業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度の婚礼業界におきましては、新型コロナウイルス感染拡大の長期化により、引き続き厳しい状況にあるものの、全国的なワクチン接種の広がりと感染防止対策の強化により、挙式実施率は回復の兆しがみられます。

このような環境の中、当社グループは「安全、安心」な環境と祝福の場として相応しい空間・サービスの両立を目指し、営業活動を続けてまいりました。また、この環境下を契機と捉え、グループ全体で「生産性向上の取り組み」と「コスト削減」を、集中的かつ積極的に推進し、筋肉質な経営体質への転換を目指してまいりました。

この結果、売上高はコロナ禍の影響を大きく受けた前年から増加し394億82百万円(前年同期比97.0%増)となり、営業利益は20億89百万円(前年同期は営業損失111億91百万円)、経常利益15億48百万円(前年同期は経常損失116億87百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は18億77百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失162億14百万円)となりました。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、売上高は2億19百万円減少し、売上原価は1億24百万円減少し、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ95百万円減少しております。

 

    事業別の状況は以下のとおりです。

2020年9月30日付けで、株式会社グッドラック・コーポレーションの全株式を売却したことに伴い、当連結会計年度より報告セグメントを従来の「国内ウェディング事業」「海外・リゾートウェディング事業」から「国内ウェディング事業」に変更しております。

 

(国内ウェディング事業)

当連結会計年度におきましては、度重なる政府、自治体から行動制限要請とオミクロン変異株の感染急拡大がありながらも、直営店の婚礼取扱組数は前年比5,677組増の10,233組となり、新型コロナウイルス感染症拡大前の9割程度の水準まで回復いたしました。足元の営業活動、受注残組数においても堅調に推移しております。更に、挙式単価においても、前年比120千円増の3,575千円となり、本感染症拡大前の水準までの回復には一定期間を要すると見込んでおりますが、単価下落の要因となる列席者数の減少は、底打ちの兆しを感じております。

新型コロナ影響による売上・利益減少リスクを鑑み、コスト削減の徹底をはじめ、広告宣伝費の最適化、デジタル化推進による定員数の見直し等、収益改善に向けた様々な取り組みを実施してまいりました。

その結果、売上高390億46百万円(前年同期比123.4%増)、営業利益37億70百万円(前年同期は営業損失82億41百万円)となりました。

なお、収益認識に関する会計基準等の適用により、売上高は2億19百万円減少し、売上原価は1億24百万円減少し、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ95百万円減少しております。

 

 当連結会計年度末における総資産は540億32百万円となり、前連結会計年度末と比較し54億54百万円の増加となりました。これは、優先株式の発行により30億円の資金調達を行ったことなどにより、現金及び預金が71億98百万円増加したことなどによるものです。

当連結会計年度末における負債は421億88百万円となり、前連結会計年度末と比較し8億47百万円の増加となりました。これは、新収益認識の会計基準の適用により契約負債を認識したことなどによるものです。当連結会計年度末の純資産は118億43百万円となり、前連結会計年度末と比較し46億6百万円の増加となりました。これは、優先株式発行による増資30億円のほか、親会社株主に帰属する当期純利益18億77百万円を計上したことなどによるものです。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが66億52百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが4億1百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが10億14百万円の収入となり、この結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)期末残高は、期首より72億64百万円増加し、114億68百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は66億52百万円(前年同期は97億13百万円の支出)となりました。これは主に、税引前当期純利益を18億42百万円計上したこと、助成金の受取による収入19億62百万円を計上したこと、減価償却費を20億93百万円計上したこと、減損損失を16億64百万円計上したことなどによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は4億1百万円(前年同期は30億59百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出3億27百万円を計上したこと、敷金及び保証金の差入による支出2億68百万円計上したこと、貸付金の回収による収入1億35百万円計上したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は10億14百万円(前年同期は109億2百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入による収入41億60百万円計上したこと、第三者割当増資による収入30億円計上したこと、長期借入金の返済による支出48億72百万円を計上したこと、短期借入金の純減額7億45百万円によるもの、配当金の支払による支出1億3百万円計上したことによるものであります。

 

 

③仕入、受注及び販売の状況

a.仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

前年同期比(%)

国内ウェディング事業(百万円)

7,778

215.8

合計(百万円)

7,778

210.0

 

(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。

2. その他は、仕入実績がないため、記載しておりません。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注組数
(組数)

前年同期比
(%)

受注組数残高
(組数)

前年同期比
(%)

国内ウェディング事業

10,233

224.6

4,556

38.5

合計

10,233

193.1

4,556

38.5

 

(注) 1.その他は、提供するサービスの性格上、受注状況の記載に馴染まないため、記載しておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

前年同期比(%)

国内ウェディング事業(百万円)

39,046

223.4

報告セグメント計(百万円)

39,046

199.8

その他(百万円)

435

87.3

合計(百万円)

39,482

197.0

 

(注)  セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度の国内ウェディング事業におきましては、新型コロナウイルス感染拡大の長期化により、引き続き厳しい状況にありました。しかしながら、第3四半期連結会計期間以降においては、全国的なワクチン接種の広がりと感染防止対策の強化により、挙式単価は新型コロナウィルス感染拡大前の水準に戻っていないものの、挙式の実施件数は回復の兆しがみられています。

 当社グループでは新型コロナウィルス感染拡大による売上への影響は暫く続くものと想定し、収益力強化のため、生産性の向上と費用の削減による収益力の強化に取り組みました。

以上の結果、売上高はコロナ禍の影響を大きく受けた前年から増加し394億82百万円(前年同期比97.0%増)となり、営業利益は20億89百万円(前年同期は営業損失111億91百万円)、経常利益15億48百万円(前年同期は経常損失116億87百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は18億77百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失162億14百万円)となりました。

前連結会計年度末時点における純資産が72億37百万円となり自己資本比率が14.9%と大幅に低下したこと、また、今後の新型コロナウィルス感染拡大の資金繰りへの影響が不透明であったことから、2021年4月に優先株式の発行による30億円の増資を行いました。更に親会社株主に帰属する当期純利益を18億77百万円計上したことから、当連結会計年度末における純資産は11,843百万円となり、自己資本比率も21.9%に回復いたしました。

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況  2.事業等のリスク」をご参照ください。

国内ウェディング事業における経営成績に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

当連結会計年度におきましては、度重なる政府、自治体から行動制限要請とオミクロン変異株の感染急拡大がありながらも、挙式の実施件数は新型コロナウイルス感染症拡大前の9割程度の水準まで回復いたしました。足元の営業活動、受注残組数においても堅調に推移しております。更に、挙式単価においても、本感染症拡大前の水準までの回復には一定期間を要すると見込んでおりますが、単価下落の要因となる列席者数の減少は、底打ちの兆しを感じております。

新型コロナ影響による売上・利益減少リスクを鑑み、コスト削減の徹底をはじめ収益改善に向けた様々な取り組みを実施してまいりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

運転資金としては、食材等の仕入れや人件費その他の販売費及び一般管理費に関する支出などがあります。また、継続的な成長を実現するため、既存店のリニューアルやホテル複合型施設の出店費用などが必要となります。

しかしながら、新型コロナウィルス感染拡大の影響が不透明であることから、当連結会計年度においては、設備投資の抑制やコスト削減に取り組むなど支出の抑制を徹底いたしました。その結果、当連結会計年度の営業キャッシュ・フローは66億52百万円のプラスとなりました。

なお、必要資金の確保及び純資産の増強のため、2021年4月に優先株式を発行することにより30億円を調達しております。

現時点において金融機関との関係は良好であり、必要な運転資金及び設備投資資金の調達に問題はありません。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、決算日時点での報告数値に対して影響を与えるさまざまな会計上の見積りが必要となります。ただし、将来に関する事項には不確実性があるため、実際の結果は、これら見積りと異なる可能性があります。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」をご参照ください。

なお、新型コロナウィルス感染症拡大による業績等への影響を正確に予測することは困難であることから、当連結会計年度末時点で入手可能な情報等を踏まえて本感染症による今後の影響を検討した結果、挙式件数はほぼ新型コロナウイルス感染症拡大前の水準に戻るものの、挙式への列席者数の減少の傾向は当面続くものと予想されることから挙式単価は新型コロナウイルス感染拡大前の水準を下回って推移するものと仮定し、繰延税金資産の回収可能性や減損損失計上要否の判定を行っておりますが、その影響は不確定要素が多く、翌連結会計年度の当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④新型コロナウィルス感染症による影響について

新型コロナウィルス感染症拡大は、当社の業績に大きな影響を与えておりますが、挙式のキャンセルや日程変更の動きが落ち着きつつあり、挙式件数は回復傾向にあります。

挙式単価の回復には時間を要すると見込んでありますが、挙式単価の下落による売上・利益の減少分は、内製化率の向上などによる収益力の向上、同業他社からのオペレーションチェンジによる運営会場数の増加や他社のホテルなどの結婚式場の運営受託などの増加などにより補っていく方針となっております。

資金繰りに関しては、新型コロナウィルス感染拡大の影響により一時的に厳しい状況となる可能性はありますが、複数の取引金融機関との間で当座貸越契約を締結しており、当社グループとして必要な資金を確保できていることから、当面の資金繰りに問題はないと判断しております。

 

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