当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
<連結業績>
当社は、『こどもとそのファミリーのえがおのために、世界中に楽しい「あそび×まなび」を届けるオンリーワンのエデュテイメント企業』をビジョンに掲げ、4つの主要施策「あそび場の進化と拡大」、「ポートフォリオマネジメント経営」、「フルデジタリゼーション」、「成長を支える人財・組織・風土改革」を推進しております。
当連結会計年度(2021年3月1日~2022年2月28日)における当社及び連結子会社の連結業績は、売上高が 601億70百万円 ( 前期比30.5%増 )、 営業損失は34億8百万円 (前期 営業損失74億29百万円 )、 経常損失は33億85百万円 (前期 経常損失77億19百万円 )、 親会社株主に帰属する当期純損失は45億7百万円 (前期 親会社株主に帰属する当期純損失92億77百万円 )となりました。
新型コロナウイルス感染症の拡大は、国内、中国及びアセアンの全事業に影響を及ぼしておりますが、防疫対策を継続しながら今後の成長のための取組みを推進いたしました。国内・海外ともにショッピングセンター内営業面積拡大に向け戦略的小型店の展開を加速させた結果、カプセルトイ専門店やTinyモーリーファンタジーといった小型店舗数が増加いたしました。第4四半期連結会計期間におきましては売上高前年同期比10.5%増、営業利益は黒字となり、通期の営業利益は前期から40億20百万円の赤字縮小となりました。
2022年2月末の店舗数は国内516店舗、海外425店舗の合計941店舗(直営店931店舗、FC等10店舗)となりました。
<セグメント別業績>
(国内事業)
国内事業は、政府による緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置に基づく各自治体の措置に対応しながら営業時間短縮や臨時休業を実施し、店舗ごとにおける臨時休業日数を全社で合計すると延べ3,280日となり売上高の低下に繋がりました。新型コロナウイルスの感染者数が8月下旬をピークに減少に転じると売上高の回復が進み、12月は既存店一昨年比102.1%と一昨年を上回るトレンドにまで回復いたしました。
当期は年間を通じて、プライズ部門が好調に推移いたしました。人気IPや食品メーカーとコラボした当社限定アイテムなどを集中展開するとともに、Twitterキャンペーンといった集客を強化するための販促企画を実施いたしました。メダル部門においても2月中旬より「メダル1万円1万枚」のイベントを1年ぶりに実施し売上高の確保に努めました。こうした取組みにより、第4四半期連結会計期間の売上高は一昨年水準近くまで回復いたしました。
12月にはモーリーファンタジーむさし村山店(東京都)を全面刷新いたしました。キッズコーナーの面積を1.3倍に拡大して競合との差別化を図るとともに、横幅20メートルの大型デジタルサイネージを導入するなど新たな試みを多数取り入れました。今後の既存店活性化のモデル店舗として位置付けております。オンライン事業では、オンラインクレーン「MOLLY.ONLINE」が売上高前年同期比39.7%増と好調で営業利益は黒字を確保いたしました。11月より「モーリーオンラインスクラッチ」のサービスもリリースしております。
これまで戦略的出店を進めてきたカプセルトイ専門店「TOYS SPOT PALO」ですが、出店数が増加し業績に与える影響が大きくなってきたため、当期末より店舗数としてカウントしております。当期は33店舗出店し累計85店舗となり、カプセルトイ部門の売上高前年同期比141.6%増に大きく貢献いたしました。また、11月に新業態プライズ専門店「PRIZE SPOT PALO」を2店舗出店いたしました。モーリーファンタジーにおきましては草加マルイ店をはじめグループ外物件5店舗を含め7店舗を出店いたしました。このような新業態店舗等を含め、当期は42店舗を新規出店する一方で不採算店舗等9店舗を閉店し2022年2月末の店舗数はFC2店舗を含め516店舗となりました。
以上の結果、国内事業における当期の業績は、 売上高504億10百万円 ( 前期比31.9%増 )、 営業損失16億円 (前期 営業損失60億79百万円 )となりました。
(中国事業)
中国事業は、前期後半より好調に推移しておりましたが、8月に各地でクラスターが発生し一時的に売上高が低下いたしました。9月より順調に回復し、第3四半期連結会計期間においてほぼ一昨年度の水準まで回復しました。しかし、第4四半期に入ると政府の「ゼロコロナ政策」による行動規制がさらに強まり、母店の入館規制や当社の臨時休業店舗が増加した影響を受け、第4四半期連結会計期間の前年同期比は21.5%減となりました。
当期は、新たな収益源確保に向けショッピングセンターの空床など営業面積の拡大に取組みました。また、客数と収益拡大を目的としてショッピングセンター内でのパレードやセンターコートを活用した有料イベントを積極的に実施するとともに、会員向けアプリにエデュテイメント機能を付加し会員数の獲得に努めました。
当期は、9店舗を新規出店する一方で不採算店舗等15店舗を閉店し2022年2月末の店舗数はFC5店舗を含め199店舗となりました。
以上の結果、中国事業における当期の業績は、 売上高77億21百万円 ( 前期比12.0%増 )、 営業損失12億30百万円 (前期 営業利益36百万円 )となりました。
※中国事業は当期の為替レートが円安に動いた結果、当期業績において売上高を押し上げ、営業利益を押し下げる影響が出ております。また前期は臨時休業に伴う店舗休止損失の特別損失計上の他、営業時におきましても政府による減免や助成金の受給を受けております。
(アセアン事業)
アセアン事業は、新型コロナウイルス感染症の影響による各国政府の規制により、8月の時点では事業内のほぼ全店舗が臨時休業の状況でしたが、第3四半期以降段階的に営業再開し、再開した店舗では売上高回復が進みました。マレーシアでは1月と2月は一昨年の水準を超えてきております。フィリピンは11月より1年8ヵ月ぶりに営業を再開し、政府の規制により入場定員を半数程度に設定して運営を行いましたが、12月の既存店一昨年比は75.1%と健闘し、2月には同106.0%となりました。タイは4月中旬から約半年間、全店臨時休業しておりましたが、10月から順次営業を再開いたしました。インドネシアも10月から順次営業を再開し、売上高も一昨年水準に達する勢いで回復いたしました。1月には新業態となる日本風テーマ型インドアプレイグラウンド「EDOKKO」をオープンいたしました。ベトナムでは11月下旬より13店舗中11店舗が営業を再開いたしました。第4四半期会計期間は全ての国で売上高回復が進み、営業利益は黒字を確保いたしました。
その他の施策として、フィリピンでは小学生向けの授業動画配信サービスの展開、タイではお出かけポータルサイトの運営など、リアル店舗以外での新規事業も推進しております。
当期は、16店舗を新規出店する一方で不採算店舗等16店舗を閉店し2022年2月末の店舗数はFC3店舗を含め226店舗となりました。
以上の結果、アセアン事業における当期の業績は、 売上高21億9百万円 ( 前期比87.0%増 )、 営業損失5億76百万円 (前期 営業損失13億99百万円 )となりました。
(仕入及び販売の状況)
当社グループの主な事業は、ショッピングセンター内遊戯施設の設置運営であり、「仕入及び販売の状況」については、セグメントごとに品目別又は部門別に記載しております。
セグメントごとの品目別仕入実績は、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、仕入価格で表示しております。
2.商品は、カード、菓子、玩具、飲食物等であります。
3.貯蔵品は、遊戯機械景品のぬいぐるみ、玩具、菓子、メダル等であります。
4.その他は、販売用遊戯機械、備品、景品等であります。
5.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
ⅰ) 部門別売上高
セグメントごとの部門別売上高は、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.遊戯機械売上高は、プライズゲーム機、メダルゲーム機、時間制遊具等の遊戯機械による収入であります。
3.商品売上高は、カード、玩具、飲食物等の販売による収入であります。
4.委託売上高は、飲料等自動販売機の運営委託に係る手数料収入等であります。
5.遊戯施設関係のその他は、温浴施設の入場料収入であります。
6.その他は、遊戯機械・備品、景品等の販売収入、ロイヤリティー収入等であります。
7.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
ⅱ) 地域別売上高
販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
ⅲ) 単位当たり売上高
セグメントごとの単位当たり売上高を売場面積別及び従業員別に示すと次のとおりであります。
(注) 1.売場面積(平均)は、営業店舗の期中平均値であります。
2.従業員数(平均)は、パートナー社員(パートタイマー)及び受入出向者を含めた期中平均値であります。なお、パートナー社員の人数は1日8時間換算で計算しております。
(注) 1.売場面積(平均)は、営業店舗の期中平均値であります。
2.従業員数(平均)は、受入出向者を含めた期中平均値であります。
(注) 1.売場面積(平均)は、営業店舗の期中平均値であります。
2.従業員数(平均)は、受入出向者を含めた期中平均値であります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、 109億19百万円 となり、 前連結会計年度末に比べ10億99百万円減少 いたしました。主な内訳は、前連結会計年度末日が金融機関の休日であり、売上預け金のうち前年2月上旬分が翌営業日に決済されたことによる売上預け金の減少(13億98百万円)、現金及び預金の増加(2億89百万円)であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、 403億15百万円 となり、 前連結会計年度末に比べ16億27百万円減少 いたしました。主な内訳は、投資の抑制による遊戯機械の減少(17億77百万円)及び建物の減少(4億46百万円)、繰延税金資産の増加(4億2百万円)であります。
この結果、総資産は 512億35百万円 となり、 前連結会計年度末に比べ27億26百万円減少 いたしました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、 315億9百万円 となり、 前連結会計年度末に比べ20億67百万円増加 いたしました。主な内訳は、短期借入金の増加(25億80百万円)、設備関係支払手形の減少(4億69百万円)であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は 78億84百万円 となり、 前連結会計年度末に比べ2億87百万円増加 いたしました。主な内訳は、セールアンド割賦バック取引による長期割賦未払金の増加(22億7百万円)、連結子会社における長期借入金の減少(16億97百万円)及びリース債務の減少(2億77百万円)であります。
この結果、負債合計は 393億93百万円 となり、 前連結会計年度末に比べ23億54百万円増加 いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、 118億41百万円 となり 前連結会計年度末に比べ50億80百万円減少 いたしました。主な内訳は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上(45億7百万円)、剰余金の配当による減少(5億92百万円)であります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比較して2億68百万円増加し59億86百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動により得られた資金は61億76百万円となりました。その主な内訳は、税金等調整前当期純損失47億83百万円の計上による資金の減少と、減価償却費105億18百万円の計上及び売上預け金14億円の減少による資金の増加であります。
投資活動により使用した資金は70億91百万円となりました。主に新規出店や既存店活性化投資に伴う有形固定資産64億16百万円の取得によるものです。
財務活動により得られた資金は13億95百万円となりました。主に短期借入金の純増額30億90百万円、セールアンド割賦バック取引による収入28億59百万円、長期借入金23億33百万円の返済、リース債務15億36百万円の返済及び配当金5億92百万円の支払いによるものです。
なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は下記のとおりであります。
(注) 1.自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
2.キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを利用して 計算しております。有利子負債は、連結貸借対照表上に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いは、キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの資金需要の主なものは、商品及び貯蔵品の仕入、店舗運営に係る人件費及び地代家賃等の営業費用であります。また、設備投資に係る資金需要の主なものは、新店及び店舗活性化に伴う遊戯機械の取得等であります。
(財務政策)
当社グループの事業活動に必要な資金については、営業キャッシュ・フローによることを基本とし、主として金融機関からの借入により資金調達しております。また多様な調達手段を確保すべくセールアンド割賦バック取引により28億59百万円の資金調達を実施し、リスクの低減を図っております。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、連結貸借対照表上の資産、負債の計上額及び連結損益計算書上の収益、費用の計上額に影響を与える会計上の見積りを行う必要があります。
当該見積りは、過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4. 会計方針に関する事項」に記載しております。
なお、特に重要な会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
お知らせ