課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 (経営理念)

  当社グループは、「技術革新と創意・工夫に努め、科学・経済の発展に貢献するとともに、社会的責任を果たし、信頼され、価値ある企業として成長します。」の経営理念に基づく経営を目標としております。

 (経営基本指針)

  上記経営理念を実現するため、次の経営基本指針を掲げております。

  ①.「スペシャリティ化学の素材・加工分野」において、お客様のニーズを優先し、お客様の満足を得られる優れた製品とサービスを提供することにより、市場に信頼される企業を目指します。

  ②.「企業の根幹は人なり」の考え方に基づき、社員一人一人の人間性・個性を尊重し、能力の伸長に努めるとともに、仕事を通じて、生甲斐と幸せを実現し、社員として誇りを実感出来る企業を目指します。

  ③.「良き企業市民」として、全ての法律を遵守し、社会規範に基づいて、公正・誠実な企業活動を推進するとともに、自然環境の保護と資源保全に留意し、広く社会の理解と共感を得られる企業を目指します。

(2)経営環境

  ヨウ素の事業環境は、新型コロナウイルス感染拡大による需要減少は、短期的な影響にとどまり、中長期的には世界の中間層人口の増加、新興国を中心とした経済成長等により、医療用途を中心に安定的な成長が見込まれております。

  天然ガスの事業環境につきましては、化石燃料の中では比較的温室効果ガスの排出が少なく、貴重な国産エネルギー資源として重要な役割を果たすことから、当面は堅調な需要が見込まれます。

  金属化合物事業につきましても、電子回路の高集積化を担う積層セラミックキャパシタ(MLCC)向けの需要は、電動化、自動運転化等により車載用、通信用等が中長期的に拡大することから、大きな成長が期待されます。

(3)会社の対処すべき課題

  こうした当社グループを取り巻く事業環境を踏まえ、当社といたしましては、ヨウ素及び天然ガス事業では、設備保全を最優先として、既存設備の維持・更新を積極的に実施し防災体制の強化とともに安定操業を継続し、お客様への安定的な供給責任を果たしてまいります。また、新規坑井の開発を継続して行い、既存坑井の生産減退を補うとともに供給能力の拡大を目指します。

  限られた天然資源の有効活用を図るため、常に最善の製造プロセスを目指し高効率化を図るとともにリサイクルの向上に努め、投資に伴う製造コストの上昇の圧縮を図ってまいります。製造プロセスの高効率化においては、カーボンネットゼロ社会実現に貢献できるよう、省エネルギー化へ一段と注力してまいります。

  金属化合物事業では、MLCC向けの需要拡大に的確にタイミングを合わせ、生産体制を強化してまいるとともに、お客様と連携し一層のコストダウンを図ってまいります。

  当社の販売は特定用途の需要に依存するところが大きく、中長期的に安定成長が見込まれるものの、大幅な技術革新により需要が大きく変化することも考えられます。このために新商品開発及び新規事業の創出が急務と考えております。

  社内の資源を活用するだけでなく、外部研究機関と積極的に提携し開発、創出のスピードを上げていく所存です。

  このように継続的かつ確実な取り組みを通じて株主皆様のご期待にお応えし、安定的に成長を図ってまいります。

(4)経営目標

  コンスタントな需要増加に支えられて、事業全体の市場規模は、年々拡大して行きます。

  このような事業環境を生かし、新規坑井開発、送水・送ガス配管の新設・更新等の設備投資に、引き続き積極的に資金を投じてまいります。併せて、製品ポートフォリオの最適化、コストの適切な管理を実行します。

  当連結会計年度の経営目標は、以下のとおりでありました。

  ・売上高営業利益率は、10%以上 ⇒達成(当連結会計年度実績13.3%)

  ・ROE(自己資本利益率)は、6%以上 ⇒達成(当連結会計年度実績6.7%)

  翌連結会計年度以降の経営目標については、積極的な設備投資が継続する状況も踏まえ、今後の取締役会で議論を行う予定であります。

 

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