課題

1 【経営方針、経営環境および対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループの経営理念は、「粘着の分野を原点として新たな価値を創造する技術で快適な生活に貢献し続ける」ことで「当社グループにかかわるすべての人々の幸せを実現する」ことであります。この理念のもと、事業活動を通じて社会、自然との共生を目指し、ステークホルダーとともに持続可能な社会の実現に貢献する取り組みを進めてまいります。
 当社グループは、創業以来、粘着技術をベースに絆創膏や「セロテープ」をはじめ人々の健康や快適な暮らし、産業の合理化・省人化に貢献する価値ある製品を幅広く供給してまいりました。
 今後も、高い技術力と確かな品質を軸に地球環境に配慮した独創的な製品の提供を通じて、お客様にご満足いただき、信頼される企業を目指してまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、今後の企業価値および株主価値を高めるため、収益性重視の観点から売上高営業利益率10%以上を中期的な目標とし、また経営に託された資本の将来における成果の観点から、自己資本当期純利益率(ROE)10%を目指してまいります。

 

(3) 経営環境および対処すべき課題

今後の経済の見通しは、国内外ともに新型コロナウイルス感染症の影響は続き、原材料・物流費コストの上昇など、先行きは引き続き不透明であり、当社を取り巻く事業環境は予断を許さない状況であります。このような状況のなか、当社グループはTCFD提言に基づいた情報開示などサステナビリティへの取り組みを推進し、コーポレート・ガバナンスの更なる充実を図ってまいります。あわせて、中期経営計画「ISHIZUE 2023 ~SHINKA・変革~」を推進し、以下の重点テーマである「イノベーション創出」「グローバル展開・拡大」「事業推進体制の見直しと収益改革」「AI・IoT積極活用」「持続的成長を担う人財育成」を実行し、『NICHIBAN GROUP 2030 VISION』実現に向けて取り組んでまいります。

 

  ① 中長期成長エンジンの確立、イノベーション創出

「マーケットイン開発による新製品の早期上市実現、次世代大型製品群の探索・創出」
 顧客を機軸とした事業推進の一環として、BtoC(ヘルスケア・EC・オフィスホーム)での開発マーケティング、BtoB(医療材・工業品)での顧客現場ニーズを起点とした新規提案による開発を推進し、新製品・新カテゴリーでの事業探索と新規創出を進めてまいります。

「コア技術の深化と進化、新しい発想で新たな事業展開に向けたオープンイノベーション・協業による新規創出」

新製品のスピーディーかつタイムリーな上市を実現するために、当社グループが持つコア技術の深化・進化と共有を進めます。またオープンイノベーションなど社内外のリソースを活用した研究開発の取り組みにより新規事業・新製品カテゴリーの創出を図るとともに、将来に向けた技術人財の育成を確実に実践してまいります。

 

② グローバル市場へのスピーディな展開・拡大

「3拠点体制での海外販売の拡大、および支援体制の強化」
 販売3拠点体制(日本・タイ・ドイツ)による事業拡大に向けて、現地戦力の充実と新規開拓活動をスピーディーに推進してまいります。海外市場での主要品目(ケアリーヴTM、止血製品、和紙マスキングテープ、セロテープ)とともに、新規育成品目(ロイヒつぼ膏TM、医療用ドレッシング“カテリープラスTM”シリーズ、術後ケア“アスカブリックTM”シリーズ)の取り組みを強化してまいります。また海外事業の推進体制強化のため、サプライチェーン・開発・薬事規制関連の支援を強化し、あわせて販売面・生産面での業務提携・M&Aの活用を検討してまいります。

 

 

③ 事業推進体制の見直しと収益改革

「顧客を機軸とした新たな事業推進体制での戦略遂行」
 BtoC事業であるコンシューマー営業本部(ヘルスケア・EC・オフィスホーム)は、多様化する顧客の様々なニーズ・チャネル・コミュニケーション機会を的確にとらえるためのブランドマーケティング戦略のもと、プロモーション施策と販売・流通施策を積極的に推進、実行してまいります。

一方のBtoB事業である工業品および医療材は、顧客の現場課題の探索をベースとした営業活動を推進し、更なる新規案件・新規ユーザー開拓を推進してまいります。
 「サプライチェーンマネジメントの最適化と品質管理強化」
 2022年度より設置したサプライチェーン本部のもと、原材料・商品調達および工場生産、販売、物流のプロセスの最適化に向けて、適時適量の供給・輸送と品質の安定化およびコストダウンを図ります。
 「サステナブル社会への貢献」
 サステナビリティ委員会を中心とした体制のもと重要課題の抽出を行い、医療・健康などに関わる社会課題、CO2排出抑制などの環境課題の解決に向けた製品開発と事業戦略施策を推進します。また東京証券取引所のプライム市場への移行にあわせたコーポレート・ガバナンスの充実化と企業情報の発信力の強化を図ります。

 

④ 事業戦略推進に向けたAI・IoTの積極活用

「行動指針を実践する人財育成、社員の健康とエンゲージメント向上」
 中長期ビジョンに向けた事業運営・管理体制の確立に向けて、ニチバングループの理念に掲げる行動指針を実践するための人財評価および育成を行います。またマネジメント力および業務遂行能力の向上を図るとともに、次世代経営層の育成を進めてまいります。
 「社内外データの見える化、活用の推進」
 DX(デジタルトランスフォーメーション)を見据えて、戦略的データ活用・業務プロセス変革・デジタル技術の積極活用を推進し、販売拡大施策と事業運営の効率化を進めてまいります。

 

⑤ 将来の持続的成長を担う人財育成

「行動指針を実践する人財育成、社員の健康とエンゲージメント向上」
 中長期ビジョンに向けた事業運営・管理体制の確立に向けて、ニチバングループの理念に掲げる行動指針を実践するための人財評価および育成を行います。またマネジメント力および業務遂行能力の向上を図るとともに、次世代経営層の育成を進めてまいります。
 「健康経営とエンゲージメント向上策の強化」
 従業員の健康、安全を基本とした健康経営の取り組みを推進し、エンゲージメント向上による組織風土改善を進め、モチベーションアップのための施策を推進してまいります。

 

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