研究開発活動

 

5 【研究開発活動】

当社は、経営方針の一つとして、持続可能な世界を実現するために2015年に国連で採択された「Sustainable Development Goals」(以下、SDGs)について、全社規模で必要な施策を推進しております。研究・開発においても、社会課題解決につながる顕在ニーズのみならず潜在ニーズにも応えていくために、3つの創生領域として掲げる「高集積デバイス」、「自動車・航空機」、「ヘルスケア」領域において、SDGsを意識したイノベーションによる競争優位性の高い革新的製品および技術の開発を推進しております。

当社グループは、国内研究・開発拠点として、中長期的視野に立ち新製品およびそれに必要な要素技術の研究を担当する先端材料研究所およびバイオ・サイエンス研究所、生産技術開発を担当するコーポレートエンジニアリングセンター、新製品の商品化および現製品の改良研究を担当する各製品別5研究所(情報通信材料研究所、HPP技術開発研究所、フィルム・シート研究所、産業機能性材料研究所、およびSBカワスミ株式会社の殿町メディカル研究所)、光電気複合インターポーザ事業開発推進部、炭素材開発プロジェクトチーム、次世代電動アクスル市場開発推進プロジェクトチーム、光回路材料開発プロジェクトチームという体制で、当社のコア事業分野である①半導体関連材料、②高機能プラスチック、③クオリティオブライフ関連製品における各マーケット動向に即座に対応すべく、研究・開発活動を進めております。

2021年度は、4月1日にバイオ・サイエンス研究所を神戸事業所内に設立し、バイオ研究開発、診断薬研究開発および機能性マテリアル関連の研究開発を一体化し、クオリティオブライフ関連製品に関わる材料開発(分子設計・合成等)を加速しました。10月1日に、当社の医療機器事業と川澄化学工業株式会社を統合し、SBカワスミ株式会社が発足しました。両社の研究機能を統合した殿町メディカル研究所を新設して活動を開始し、血管内治療製品や消化器内視鏡治療製品のほか、手術ドレナージ関連製品、人工透析関連製品、採血・輸血関連製品など、両社が注力してきた低侵襲治療分野をはじめとする次世代医療機器製品の研究開発を強化・加速させています。また、2022年1月1日にMI推進プロジェクトを発足させ、データ駆動型の研究・開発を加速しています。

また、海外研究・開発拠点として、コーポレート部門拠点を米国に、情報通信材料関係拠点を中国、台湾、シンガポールに、高機能プラスチック関係拠点を米国、カナダ、ベルギー、スペイン、中国、インドネシアにそれぞれ設けており、国内組織と緊密な連携をとりながらグローバル市場のニーズに対応しております。

 

当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は10,731百万円であります。なお、この中には基礎研究等費用2,053百万円が含まれております。

各セグメント別の研究・開発活動は次のとおりであります。

 

①半導体関連材料

半導体封止用エポキシ樹脂成形材料、半導体用液状樹脂、半導体用感光性樹脂およびパッケージ基板用材料の開発に重点的に力を入れております。当連結会計年度は、「HEV/EV車向けSiC対応パワーモジュール用封止材」、「高速通信モジュール向け圧縮成形用顆粒封止材」、「大型モーター磁石固定用エポキシ樹脂成形材料」、「表面実装型パワー半導体向け高信頼性高熱伝導Agペースト」、「パワー半導体向け感光性ウェハーコート材」、「LED基板向け極薄ロールコア材料」を開発、上市しました。また、「2.5D 次世代ファンアウト型パッケージ用封止材」、「高熱伝導モールドアンダーフィル用封止材」、「パワーモジュール用加圧シンタリングペースト」、「次世代ファンアウト型パッケージ用感光性絶縁膜」、「ミニ/マイクロLEDディスプレイ向け感光性材料」、「次世代パッケージ用低CTEプリプレグ材料」について重点注力し開発中であります。

なお、当セグメントにかかる研究開発費は、3,647百万円であります。

 

②高機能プラスチック

高機能成形材料と精密成形技術を基盤技術として、自動車、電機部品用等の産業資材用樹脂、成形材料および成形品の開発を進めております。特に環境対応材料に注力した開発を進めております。当連結会計年度は、「環境対応型超低モノマー完全水溶性フェノール樹脂」、「環境対応型低VOCフェノール樹脂シート」、「先端ディスプレイ用高耐熱樹脂」、「パワーモジュール封止用液状エポキシ樹脂材料」、「EV主機モーター用高絶縁エポキシ粉体塗料」、「射出成型用金属代替長繊維強化フェノール樹脂成形材料」を開発、上市しました。

なお、当セグメントにかかる研究開発費は、1,670百万円であります。

 

 

③クオリティオブライフ関連製品

医療機器・用具、バイオ関連製品、医薬・食品等各種包装用材料および建築材料を中心に開発を進めております。医療機器については特に低侵襲治療分野に注力した開発を進めております。当連結会計年度は、「携帯型低圧持続吸引器(落差吸引式)」、「胸腔鏡用生体接着剤噴霧塗布器具」、「食道用狭窄治療用ステント」、「胆管狭窄治療用ステント」、「能動マイクロカテーテル」、「フローダイレクトマイクロカテーテル」、「急性膵炎診断薬 リブリア®トリプシン」、「医療機器用易開封性多層フィルム」、「リサイクル原料使用食品包装用多層フィルム」、「バイオマス原料使用食品包装用多層フィルム」、「半導体パッケージ研削用粘着テープ」、「OSAT市場向け高信頼性カバーテープ」、「塗装レスメタル調成形用硬質塩ビシート」、「PETGシート抗ウイルス・抗菌グレード」、「HUD(ヘッドアップディスプレイ)向け偏光板」を開発、上市しました。

なお、当セグメントにかかる研究開発費は、3,361百万円であります。

 

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