業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、持ち直しの動きが続く一方、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が続いており、依然として先行きが不透明な状況が続いております。

こうした経済環境の中、当社グループの主要顧客である自動車販売業界におきましては、半導体不足の影響により、新車販売台数は前年実績を下回る水準で推移いたしました。また、中古車登録台数についても、新型コロナウイルスの感染リスクを回避するための移動手段として高い需要がある一方、新車販売台数の減少による影響を受け、前年を下回る水準で推移いたしました。

このような状況の中、当社グループにおきましては、多様化するユーザーニーズや今後の市場環境を踏まえて策定した「中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)」においてビジョンとして掲げた「サービスプラットフォームの構築」によるカーライフのトータルサポートの実現に向け、主に中古車販売店、整備工場、新車ディーラーを対象としたプライベートブランド商品・サービスの提供に取り組んでまいりました。

以上のことから、当連結会計年度の売上高は、57,446百万円(前期比3.0%増)となりました。増収となった主な要因は、「MOTOR GATE」、「DataLine」を中心としたプラットフォーム関連サービスの提供が堅調に推移したことによるものであります。営業利益は、上記の増収による影響などにより、6,422百万円(前期比8.1%増)となり、経常利益は、6,622百万円(前期比8.2%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、連結子会社であった、株式会社プロトメディカルケアの株式譲渡に伴う関係会社株式売却益の計上があったことが影響し、5,880百万円(前期比21.2%増)となりました。また、ROEは15.4%(当社中期経営計画の目標値12.0%)となりました。

なお、セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

 

(自動車関連情報)

業界No.1のサービスプラットフォームの構築を目指し、各事業領域におけるシェアの拡大並びに顧客当たりの取引単価の維持・拡大に努めるとともに、カーライフにおけるユーザーニーズを網羅したサービスの強化に取り組んでまいりました。当連結会計年度におきましては、引き続き、多様化するユーザーニーズに応えるべく、DXプロダクトの開発・提供を進めてまいりました。

中古車領域においては「グーネット」のコンテンツ量最大化、「グーネット」のバックグラウンドシステムである「MOTOR GATE」の提供及び機能向上を通じたユーザーの利便性向上並びに中古車販売店の経営支援に取り組んでまいりました。

整備領域においては「グーネットピット」におけるコンテンツの拡充に加え、入庫管理システムとして「MOTOR GATE PIT IN」の提供を開始するなど、自動車整備工場のDX化に寄与するサービスの提供を通じて有料掲載工場数の拡大に取り組んでまいりました。

新車領域においては引き続き「DataLine SalesGuide」の拡販に取り組んでまいりました。加えて「DataLine SalesGuide乗換提案動画」、「DataLine AI査定」といったDXプロダクトの提供により、サービスの価値向上に努めてまいりました。

タイヤ・ホイール等の販売は、引き続き主要取扱ブランドの販売強化並びにタイヤ・ホイールのセット販売の強化に取り組むとともに、当社の「グーネット」、「グーネットピット」、「MOTOR GATEショッピング」等とのシナジーを追求することで販売機会の拡大に努めてまいりました。また、中古車輸出事業においては大手中古車輸出業者とのアライアンスを強化するなど、ビジネスモデルの拡充に向けた取り組みを進めてまいりました。

以上の結果、売上高は53,159百万円(前期比7.6%増)となりました。増収となった主な要因は「MOTOR GATE」、「DataLine」を中心とするプラットフォーム関連事業が堅調に推移したことによるものであります。営業利益につきましては、上記のプラットフォーム関連事業の伸長に加え、株式会社グーネットエクスチェンジにおいて、大手中古車輸出業者とのアライアンス進展により収益性が改善したこと等により7,903百万円(前期比12.3%増)となりました。

(生活関連情報)

2021年6月1日付で、当社は連結子会社である株式会社プロトメディカルケアの全株式を譲渡いたしました。この結果、売上高は856百万円(前期比78.1%減)、営業利益は60百万円(前期比78.0%減)となりました。

(不動産)

当社が自社物件の賃貸管理を行っており、売上高は147百万円(前期比3.4%増)、営業利益は140百万円(前期比0.0%増)となりました。

(その他)

株式会社プロトソリューションにおいて外部顧客に対するソフトウエアの開発・販売が伸長したことに加え、2021年10月に子会社化した株式会社オニオンが寄与したことなどから、売上高は3,282百万円(前期比40.0%増)、営業利益は168百万円(前期比29.1%増)となりました。

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度末の総資産は54,525百万円となり、前連結会計年度末と比較して、5,137百万円の増加となりました。資産、負債及び純資産の状況につきましては、次のとおりであります。

 

ⅰ 資産

流動資産につきましては、現金及び預金並びに売掛金の増加などから、37,635百万円となり、前連結会計年度末と比較して、6,011百万円の増加となりました。固定資産につきましては、減価償却による有形固定資産の減少及び株式会社プロトメディカルケアの株式譲渡による連結除外に伴うのれんの減少などにより、16,890百万円となり、前連結会計年度末と比較して、874百万円の減少となりました。

ⅱ 負債

流動負債につきましては、仕入債務の増加や短期借入金の増加などにより、13,035百万円となり、前連結会計年度末と比較して、909百万円の増加となりました。固定負債につきましては、長期借入金の返済等により、1,093百万円となり、前連結会計年度末と比較して、234百万円の減少となりました。

ⅲ 純資産

剰余金の配当が、1,205百万円発生した一方、親会社株主に帰属する当期純利益5,880百万円の計上、期末評価替えによるその他有価証券評価差額金の増加などにより、純資産は40,397百万円となり、前連結会計年度末と比較して、4,462百万円の増加となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物につきましては、前連結会計年度末と比較して4,454百万円増加し、25,939百万円となりました。現金及び現金同等物が増加した主な要因につきましては、次のとおりであります。

ⅰ 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額又は還付額が2,115百万円となったものの、税金等調整前当期純利益9,163百万円の計上などにより、4,533百万円の収入となりました。

ⅱ 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形・無形固定資産の取得による支出が、1,133百万円発生した一方、子会社株式の売却による収入が2,854百万円発生したことなどにより、1,458百万円の収入となりました。

ⅲ 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出が、295百万円、配当金の支払が、1,205百万円発生したことなどから、1,547百万円の支出となりました。

 

④ 生産、受注及び販売の実績
ⅰ 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

自動車関連情報

 

4,372

85.7

生活関連情報

 

51

40.1

その他

 

526

16,435.0

合計

 

4,950

94.6

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 生産実績については、自動車関連情報、生活関連情報、その他における外注費を表示しております。不動産については、生産実績がありませんので、記載しておりません。

3 当連結会計年度において、その他セグメントの生産実績に著しい変動がありました。これは、株式会社オニオンを連結の範囲に含めたことによるものであります。

 

 

ⅱ 受注実績

受注後売上計上までの期間が概ね1ヶ月以内であるため、記載を省略しております。

 

ⅲ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

自動車関連情報

 

53,159

107.6

  広告関連

 

22,675

104.1

  情報・サービス

 

5,890

112.0

  物品販売

 

24,593

110.0

生活関連情報

 

856

21.9

不動産

 

147

103.4

その他

 

3,282

140.0

合計

 

57,446

103.0

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 自動車関連情報の広告関連については、主に情報誌及びウェブサイトへの広告掲載料であります。また、情報・サービスについては、主に法人向けデータ提供料であります。物品販売については、主に中古車輸出、タイヤ・ホイール等の販売に係る売上が含まれております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。また、新型コロナウイルスの感染拡大が当連結会計年度の経営成績、財政状態、キャッシュ・フローに与えた影響は一時的かつ部分的なものであると認識しております。しかしながら、今後も新たな変異株の流行など、これまでとは感染状況が異なり、深刻化した場合等には影響が大きくなる可能性もあるため、影響内容に応じて対応策を立案、実行してまいります。詳細につきましては「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表の作成に当たっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積り、判断及び仮定を必要とします。経営者は、これらの見積り、判断及び仮定について、過去の実績等を勘案し合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っておりますが、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。また、新型コロナウイルスの感染拡大が、今後再び深刻化し、長期に渡って国内及び国外の経済情勢に影響を与えた場合、これらの見積り、判断及び仮定と、実際の結果との乖離が大きくなることも想定されます。具体的には、貸倒実績率に基づき見積もられた一般債権に係る貸倒引当金などは、当該影響により実際との乖離が大きく発生する可能性があります。

なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績

当連結会計年度におきましては、売上高57,446百万円(対前年同期比3.0%増)、営業利益6,422百万円(対前年同期比8.1%増)、経常利益は、6,622百万円(対前年同期比8.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,880百万円(対前年同期比21.2%増)という結果となりました。株式売却による株式会社プロトメディカルケアの連結除外の影響があった一方で、当社の強みであるデータとAI技術を駆使したDX商品が好調に推移したこと、タイヤを中心とした物販が伸長したことなどにより、連結売上高は増収となりました。営業利益及び経常利益については、為替相場の変動、原材料の高騰などにより、物販領域における仕入原価の高騰が影響し売上総利益率が悪化したものの、業務効率化の推進により販売管理費の抑制が進んだ結果、増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前述の関係会社株式売却による売却益が計上されたことで前期を大きく上回っております。引き続き事業ポートフォリオの見直し、及び主要分野への選択と集中を推進する一方で、既存のリソースを活用した新規分野における事業創出も中長期的な成長戦略の一つとして進めてまいります。

当社グループが経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標の一つとしているROEにつきましては15.4%となり、当社の中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)上の最終目標値12.0%を大きく上回っております。関係会社株式売却益が計上されたことによる売上高純利益率の良化が大きな要因ですが、営業利益率の改善傾向も続いており、これもROE良化の一因となっております。一方で総資産回転率は低下傾向となっており、ROEを悪化させる要因となり得ることから、資産の利用効率については、引き続き改善の余地があると認識しております。

当社グループの事業セグメントのうち、当連結会計年度の売上高の92.5%を占めており、最も重要な事業セグメントである自動車関連情報セグメントの詳細な状況につきましては、以下のとおりであります。

 

(自動車関連情報)

業界No.1のサービスプラットフォームの構築を目指し、各事業領域におけるシェアの拡大並びに顧客当たりの取引単価の維持・拡大に努めるとともに、カーライフにおけるユーザーニーズを網羅したサービスの強化に取り組んでまいりました。当連結会計年度におきましては、引き続き、多様化するユーザーニーズに応えるべく、DXプロダクトの開発・提供を進めた結果、売上高53,159百万円(対前年同期比7.6%増)、営業利益7,903百万円(対前年同期比12.3%増)となりました。 

売上伸長の最も大きな要因となったのは、重点課題として進めてきたDXプロダクトの拡充効果もあり、「MOTOR GATE」「DataLine」を中心としたプラットフォーム関連サービスの提供が堅調に推移したことであります。当社グループの主要顧客である自動車販売業界においても、DX化による営業効率の改善、ユーザー利便性の向上の重要性が、コロナ禍の影響もありさらに高まっております。引き続き時代の変化を牽引する商品の開発・提供を進めることで、存在感を発揮し、社会に貢献するよう努めてまいります。

なお、各事業領域別の状況は次のとおりであります。

 

 

ⅰ 中古車領域

「グーネット」のコンテンツ量最大化、「グーネット」のバックグラウンドシステムである「MOTOR GATE」の提供及び機能向上を通じたユーザーの利便性向上並びに中古車販売店の経営支援に取り組んでまいりました。中古車販売店向けのDXプロダクトの拡充により利用価値が向上したこともあり、中古車領域のMOTOR GATE取引店舗数は順調に増加しております。また、月額単価も前年同期と比べ1.2千円増加いたしました。

 


一方でグーネットのユニークユーザー数についても、ユーザー利便性の向上により堅調に推移しております。


中古車は1台1台状態が異なるため、高品質のDXプロダクトを提供するためには過去のデータ量が非常に重要であります。業界におけるDXのニーズは依然として高く、当社が創業より培った膨大なビッグデータは大きな強みとなることから、引き続きデータ×AIによるプロダクトの開発、推進を進めることで、シェアの更なる拡大、グーネット利用ユーザーの増加を目指してまいります。

 

 

ⅱ 整備領域

「グーネットピット」におけるコンテンツの拡充に加え、自動車整備工場のDX化に寄与するサービスの提供を通じて有料掲載工場数の拡大に取り組んでまいりました。その結果、取引工場数は堅調に増加し、月額単価も前連結会計年度末に比べて増加いたしました。


 

当連結会計年度末時点の業界シェアは5.9%であり、依然として成長余地の大きい領域となっております。 整備領域においてもDXプロダクトの推進はシェア拡大のための大きなテーマと位置付けており、当連結会計年度においても入庫管理システムとして「MOTOR GATE PIT IN」の提供を開始するなど、DXプロダクトの提供を行ってまいりました。顧客となる自動車整備工場の多くがDX化に対応できておらず、煩雑な業務が発生しております。また、ユーザーニーズの面でも、コロナ禍を経てよりいっそうデジタルサービスの需要は高まっております。新たに策定した「中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)」においては、2025年3月末において取引工場数8,000工場を目標としており、これを実現するために、引き続きDXの推進を行ってまいります。

 

 

 

ⅲ 新車領域

引き続き「DataLine SalesGuide」の拡販に取り組んでまいりました。加えて「DataLine SalesGuide乗換提 案動画」、「DataLine AI査定」といったDXプロダクトの提供により、サービスの価値向上に努めてまいりました。この結果、「DataLine SalesGuide」の導入拠点数は、前年同期比対比で+4.5%増加し、月額単価もオプションサービスのリリースが寄与し、前連結会計年度末に比べて2.6千円増加いたしました。


 

新車領域においてもDXプロダクトの提供に注力し、順調にシェアを拡大しておりますが、新たに策定した「中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)」においては、2025年3月末時点での導入拠点数目標を8,000拠点としており、30%アップを目指すこととしております。新車領域は半導体や原材料の不足、価格高騰などの影響が短期的には懸念されますが、販売・整備拠点としての新車ディーラーの重要性は変わらないと考えられ、更なるシェア拡大、顧客単価のアップを実現するために、引き続きDXプロダクトの拡充を行い、そのための経営資源投入を進めてまいります。

 

ⅳ 物販領域

引き続き、主要取扱ブランドの販売強化並びにタイヤ・ホイールのセット販売の強化に取り組むとともに、当社の「グーネット」、「グーネットピット」、「MOTOR GATEショッピング」等とのシナジーを追求することで販売機会の拡大に努めてまいりました。また、中古車輸出事業においては大手中古車輸出業者とのアライアンスを強化するなど、ビジネスモデルの拡充に向けた取り組みを進めてまいりました。
 当連結会計年度においては、株式会社グーネットエクスチェンジにおける車両輸出事業が、コロナウイルスの感染拡大による影響から徐々に回復したことに加え、大手中古車輸出業者とのアライアンスが好調な動きを見せたことで、前年同期比対比+26.5%と大きく伸長いたしました。このアライアンス強化による輸出拡大は、当社の主要顧客である国内中古車販売店の販売台数拡大支援にもつながり、他領域における事業シナジーの創出も見込まれることから、引き続き同アライアンスの推進により、業容の拡大を図ってまいります。

 

また、株式会社オートウェイ、及び株式会社タイヤワールド館ベストにおけるタイヤ・ホイール販売も前年同期比対比+7.9%と好調に推移し、物販領域全体で、前年同期比対比+10.0%の増収となりました。

一方で、タイヤ・ホイール販売においては、原材料価格の高騰や為替相場の影響などにより仕入価格が高騰し、売上総利益率が悪化傾向となっております。引き続き売上の伸長を図るとともに、販売価格の見直しや為替変動への適切なヘッジ策を講じるなど、利益確保も課題として取り組んでまいります。

なお、生活関連情報、不動産、その他の事業セグメントの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

財政状態

(資産)

当連結会計年度末の総資産は54,525百万円となり、前連結会計年度末と比較して、5,137百万円の増加となりました。主な増加資産は現金及び預金が4,454百万円、出資金が304百万円の増加となっております。出資金の増加は、当連結会計年度において連結対象となったプロトベンチャーズ2号投資事業有限責任組合における出資であります。当組合は、国内外のスタートアップ企業への投資を目的に設立されたものであり、この投資を通して多数のベンチャー企業との接点が生まれており、新規事業創出につながる多くの企業情報の収集につながっております。

資産効率性につきましては、総資産回転率が低下傾向にあり、引き続き資産の利用効率に課題があると考えております。利益率の改善によりROEは改善しておりますが、一方で総資産回転率の低下が改善幅の引き下げ要因となっている状況であります。投資効率を念頭に置いた事業ポートフォリオの見直しを進め、ROEの更なる改善を目指してまいります。

(負債)

当連結会計年度末の総負債は14,128百万円となり、前連結会計年度末と比較して、674百万円の増加となりました。固定負債は長期借入金及び繰延税金負債の減少を主要因に前連結会計年度末と比較して234百万円の減少となりましたが、流動負債は909百万円の増加となりました。増加の主な要因は、株式会社タイヤワールド館ベスト及び株式会社プロトソリューションの仕入債務の増加、株式会社プロトコーポレーションにおける未払法人税の増加などであります。また、借入金の減少により、有利子負債は前連結会計年度末と比較して103百万円減少し、ネットキャッシュは4,557百万円増加しております。財務健全性は十分確保できており、今後の事業成長に向けた投資余力に問題はないと考えております。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は40,397百万円となり、前連結会計年度末と比較して、4,462百万円の増加となりました。当連結会計年度末の自己資本比率は74.0%、時価ベースの自己資本比率は76.2%となっております。

 

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

自己資本比率(%)

58.5

63.8

71.3

72.7

74.0

時価ベースの自己資本比率(%)

75.2

91.4

77.0

95.2

76.2

 

 

 
キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、25,939百万円となり、前年同期対比で4,454百万円の増加となりました。各キャッシュ・フロー区分における詳細は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、4,533百万円の収入となり、前年同期対比で2,041百万円の減少となりました。これは売上債権や前渡金の増加、商品棚卸高の増加が主な要因であり、売上増収に起因している部分も多分にあるものの、キャッシュ・コンバージョン・サイクルが前年同期に対して6.1日悪化していることから、営業資金効率の推移にも注意を払いながら事業規模の拡大を図ってまいります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,458百万円の収入となり、前年同期対比で2,356百万円の増加となりました。これは保有していた株式会社プロトメディカルケアの株式売却による収入があったことが大きな要因であります。フリーキャッシュ・フローは5,991百万円となり、前年同期対比で314百万円増加しております。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、1,547百万円の支出となり、前年同期対比で17百万円の支出増加となりました。増配により配当金の支払額が増加したことが主要因となっております。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、以下のとおりであります。

a.資金需要

当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、商品の仕入のほか、外注費、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、無形固定資産投資、設備投資、M&A投資等によるものであります。

b.財務政策

当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

運転資金及び投資を目的とした資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。

 

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

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