業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。

また、2017年12月26日に行われたレイスペック Ltd.との企業結合について前連結会計年度に暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度に確定したため、前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、米国、欧州ともに緩やかな成長が続きましたが、中国は昨夏以降、減速傾向となりました。
 日本経済は所得や雇用環境の改善が進む中、緩やかな回復が続きましたが、米国保護主義政策による貿易摩擦が世界経済に与える影響や中国経済の減速等、外需の下振れリスクによる企業業績の悪化が懸念されます。

 

このような環境の中、当社グループでは、グローバルかつ変化の大きい事業環境においても、継続的に成長できる
収益体質を実現すべく、新製品の開発、新規市場の拡大、コストダウンを推進してまいりましたが、中国市場の減速の影響を大きく受け、業績は悪化しました。

 

この結果、当連結会計年度の売上高は209億3百万円前年同期比1.4%減)となりました。また、営業利益は22億85百万円前年同期比19.8%減)、経常利益は24億70百万円前年同期比10.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は20億18百万円前年同期比0.9%減)となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

 

(光学フィルム事業)

売上高は96億40百万円前年同期比11.1%減)となりました。

   産業用や車載用LCDパネル向けの染料系偏光フィルム及び楕円偏光フィルムの出荷は、中国経済の減速や競合各

  との販売競争激化等により減少しました。また、温度追従型楕円偏光フィルム(TEP)は、自動車部品の構成の変化

  により出荷が減少し、光学フィルム事業全体では売上高が減少しました。

利益面につきましては、売上高の減少により、光学フィルム事業のセグメント利益(営業利益)は5億48百万円前年同期比56.1%減)でありました。

 

(精密部品事業)

売上高は112億63百万円前年同期比8.7%増)となりました。

基板フィルム貼合品及び無機偏光板ProFluxの出荷はほぼ前年並みとなりました。X線分析装置部材は従来品が堅調に出荷を伸ばしたことに加え、レイスペック Ltd.の連結子会社化後の売上が加わったことにより、精密部品事業全体では売上高が増加しました。

利益面につきましては、売上高の増加により、精密部品事業のセグメント利益(営業利益)は17億36百万円前年同期比8.7%増)でありました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、34億円の純収入前連結会計年度は37億45百万円の純収入)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益24億62百万円減価償却費15億1百万円売上債権の減少7億69百万円たな卸資産の増加4億80百万円仕入債務の減少1億60百万円法人税等の支払額7億58百万円であります。

 

投資活動のキャッシュ・フローは、27億69百万円の純支出前連結会計年度は22億75百万円の純支出)となりました。主な要因は、投資有価証券の取得による支出10億97百万円有形固定資産の取得による支出14億33百万円であります

 

財務活動によるキャッシュ・フローは、6億67百万円の純支出前連結会計年度は6億38百万円の純支出)となりました。主な要因は、配当金の支払額6億21百万円であります。
 

以上の結果、現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1億4百万円増加し、189億28百万円となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

生産高(千円)

前年同期比(%)

光学フィルム事業

9,976,050

△7.2

精密部品事業

10,786,254

+12.0

合計

20,762,304

+1.9

 

(注) 1  上記生産実績は、売価換算値によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

当社グループでは、受注生産によらず見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

光学フィルム事業

9,640,017

△11.1

精密部品事業

11,263,051

+8.7

合計

20,903,068

△1.4

 

(注) 1  上記販売実績は、外部顧客に対する売上高を表示しております。

2  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

Varitronix Limited

2,309,505

10.9

1,737,896

8.3

 

3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積もり、予測を行っております。しかしながら、これらの見積り、予測は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a) 財政状態の分析

(資産の部)

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1,420百万円増加し、40,941百万円となりました。主な増加は、有価証券の増加189百万円製品の増加193百万円原材料及び貯蔵品の増加489百万円有形固定資産の増加299百万円投資有価証券の増加1,043百万円であり、主な減少は、受取手形及び売掛金の減少655百万円仕掛品の減少184百万円であります。

 

(負債の部)

当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ169百万円減少し、4,123百万円となりました。主な減少は、未払法人税等の減少345百万円、主な増加は、繰延税金負債の増加126百万円であります。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末における非支配株主持分を含めた純資産は、前連結会計年度末に比べ1,589百万円増加し、36,818百万円となりました。主な増加は、親会社株主に帰属する当期純利益2,018百万円であり、主な減少は、株主配当金の支払621百万円、為替換算調整勘定の増加186百万円であります。

 

(b) 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度末における売上高は、前連結会計年度に比べ298百万円1.4%減)減少し、20,903百万円となりました。セグメント別の売上高については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。 

 

(売上総利益)

当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ464百万円5.3%減)減少し、8,269百万円となりました。これは主に、光学フィルム事業セグメントの売上高減少によるものです。

 

(営業利益)

当連結会計年度における営業利益は前連結会計年度に比べ563百万円19.8%減)減少し、2,285百万円となりました。これは売上総利益が減少し、かつ、前年度に取得したレイスペック Ltd.に係るのれん償却により販売費及び一般管理費が増加したためです。目標とする営業利益率15%に届かなかった主な要因は、光学フィルム事業の売上減少及び新製品の寄与が進まなかったことによります。目標達成のため、引き続き製品競争力の強化及び新製品の早期実績化に取り組んでまいります。

 

(c) キャッシュ・フローの分析 

 キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に

記載しております。

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