機能を付与した皮膜処理剤の開発を進め、家電用エアコンへの市場化を目指しています。また、コア技術を応用して絶縁、断熱、撥水、抗菌といった新たな機能を発現する皮膜処理技術の開発や新たなコア技術を創生することによって、電子部品、日用品、医療機器といった新規市場分野に対する用途開発を積極的に進めています。今後、更なる市場拡大が期待できます。

装置事業領域では、開発部門を集結し技術開発センターを設立いたしました。環境負荷を軽減し塗装効率を上げる塗装ブースシステムの開発をはじめ、IoT設備管理システムでは、予防保全機能・予兆監視機能を強化した「新型粉体塗装機専用のLEAPS CPPA(シッパ)」を開発し、更に火災等を防止する安全監視システムの開発を新たに推進しております 。また、船橋実験センターをリニューアル中であり、完成後にはお客様に新しい塗装システム・IoT環境・塗装機器を体感して頂ける展示室を併設し、さらなる新しいニーズに応えることのできる開発体制を構築してまいります。

加工事業領域では、防錆加工分野では耐食性、接着性、意匠性等の様々な要求に対応する化成処理や、めっき処理技術等の開発を行っております。熱処理分野においては塩浴軟窒化処理“イソナイトLS”の開発及び生産技術的研究を行い事業化につなげました。また、軟窒化と高周波焼入れの複合熱処理等の検討も行っており、その応用技術の実用化を推進しております。

当連結会計年度では、総研究開発費として2,011百万円を投入いたしました。なお、セグメントに関連付けての記載は困難であるため省略しております。

 

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