当社グループ(当社及び連結子会社)の研究・開発活動の大部分は、当社が主に担当しております。当社は、二硫化炭素の新たな製造技術をもって創業し、以来、研究開発や製造技術の独創性を基に無機化成品、有機化成品、ファインケミカル及び建材分野に事業領域を拡げてまいりました。常に独創性を重んじ、これを会社発展の原動力とする至上の価値観「独創力」を企業理念に、全社一丸で新たな価値や市場の創造に取り組んでまいります。
組織の活動としては、R&Dセンターにおいてコア技術に立った既存事業の強化拡充を図るとともに、習得した新技術による独自性を持った製品開発にチャレンジしております。また、各工場の開発部門や建材事業の開発部門においては現技術の深耕による既存商品の再活性化を図りつつ、事業戦略に沿った差別化商品の開発に努めております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は
①化学品事業
化学品分野における研究・開発は、電子化学材料分野、機能材料分野並びに環境関連分野を中心に、既存事業の周辺に特化し、事業拡大に貢献することを目指しております。
電子化学材料分野では、高密度プリント配線板用水溶性プレフラックス「タフエース」のさらなる高機能化や、樹脂と銅の密着性付与剤「GliCAP」の開発を進めています。
機能材料分野では、樹脂の性能を高めるイソシアヌル酸誘導体や、複合材料向けのベンゾオキサジン誘導体などの開発を行っております。さらに、樹脂改質剤として用いるグリコールウリル誘導体の量産化を進めており、幅広い用途展開に取り組んでいます。
環境関連分野では、水処理薬剤の開発に注力しております。プール用途で培った技術を活かし、サニタリー薬剤の高機能化・高付加価値化に向けた製品開発を行っております。排水処理用としては、浄化槽用薬剤や微生物製剤「ハイポルカ」を中心とした開発体制を整えております。
また、タイヤ関連材料「ミュークロン」の性能向上を目的とする開発に取り組んでいます。
なお、当事業に係る研究開発費は
②建材事業
建材分野の開発活動は、「いつもの場所を、価値ある空間に」を基本に、顧客に信頼されるメーカーを目指し、高品質で独自性(デザイン・機能)のある商品開発に注力しています。壁材、住宅・景観エクステリアの各分野で先進性ある商品への取り組みを進め、他社との差別化を明確にしてまいります。
壁材では、より高い意匠性の追求と施工性の向上に取り組みました。内装材では、塗り壁にひと工夫プラスすることで、さまざまなデザイン提案ができるアクセントカラー仕上げに、施工がしやすい専用目地材「SK抜き目地 壁用」を発売しました。外装材では、「パレットHG ローラー塗りタイプ」に冬季の低温でも施工できる低温施工タイプを追加し、門柱など小面積の施工に無駄なくお使い頂けるように梱包単位を見直しました。舗装材では、学校や老人介護施設、医療施設などでご採用頂いているゴムチップ舗装材「チップロード」にローラーで塗布するだけの簡単施工で、ゴムチップの欠落抑制と経年劣化による変退色を新設時の色に蘇らせるメンテナンス材として、「チップロード用着色メンテナンスコート」を発売しました。
住宅エクステリアでは、生活様式が変化している中、ユーザーの利便性や快適性を高める商品の開発を進めました。庭回りでは、庭や駐車スペースを活用して、自宅にいながら手軽にアウトドアライフやカーライフといった趣味の時間が楽しめる屋外収納庫「マイストッカーEX1型」を発売しました。また、家庭でのゴミの一時保管に便利なゴミ収納庫として、住宅意匠に調和し、玄関まわりやアプローチに設置できるスタイリッシュなデザインの「ゴミストッカー®HM1型」を発売しました。車庫周りでは、発売よりご好評いただいている「マイポートNext」に利便性を高めた2台駐車専用のワイドタイプと、建物のトレンドカラーに合うブラック色とブラック色に木調色を組み合わせたカラーを追加しました。
景観エクステリアでは、建築物や街の環境に調和した商品開発に注力しました。カラーバリエーションの追加として、当社主力の大型引戸「スタックラインSR型」に重厚かつ落ち着きのあるマットブラウン色を追加し、「防音フェンスVNF1型/TNF1型」には建物のトレンドカラーに合うブラック色を追加しました。新たなデザイン追加として、大型フェンス「EAF」シリーズに堅牢な印象を与える立体感のある「EAF8型:横ルーバーデザイン」と、連続感が美しい「EAF32型:縦ルーバーデザイン」を追加しました。また、ロートアイアンの立体的な造形を、軽くて錆に強いアルミで再現したロートアルミフェンス「RKF」を発売しました。手づくりならではの味わいある意匠やサテン調粉体塗装により格調高い外構を演出します。
当社は多様化するニーズに、公共建築・施設の設計折込活動で培った対応力を活かし、市場ニーズに対し、タイムリーな開発に取り組んでまいります。
なお、当事業に係る研究開発費は
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