2021年4月策定の長期ビジョン「TechnoAmenity for the future」並びに2022年3月策定の新中期経営計画「TechnoAmenity for the future-Ⅰ」で定めた2030年の目指す姿である「人と社会から必要とされる素材・ソリューションを提供」を実現するために、研究開発活動に積極的に取り組んでおります。具体的には、「事業の変革」として、既存分野から成長分野へのポートフォリオ変革に向けた「ソリューションズ事業拡大」、「マテリアルズ事業強靭化」に取り組んでおり、このうち、ソリューションズ事業拡大については、
(イ)情報ネットワーク事業分野 (半導体、イメージング)
(ロ)ライフサイエンス事業分野 (医薬品、ヘルスケア、化粧品)
(ハ)エネルギー・資源事業分野 (モビリティ、エネルギー変換、水)
を新規事業ターゲットの3分野8領域に選定し、研究開発活動を推進しております。加えて、環境対応への変革として、持続的な社会の実現に貢献するため、2050年カーボンニュートラル実現に向けた研究開発に注力して取り組んでおります。
当社グループの研究開発は、当社の研究開発部門、製造所の技術部門及び各連結子会社の研究・技術部門により推進しております。
当社の研究開発体制としては、新規事業の創出を推進する事業創出本部、既存事業の強化及びその周辺領域への拡大を進める各事業部の研究部、創薬支援事業の確立を推進する健康・医療事業開発室の中分子研究グループ、化粧品分野における新規事業化を推進する化粧品事業室の研究グループを設置し、推進しております。当連結会計年度(以下、当年度)において、事業創出を目指した市場開拓機能の強化のために、事業創出本部内の「企画推進部」を「事業開拓部」に改称するとともに、特定テーマについての早期事業化を目的とした「事業化推進プロジェクト」、及び、循環型社会・脱炭素社会の実現に向けた研究開発及び事業化推進を目的とした「グリーンイノベーション推進部」を設置しました。また関連部門として、生産に適したプロセスを設計・開発することにより製品化を加速する生産技術センターを設置しており、さらに、R&D 組織全体を俯瞰し、イノベーション戦略と推進方策を立案する経営直轄の部署として「R&D統括部」を設置しました。
研究開発スタッフはグループ全体で約800名にのぼり、これは、総従業員数の約2割にあたります。
当年度におけるグループ全体の研究開発費は、
当年度における主な研究開発活動とその成果及び研究開発費は次のとおりであります。
当社の基幹製品であるアクリル酸及びアクリル酸エステルや酸化エチレンなどの生産性向上及び新規基礎化学品の研究開発を行っております。2050年カーボンニュートラル実現に向けた取り組みとして、アクリル酸、酸化エチレンのバイオマス原料からの製法開発を進めております。
当事業における研究開発費は、
主に生活消費財、土木建築関連材料、エレクトロニクス関連材料、粘接着剤・塗料用樹脂、新規機能化学品、新規高分子材料の開発及びヨード、シアン、臭素などの応用展開を目的とした研究開発を行っております。
当年度の主な成果として、iOLEDフィルム光源では、パイロットラインでの製造を開始することで顧客評価を進展させ、協業メーカーと共に細い紐状のiOLEDフィルム光源を開発、織物に組み込み、展示するなど用途開発も進めました。
曲面印刷領域に優れたUV硬化材料であるモノマーAOMA、VEEAでは、3Dプリンターメーカーやインクジェットプリンターメーカーでの顧客評価が進展しております。また、高吸水性樹脂(SAP)について、大人用紙おむつメーカー大手の株式会社リブドゥコーポレーション及びリサイクル業者のトータルケア・システム株式会社と共同で、新規リサイクル技術の開発を進めております。
さらに、新規事業創出に向け、健康・医療分野での原薬受託製造事業では、GMP対応の核酸合成ラインを1系列増設しました。化粧品分野では、評価手法や処方ノウハウを蓄積し、顧客へのソリューション提案を進めております。
当事業における研究開発費は、
各種プロセス触媒、自動車排ガス等各種排ガス、及び排液処理用触媒やエネルギー関連材料などの研究開発を行っております。
当年度の主な成果として、グリーン水素製造に貢献するアルカリ水電解用セパレータでは、実用化に向けて顧客での評価が進展しております。
また、リチウムイオン電池の充電時間短縮や長寿命化に貢献するリチウムイオン2次電池用電解質「イオネル」の製造設備の増設の検討を進めております。
当事業における研究開発費は、
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