課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

当社グループのグループ企業理念と長期ビジョンは以下のとおりです。

・グループ企業理念

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〈使命〉

人と地球にやさしい未来を創造する

これまでに磨いてきた様々な経営資源を通じて、人びとの暮らしと地球環境に対し責任と役割を果たし続けるということ。1919年の創立から、今日の暮らしを支え、明日の社会を変えてきたタキロンシーアイグループは、これからも「安心と心地よさ」という価値を未来に向けて創造する企業グループでありたいと考えます。

 

〈実現したい企業文化〉

重ねていく誇りと変革する勇気

使命を実現するために備えるべき大切なもの。100年を超えて技術を磨き、信頼を積み重ねてきたことを私たちの「誇り」としつつも、現状に満足せず、自らの変革をいとわず、果敢に挑戦する「勇気」を常に持ち続けることを企業文化として育んでいきます。

 

〈長期ビジョン〉

タキロンシーアイ2030ビジョン

当社グループは、安心して暮らせる地球の未来を実現するために、培ってきた技術と知恵をもって、人びとの暮らしを支え、明日の社会を変えていきます。当社グループが未来に向けて目指すべきビジョンを、〔創造的進化で地球の未来に確かな「安心」と「心地よさ」をとどけるグループ〕としました。

 

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(2)経営戦略等

当社グループの長期目標は以下のとおりです。

・長期目標

2030年度をターゲットとした長期目標は企業価値の増大を掲げ定量目標としては、売上高2,000億円、営業利益200億円、営業利益率10%としております。

 

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・中期経営計画

中期経営計画「変革への決意 Commit to Transformation 2023(CX2023)」の2年目として、定量目標及び「1.社会課題の解決、2.新事業・新製品・新技術の獲得、3.ボーダレスの加速、4.デジタルの実装、5.グループ経営の再整備、6.経営基盤の進化」の6つの重点実施項目の計画達成に向け邁進しております。

定量目標(2023年度)計画

売上高

1,570億円

連結純利益

75億円

ROE

7.9%

営業利益

110億円

営業利益率

7.0%

ROA

4.8%

 

重点実施項目(*:2021年度実績をもとに修正または新設した項目)

1.社会課題の解決

社会の持続可能性(サステナビリティ)を意識し、SDGsを踏まえた事業活動とマテリアリティの着実な実行により具体的な社会課題の解決に寄与します。

2022年度方針:カーボンニュートラルの追求

2023年度目標(KPI)

環境配慮型製品の開発テーマ件数

15件/年

CO2排出量削減率(2021年度比)*

2021年度実績をもとに削減目標を上方修正予定(現行KPI:2018年度比13%削減)

水辺のクリーンエイド活動(地域清掃活動含む)の参加人数(年間延べ人数)*

1,200名以上

 

2.新事業・新製品・新技術の獲得

未来の変化・需要を見据えて、次世代を担う新事業・新製品・新技術の創出にチャレンジし、実現します。

2022年度方針:新事業・新領域獲得のためのM&A推進体制強化

研究開発体制の再整備による機能強化

2023年度目標(KPI)

新製品売上高比率(単体)

20%以上

新規事業分野の売上高

60億円以上

新技術創出件数(特許出願件数)

50件以上/年

 

 

3.ボーダレスの加速

販売・生産拠点のグローバル進出、新しい価値基準でのマーケティング、ダイバーシティ(性別、人種、国籍、宗教、年齢)の組織・企業文化での実現など、ボーダレスな視点で企業価値向上と事業成長を追求します。

2022年度方針:事業領域拡大のための海外取り組み推進

2023年度目標(KPI)

海外売上高比率

20%以上

管理職に占める女性比率※1(2024年4月1日時点)*

3%以上

リーダー相当職に占める女性比率※2(2024年4月1日時点)

5%以上

総合職に占める女性比率(2024年4月1日時点)

20%以上

女性総合職の採用割合率 *

40%以上

 

4.デジタルの実装

全ての業務プロセスにおいて最先端技術の活用を検討し、作業の効率化、省力化、コストダウンなどの成果を追求します。販売面において新たな付加価値を生むようなデジタル活用を推進し、新たなビジネスモデルの創出を目指します。

2022年度:DXによる業務・ビジネス変革の推進

2023年度目標(KPI)

デジタル成熟度スコア※3

3.0以上

 

5.グループ経営の再整備

複合的な事業協働や投資効率の最大化を果たすことで、連結事業体としての価値創造を実現します。

2022年度:連結経営のための戦略策定及び基盤整備

2023年度目標(KPI)

連結営業利益率

全体7.0%以上

赤字事業・赤字事業会社※4

ゼロ

 

6.経営基盤の進化

ワークライフバランスによる制度設計を進化させ、全社員による「充実人生 経営宣言」を実践します。

無事故、ハラスメント撲滅など、職場環境や日常のコミュニケーションを再度見直し、安全・安心に働ける職場への進化も追求します。

2022年度方針:サステナビリティ経営の深化

テレワークを含めたニューノーマル(新しい生活様式)時代への対応

ダイバーシティを意識した充実人生 経営宣言の具体的施策の加速

2023年度目標(KPI)

社員ワークエンゲージメントスコア※5

3.0以上

社員ロイヤルティスコア※6

3.0以上

重大なコンプライアンス違反※7

0件

 

※1 管理職相当の職位も含む。

※2 リーダー相当職にいる社員とは、社内人事制度(等級制度)において『担う/任された業務・テーマ・課題について、組織メンバーをリードしながら業務遂行する』と定義づけられた等級以上にある総合職(管理職含む。)をいう。

※3 「デジタル成熟度スコア」は「経営戦略」「人材・教育」「プロセス」「ソリューション」「ガバナンス」の5つのドメインから構成され合計の平均値をKPIとします(2020年当社スコア1.4)。

※4 新設5年以内の事業・事業会社及び取締役会にて撤退方針が決議された事業・事業会社については対象外とします。

※5 社員ワークエンゲージメントスコア……社員の仕事への活力、熱意、没頭度などを測ることを目的としたアンケート結果を1~4段階でスコア化したもの。

※6 社員ロイヤルティスコア……社員の会社に対する満足度や将来の期待などを測ることを目的としたアンケート結果を1~4段階でスコア化したもの。

※7 社内定義の「重大コンプライアンス違反」に該当し、社会影響を鑑み対外公表した違反件数。

 

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

国内経済は、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、景気が持ち直していくことが期待されるものの、原油価格の更なる高騰や不安定な国際情勢等による原材料価格の上昇、金融資本市場の変動、供給面での制約等による景気下振れリスクに加え、新型コロナウイルス感染症による影響に十分注意する必要があり、予断を許さない状況です。

このような状況下当社グループとしましては、中期経営計画「変革への決意 Commit to Transformation 2023(CX2023)」の2年目として、計画達成に向け邁進しております。

また、当社グループは、企業メッセージ〔今日を支える、明日を変える。〕を核とするサステナビリティビジョンを制定しております。

 

サステナビリティビジョン 〔今日を支える、明日を変える。〕

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また、当社グループは、SDGs(持続可能な開発目標)をはじめとする社会課題やESG(環境・社会・ガバナンス)に関する社会的要請の変化を踏まえ、優先的に取り組むべきマテリアリティ(重要課題)10項目を特定しております。社外有識者の意見も取り入れながら各項目の評価基準と目標を策定し、持続的な価値創造に向けてグループ全体で取り組みを進めております。

 

・マテリアリティ(重要課題)10項目

マテリアリティ

名称

目指す姿

評価の基準(KPI)

(*:2021年度実績をもとに修正または新設した項目)

中期ロードマップ

2023年度

価値創造を支える

企業風土の醸成

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チャレンジ文化

失敗を恐れず自発的かつ積極果敢に新しいことにチャレンジする精神が、DNAとしてグループ全社員に根付き、継承されている。そして、チャレンジ行動がグループ内だけでなくステークホルダーも巻き込みながら同時多発的に起こることで、企業の社会的価値が継続的に向上されている。

● チャレンジ推進施策年間実施件数

4件

● アンケートによるチャレンジ文化浸透度評価

2022年度に開示

ポリマー加工技術の深化

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信頼・期待される技術

ポリマーの様々な特長を最大限に引き出す材料配合、成形加工、複合化技術、施工技術により、持続可能な社会に貢献している。

● 新製品売上高比率

20%以上

● 新技術創出件数(特許出願件数)

50件

 

 

マテリアリティ

名称

目指す姿

評価の基準(KPI)

(*:2021年度実績をもとに修正または新設した項目)

中期ロードマップ

2023年度

ダイバーシティの推進

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ダイバーシティ&インクルージョン

個々人の様々な価値観や違いを尊重し、全ての人々が持てる力を十分に発揮できる環境をつくる。

● ダイバーシティ&インクルージョンに関する社内教育の受講率

100%

● 教育実施後のアンケートによる理解度

60%

● 管理職に占める女性比率(2024年4月1日時点)*

※管理職相当の職位も含む

3%以上

● リーダー相当職に占める女性比率

(2024年4月1日時点)

※リーダー相当職にいる社員とは、社内人事制度(等級制度)において『担う/任された業務・テーマ・課題について、組織メンバーをリードしながら業務遂行する』と定義づけられた等級以上にある総合職(管理職含む。)をいう。

5%以上

● 総合職に占める女性比率(2024年4月1日時点)

20%以上

● 女性総合職の採用割合率*

40%以上

● 再雇用制度利用率

80%

充実人生 経営宣言

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充実した人生に良質な職場を

社員一人ひとりが心身ともに健康で活き活きと働き、充実した人生を送ることができる、良質な職場環境の実現。

● 社員ワークエンゲージメントスコア

3.0以上

● 社員ロイヤルティスコア

3.0以上

● 健康経営優良法人の継続

継続

海洋プラスチック問題への対応

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海洋プラスチック

ゼロエミッションへの貢献

海洋プラスチックゼロエミッションへの取り組みと関連情報の開示。

● 水辺のクリーンエイド活動(地域清掃活動含む。)の参加人数

(年間延べ人数)*

1,200名

● イベント・セミナー開催回数

(年間延べ開催回数)

30回

CSR調達

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人権と環境に配慮したサプライチェーン

取引先(調達・購買先)との協働により、人権と環境に配慮した、公正なサプライチェーンの確立。

● 主要な国内取引先へのCSR調達方針要請率(購入金額ベース)

2021年度実績をもとに検討中

● 海外グループ会社における重要な取引先へのCSR調達方針要請率(購入金額ベース)

2021年度実績をもとに検討中

● CSR調達方針の合意度(取引先アンケート調査)

合意度

100%

環境負荷の低減

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住み続けられる地球のために

グループ全体で環境負荷の低減を図ることで地球環境保護に貢献する。

● CO2排出量削減率(2021年度比)*

2021年実績をもとに削減目標を上方修正予定

(現行KPI:2018年度比13%削減)

 

 

マテリアリティ

名称

目指す姿

評価の基準(KPI)

(*:2021年度実績をもとに修正または新設した項目)

中期ロードマップ

2023年度

環境配慮型製品の

拡大

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エコロジー開発

タキロンシーアイグループが提供する全ての製品において環境に配慮した設計・開発を行い、脱炭素社会や循環型社会の実現に貢献する。

● 環境配慮型製品

(開発テーマ件数)

15件

● 環境関連アワード受賞

~2025年度までに受賞を目指す

コンプライアンスの徹底

リスクマネジメント対応

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強固なコンプライアンス及びリスクマネジメント

社会から信頼される企業を目指し、高いレベルでのコンプライアンスとリスクマネジメントによる企業統治の実現。

● コンプライアンスに関する啓蒙・教育の実施状況(会社数比)

100%

● 重大なコンプライアンス違反件数

※社内定義の「重大なコンプライアンス違反」に該当し、社会影響を鑑み対外公表した違反件数

0件

● 重要リスク項目の各対処策年度内完了率

80%以上

● 定期的な重要リスクの見直し

1回以上

コーポレート・ガバナンスの充実

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透明性ある経営

経営の独立性、公正性が客観的に認識できる状態。

● 取締役会出席率

85%以上

●「コーポレートガバナンス・ガイドライン」策定

2022年度策定予定

● 株主・投資家を対象とした各種説明会の実施回数

決算説明会

2回

個人向け

3回以上

スモールミーティング

1回以上

 

トピックスは以下のとおりです。

 

〈充実人生 経営宣言〉

社員の充実した人生を支援するために、重点施策を中心に制度の制定や活用の促進に取り組んでいます。2020年度からは、代表取締役社長を委員長とする「充実人生 経営宣言」推進委員会を定期的に開催し、取り組みを推進しています。また、評価の基準(KPI)として「社員ワークエンゲージメントスコア」、「社員ロイヤルティスコア」を設定し、年1回の社員アンケートにより仕事への熱意や会社に対する満足度を確認し、各施策の改善、経営や組織の課題解決に活かしています。

1)多様な働き方支援

社員個々のライフステージに応じた働き方ができる職場を目指し、「時間単位年休制度」、「テレワーク勤務制度」等の制度を導入しています。新型コロナウイルス感染防止対策では、「テレワーク勤務制度」の対象を在宅で業務が可能な全社員に広げてインフラ整備を行い、「時差出勤」も併用しています。

テレワーク実施率(月平均)※

2021年

4月~6月

2021年

7月~9月

2021年

10月~12月

2022年

1月~3月

49~53%

53~68%

48~52%

55~62%

※対象はオフィス勤務者

2)働き甲斐支援

社員の働き甲斐を支援する仕組みとして「キャリア面談」「ジョブローテーション制度」を実施しています。「キャリア面談」は上司との面談を通じてキャリア開発支援を実現する仕組みで、社員自らが考えたキャリアビジョンシートを基に、毎年将来のありたい姿やキャリアに対する思いを上司と部下で共有したうえで、行動計画を作成し、成長プロセスの確認を行うものです。「ジョブローテーション制度」は入社後数年の間に異なる部門へ異動を行う制度で、様々な経験が成長に繋がることを期待しています。これらの仕組みを通じて、会社からの期待とキャリアに対する熱意が、社員の充実した仕事と働き甲斐に繋がるように支援しています。

 

3)健康増進支援

心身ともに健康に効率よく働ける職場の実現を目指して、健康経営宣言を公表しました。その健康経営宣言のもと、2020年度に引き続きオンライン禁煙プログラムの実施、社員が健康に効率よく働ける職場の実現、有給休暇の取得奨励、産業医・工場等との連携強化による特定保健指導実施率の向上、健康診断有所見者における再検査受診勧奨を行いました。2020年度から喫煙率を2ポイント以上引き下げ、有給休暇取得は高い数値を維持、特定保健指導実施率は27.4ポイント引き上げることとなりました。2022年度は、喫煙率25%以下、有給休暇取得率80%以上、特定保健指導実施率80%以上を目標とし、喫煙者へのオンライン禁煙プログラム参加フォローや計画的な有給休暇の取得促進、保健指導の推奨を引き続き実施していきます。これら以外にも社員の健康増進に向け、性別特有のがん検診の実施、ストレスチェックの実施、女性の健康に関するセミナーを実施いたします。

喫煙率

2020年度

2021年度

2022年度(目標)

29.6%

27.1%

25%以下

有給休暇取得率

2020年度

2021年度(速報値)

2022年度(目標)

88.2%

89.4%

80%以上

特定保健指導実施率

2020年度

2021年度

2022年度(目標)

32.8%

60.2%

80%以上

有所見者における再検査実施率

2020年度

2021年度(速報値)

2022年度(目標)

63.6%

78.1%

80%以上

当社は、2021年度に引き続き2022年度 健康経営度調査にて、「健康経営優良法人 2022」に認定されました。今後もホワイト 500の取得を目指して「充実人生 経営宣言」の取り組みを強化してまいります。

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<ダイバーシティの推進>

年齢、性別、国籍を問わず、多様な人材を受け入れ、様々な価値観や意見を理解し、尊重することが、組織の活性化や社員の成長に繋がると考えています。2021年度には「ダイバーシティ&インクルージョン」の考えを社員一人ひとりがより一層理解するため、全従業員対象の社内教育を実施し、個々人の様々な価値観や違いを尊重し全ての人々が持てる力を十分に発揮できる企業風土を継続的に醸成していきます。

1)女性の管理職登用

当社は多様な人材の活用に向け、女性活躍推進を積極的に進めており、採用の強化や事務職から総合職への職種転換等を通じて優秀な人材の確保を図るとともに、柔軟な働き方を支援する制度の拡充を図っております。また、将来的に経営の意思決定に関わる女性社員の育成に向けた施策を実施していきます。

女性活躍関連目標(女性比率)

 

2021年度実績

2023年度目標

2030年度目標

管理職※1

2.4%※3

3%以上※4

10%以上

リーダー相当職以上※2

4.6%※3

5%以上※4

20%以上

総合職

16.4%※3

20%以上※4

40%以上

総合職採用割合

28.6%

40%以上

安定的に50%程度

※1 管理職相当の職位も含む

※2 リーダー相当職:高度かつ広範な業務を担うとともに、担う業務/任された業務・テーマ・課題について後輩をリードしながら遂行する職位

※3 2022年4月1日時点の実績値

※4 2024年4月1日時点の目標値

2)外国人の管理職登用

外国人の管理職への登用は現時点ではありませんが、国籍を問わない採用活動を進めており、毎年数名の外国人を総合職として採用しております。

なお、当社グループを支える海外事業会社においては、事業運営を担う約120のポストのうち、約50%で外国人人材が活躍しております。

3)中途採用者の管理職登用

現在、当社管理職ポストにおける中途採用者の割合は約12%となっております。

中長期的な事業戦略の実現を支える多様な人材の確保を目的として、毎年度総合職採用人数の約30%を中途採用にて実施する予定としております。

4)人材育成・社内環境整備方針

当社の価値向上を支える社員の育成に向け、職種・等級による必要な能力を育成する研修、グローバル人材として活躍するための教育制度等、社員のキャリアプランに応じた教育プログラムを構築しております。

また、社員一人ひとりが充実した人生を送ることが、会社の継続的な成長に繋がると考え、良質な職場の構築に向けた重点施策として「多様な働き方支援」、「働き甲斐支援」、「健康増進支援(健康経営)」を掲げ、新たな企業風土の醸成を進めております。

 

〈環境負荷の低減〉

脱炭素

脱炭素への取り組みとして、具体的な目標を設定しました。

目標:①CO2排出量を削減し、2023年度13%削減、2030年度30%削減を目指します。(2018年度比)

なお、削減目標は2021年度実績をもとに上方修正予定です。

②2023年度でコミットメントレターの提出を行い、SBT申請を目指します。

目標達成に向けた施策としましては、ⅰ)太陽光発電システム導入によるCO2削減、ⅱ)省エネ施策の実施、ⅲ)再生可能エネルギーの導入としました。

 

気候変動対応

当社は2021年5月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言への賛同を表明しました。

提言に基づく開示拡充に向けて、まずは当社を取り巻く環境が今後気候変動の影響によってどのように変化し、どのような影響が考えられるか、当社の各セグメントで予測される「リスクと機会」の特定に向けTCFD対応プロジェクトチームを発足し検討を進めています。現時点の状況は「リスクと機会」の特定を完了した段階で、今後は特定された「リスクと機会」を1.5℃、4℃シナリオの世界観に照らし合わせ財務面でのインパクト評価・分析を進めるとともに、全社的なリスクマネジメントの中で気候変動についても監督し、適切な対策を実施していきます。

気候変動により起こりうる移行リスク及び物理リスクに対しては、当社のリスクマネジメント体制の中で発生しうるリスクへの具体的対応策の検討と推進を行っています。さらにサステナビリティ委員会で進捗のモニタリング・情報開示・事業計画への組み込みを行い、中長期的視点で本リスクへの対策を拡充・推進し、取締役会へ報告しております。

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〈コーポレート・ガバナンスの充実〉

コーポレート・ガバナンスの充実については、下記を重点的に取り組んでまいります。

中長期計画に関する議論の拡充

事業ポートフォリオ、サステナビリティ、人的資本や知的財産への投資等に関する取締役会での計画的、継続的な議論の推進

 

 

ガバナンス向上のための体制強化

1)指名・報酬委員会

当社は、取締役・監査役・執行役員(会社との委任契約に基づき、会社の業務の執行を担当する役員をいう。以下同じ。)の指名及び取締役・執行役員の報酬に係る取締役会の機能の独立性・客観性・透明性を強化するため、取締役会の任意の諮問機関として独立社外取締役が委員の過半数を占める指名・報酬委員会を設置しています。指名・報酬に係る重要な事項については、同委員会での審議を経て取締役会で決定することとしています。なお、2021年6月の役員改選後に策定した年間計画(2021年7月から2022年6月まで)に基づき同委員会を10回開催しました。

主要な審議事項

● 取締役・監査役・執行役員の候補者選任基準

● 取締役・監査役・執行役員の個別の選任議案の検証

● 代表取締役・役付取締役の選定及び解職に関する事項

● 取締役・執行役員の報酬制度

● 取締役・執行役員の報酬決定のプロセスの検証

委員会の構成

委員長

独立社外取締役 岩本 宗

委 員

取締役社長   齋藤一也

独立社外取締役 羽多野憲一

なお、2022年6月28日定時株主総会後、委員及び委員長を変更予定

2)ガバナンス委員会

コーポレート・ガバナンスの一層の充実を図ることを目的として、ガバナンス関連の重要事項等の審議やコーポレートガバナンス・コード(補充原則4-8③)で求められている支配株主と少数株主との利益が相反する重要な取引・行為についての審議等を行うため、独立社外取締役が委員の過半数を占めるガバナンス委員会を設置しています。なお、2021年6月の役員改選後に策定した年間計画(2021年7月から2022年6月まで)に基づき同委員会を9回開催しました。

主要な審議事項

● ガバナンス関連の重要事項

● 取締役会の実効性評価

● 支配株主と少数株主との利益が相反する重要な取引・行為(※)

(※)独立社外取締役を含む独立性を有する委員のみで審議

委員会の構成

委員長

独立社外取締役 羽多野憲一

委 員

取締役社長   齋藤一也

独立社外取締役 岩本 宗

独立社外取締役 高坂佳詩子

なお、2022年6月28日定時株主総会後、委員及び委員長を変更予定

3)取締役会の実効性評価

当社は、取締役会の機能を向上させることを目的に、毎年、取締役会の実効性について分析・評価を行い、その結果明らかとなった課題に取り組んでおります。2021年度の実効性評価については以下のとおりです。

<評価方法>

1.評価プロセスに関するガバナンス委員会での審議

2.取締役・監査役による自己評価アンケートの実施

・アンケートの実施・集計は外部機関に委託

匿名性を担保し忌憚のない意見を収集、他社データとの比較を含めた集計により客観的分析を実施

・アンケートの主な項目

①取締役会の構成・運営・議論、②取締役会のモニタリング機能、

③取締役・監査役に対する支援体制、トレーニング、

④株主(投資家)との対話、⑤ご自身の取り組み、⑥指名・報酬委員会の運営

3.取締役・監査役による意見交換

アンケート結果の分析を基に、次年度の優先課題(候補)と施策の方向性について意見交換

4.評価結果に関するガバナンス委員会での審議

アンケート結果の分析及び取締役・監査役による意見交換を踏まえて以下を確認・審議

・前回評価時に抽出した優先課題に対する取り組みレビュー

・次年度の優先課題と施策案

・CG報告書での開示内容

5.取締役会による評価

ガバナンス委員会からの報告を基に評価を実施

 

 

<評価結果>

1.2021年度に改善された項目

中長期計画に関する議論の拡充については、計画的、継続的な議論を展開する仕組みとして、2021年4月より中計・マテリアリティ管理委員会の運用を開始し、同年5月と11月に同委員会より取締役会への定期報告を実施いたしました。

ガバナンス向上のための体制強化については、2021年8月1日付で取締役会の諮問機関としてガバナンス関連の重要事項等について審議を行うガバナンス委員会を設置いたしました。
なお、同委員会は支配株主と少数株主との利益相反取引・行為に関する審議・検討を行う特別委員会としての役割も担っております。

取締役会の多様性については、中長期経営戦略に照らして当社取締役会に必要と考えるスキルを特定したうえでスキルマトリックスを作成し、現状把握を行いました。なお、スキルマトリックスは2021年11月より本報告書にて開示しております。

経営戦略と整合的な役員報酬体系の構築については、2021年6月定時株主総会において当社取締役の中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めるために、従前の株式報酬制度(株式交付信託)を業績連動型へ変更するとともに、譲渡制限付株式報酬制度を導入しました。

株主・投資家との対話のフィードバックについては、IR活動の実施状況や株主・投資家から得た意見等について取締役会への報告を実施いたしました。

2.2021年度の実効性評価と今後の取り組み

評価の結果、ガバナンス体制の強化や取締役会での審議の活性化に対する取り組みなど、概ね肯定的な評価が得られており、取締役会全体としては適切に機能し、実効性は確保されていると判断いたしました。

今後は、以下の5項目を優先課題として改善に向けた取り組みを推進し、取締役会の実効性のさらなる向上を図ってまいります。

(1)中長期視点での議論の拡充

(2)ガバナンス深化のための基本的な考え方の整理

(3)経営支援プログラムの拡充

(4)サステナビリティ課題への取り組み強化

(5)株主・投資家との対話の充実

 

取締役会の多様性確保

1)中長期経営戦略に照らして必要と考えられる取締役会スキルの特定とスキルマトリックスの作成

2)ギャップを埋める計画的な役員選任とトレーニングの拡充

3)中核人材の登用等における多様性確保の考え方、目標、方針等の開示

 

企業戦略と整合的な役員報酬体系の構築

1)短期/中長期インセンティブの組み合わせ

2)固定/変動、現金/株式等の構成比率の再設計

3)短期/中期目標と連動した評価システムと成果配分

 

株主・投資家との対話と企業情報の開示の充実

1)決算短信の英訳開示

2)気候変動に係るリスク及び収益機会についてのTCFD枠組みでの開示

 

セグメントごとの経営環境、事業上及び財務上の対処すべき課題は以下のとおりです。

建築資材事業セグメント

住設建材事業では、国内人口減少に伴い新設住宅の着工戸数が引き続き減少していくことが予測される中、直近では原材料の急騰及び物流費の高騰のためコスト高になっており、製品価格転嫁による収益改善が喫緊の課題となっています。一方で、建築物省エネ法適用範囲の拡大や気象環境変化への対応など、環境に配慮した製品が求められています。主力のポリカーボネート製品における樹脂の特長、当社グループの加工技術を活かして自然光をとり入れながら、開口部からの熱損失を抑制し、照明・空調のエネルギー負荷を効果的に抑える「低炭素建築」を実現し、地球温暖化対策、脱炭素社会づくりに貢献していきます。

床・建装事業では、床部門については集合住宅改修市場に加えて新築市場についても、意匠性だけでなく、長寿命化の要求が益々高まってきております。当社製品の特長である耐久性に加え、デザイン性と機能性を高める事で、さらなる安全と安心をお客様に提供し続けます。また、建装部門についても、ライフスタイルの多様化により意匠性のみならず、様々な機能を付与した製品が求められています。今後も世界的に話題となっているサステナブル社会に貢献するために、リサイクル素材を中心とした環境志向型製品の開発に継続的に取り組んでいきます。

 

環境資材事業セグメント

アグリ事業では、農家の大規模化や農産物の高付加価値化と収量増加・生産性向上が求められています。今後、グループ各社とのさらなる連携強化・営業力深化でシェア向上と事業領域の拡大を目指し、高品質商品拡販とハウス等の施設園芸やスマート農業を強化します。また中長期的な成長が期待される東アジア地域で日本品質の農業用被覆材での市場浸透と拡大を継続します。

土木事業では、高速道路・トンネル・下水道などの更新、補修維持でのニーズが高まると予想され、特に近年の気候変動による自然災害への備えと復旧は喫緊の社会課題となっております。引き続き災害復旧・防災、汚染対策、リニア中央新幹線、社会インフラのリニューアル分野において事業の強化を進めます。中でも河川の補強嵩上げ工事や地下河川工事、災害で発生した廃棄物の処理場建設などの分野を最重点に取り組みます。

 

高機能材事業セグメント

高機能材事業のプレート部門における主力の半導体製造設備分野は、世界的な半導体需要の高まりにより、加速度的に拡大する市場と見込まれます。また、小型化、省エネ化を求めるモータ市場も拡大していきます。今後、プレート部門は堅固なサプライチェーンを維持発展させ、その中で常に顧客ニーズに応えていけるよう、生産能力の向上、高品質の追求を実施するとともに、新規分野への展開も加速してまいります。モータ部門においては、市場のニーズにさらに対応していくために、ギアモータやエンコーダ付きモータ等の機能性を向上した製品のラインアップを拡充し、販売強化に取り組みます。

 

機能フィルム事業セグメント

ボンセット事業におけるシュリンクフィルムは世界的に市場が拡大しています。今後は環境対応の観点から素材変更がさらに拡大していくことが予想されます。

サンジップ事業におけるジッパーテープは日本を始めアジア・北米・欧州を中心に市場成長が見込まれております。国内外のお客様からは厳しい品質要求・安全性・製袋適性(低温シール性能など)に加え、意匠性の高い製品やモノマテリアル・生分解といった環境対応型の製品が求められています。

引き続き地球環境保護の要望に応えるべく、環境対応型の次世代製品開発に日本・アジア・北米・南米の世界4拠点で取り組んでまいります。

 

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

中期経営計画「変革への決意 Commit to Transformation 2023(CX2023)」における最終年度(2023年度)の目標は下記のとおりです。

・連結売上高: 1,570億円

・連結営業利益: 110億円

・連結純利益:    75億円

・連結ROA:         4.8%

・連結ROE:         7.9%

 

 

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