課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

   当社グループの企業理念

1.「人と技術と環境の調和。無限の可能性に挑む。」という理念のもと、「創業の精神を忘れずに、アセチレンバウム(アセチレンの樹)の夢を追い求めて、限りない可能性の炎をもやし続ける」グループ企業をめざします。

2.「株主」及び「取引先」各位ならびに「従業員」を三位一体と考え、公正妥当な倫理基準に基づいた事業活動を通じて、社会に貢献できる経営を行ないます。

3. 全般的な経営の効率化を地道に推進し、企業体質の健全性を維持しながら、企業価値を高め、事業規模の拡大をはかります。

  4.「安全・安心をすべての基本姿勢」とし、創業以来一貫して、この姿勢を貫いております。

  5.「地域に密着した企業ブランド」を構築し、存在感のあるグループ企業をめざします。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、中期経営計画「チェンジ&チャレンジstageⅡ」(2021年4月~2026年3月)を推進し、持続的成長と企業価値の向上を目指した取り組みを進めてまいります。この中期経営計画の経営目標を達成するため、ガス事業、化成品事業、ITソリューション事業部門の3つの事業を柱に、「人と技術と環境の調和」という企業理念のもと、持続的成長に向けた5つの成長戦略である「事業拡大」・「人材育成」・「機能整備」・「戦略投資」・「社会調和」の着実な実行により、急速に変化する事業環境にも対応することができる経営基盤を構築し、さらなる企業価値の向上をはかってまいります。

 

(3)目標とする経営指標

 目標とする経営指標につきましては、株主価値の最大化をはかるために資本効率を高め、売上高経常利益率及び株主資本利益率(ROE)を現在の水準よりさらに向上させることをめざしてまいります。

売上高経常利益率は前連結会計年度の6.2%から6.5%へと0.3ポイント増加しました。株主資本利益率(ROE)は、前連結会計年度末の5.8%から6.4%へと0.6ポイント増加しました。なお、当連結会計年度の株主資本利益率(ROE)の増加は主として、親会社株主に帰属する当期純利益の増加によるものです。

 

(4)経営環境及び対処すべき課題

今後のわが国経済は、ウクライナ情勢の悪化によるさらなる資源価格の高騰や新型コロナウイルス感染再拡大時における経済活動の制限など、不確定要素が多く、先行き不透明な状況が続くものと思われます。

従業員の健康、安全を最優先に考え新型コロナウイルス感染症拡大防止策に必要な施策を行なってまいります。新型コロナウイルス感染症の収束の時期は未だ不透明であり、経済回復には時間を要することが想定されます。今後の新型コロナウイルスの変異株などによる感染拡大によっては経済活動への影響を受ける可能性があり、その場合には当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があります。

当社グループは、安全操業と安定供給体制の強化を一層推し進めるとともに、市場環境の変化を的確に捉え、国内外の成長分野への積極的な投資や各事業における一層の競争力強化と生産性向上、コスト低減、環境対策、ガバナンス強化に取り組みながら、積極的なチャレンジを続けてまいります。

 

 

   ①ガス事業

ガス事業は、ユーザーの変化に対応すべく、当社グループ各社との連携を一層深めながら、地域に根付いた事業展開によりシリンダーガスビジネスのさらなる収益力の強化をはかるとともに、安全・安心を第一に掲げ、新規設備の導入を含めた技術力の向上に努め、工場設備のリニューアル、事業場の新設や統合、容器の投入により安定供給及び物流の合理化を進め、事業拡大をはかってまいります。また、新たな事業展開を目指し、積極的なM&A、真空浸炭向け溶解アセチレン、エアゾールガス、農業用炭酸ガスの新規需要先の獲得や食品、溶接等多岐にわたるユーザーの開拓を進めてまいります。

カーボンニュートラル社会への転換として期待されている、環境負荷の低い液化アンモニアや水素ガス等の供給網整備や環境に配慮した新冷媒ガスの拡販など、新しい用途やアプリケーションの提案を行なってまいります。土浦研究所では、水素蓄圧器などの各種容器の開発による他社製品との差別化や難燃剤などの開発、また、産学共同連携を推進し、カーボンナノチューブなど付加価値の高い製品の市場投入、量産化技術の確立を目指してまいります。

海外展開においては、資本参加したベトナムの高圧ガス事業会社を拠点に東南アジア地域への販路の開拓を行ないます。また、国際情勢の悪化や海上輸送の遅れに対する輸入品の安定調達のための体制の構築を進めてまいります。

 

②化成品事業

化成品事業は、DX化による業務の効率化、原材料・製品在庫の最適化、容器管理、製造・物流の合理化を行なうとともに、BCPを念頭に置いた原材料購入体制、生産体制を確立してまいります。また、将来的なカーボンニュートラルの実現を目標に環境配慮型の原材料、再生可能エネルギーを積極的に取り入れ、研究開発、営業開発に注力して、市場ニーズに合った環境にやさしい製品の提供に努めてまいります。

接着剤市場においては、住宅設備、自動車、弱電、医療分野へ積極的に高付加価値品を投入するとともに、当社グループのネットワークを活かし、幅広い分野での新規ユーザー開拓を行なってまいります。また、雨音、振動を低減させる効果のある制振材「サウンドプルーフ」は快適な生活環境の提供を目的とし、公共の施設をはじめ、遮音性が求められる建物等向けに拡販してまいります。

塗料市場においては、既存住宅の改修需要に対応した、外壁サイディングボード用の「WBアートSi」・「ウォールバリアシリーズ」・「ビーズコート」、屋根用の「ルーフバリア」の拡販を推し進めるとともに、今後もユーザーニーズに合った環境配慮型の製品開発を進めてまいります。

エアゾール市場においては、生産能力の拡充により、多種多様な用途への展開を目指してまいります。

海外市場においては、ベトナム工場を拠点として、当社グループ会社との協業で中国・東南アジアへの接着剤、塗料の市場開拓を進めてまいります。

 

   ③その他事業

その他事業は、ITソリューション事業において、半導体及び樹脂製品の不足による長納期化の懸念もありますが、鉄道業界、産業機器業界を主な営業対象とし、表示機能を搭載したLSIカード、ディスプレイタグ等の電子ペーパー応用製品、RFタグ関連製品及び画像記録装置等のさらなる拡販を進めるとともに、IoT分野への企画・提案を積極的に行ない、新規開拓をはかってまいります。

食品添加物事業においては、社会のニーズに応じた食品及び食品添加物の拡販を行なってまいります。

 

   ④経営基盤の強化

経営環境の変化に対応した事業展開をはかるため、生産・販売・管理体制の強化、労働環境及びシステム環境の整備、人事制度ならびに人材育成研修の見直しと構築、また、多様な人材が活躍し、社員一人ひとりが持つ能力を最大限発揮し成長することができるための企業風土の醸成ならびに組織体制の整備を行ない、組織の活性化と生産性向上の実現に努めてまいります。

 

当社グループといたしましては、引き続き「安全」・「安心」をすべての基本姿勢とし、企業体質の健全性に留意して事業規模の拡大をはかり社業の発展に努めてまいる所存でございます。また、企業理念、企業倫理行動指針に基づいたコーポレート・ガバナンス体制の整備と強化に真摯に取り組んでまいります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において、当社グループが判断したものであります。

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