課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社は、ソースネクストという社名に「次の常識をつくる」という意味を込め、コンシューマ向けソフトウェアを企画・開発・販売する会社として1996年に設立いたしました。また、製品を通じて喜びと感動を世界中の人々に広げることをミッションとしております。そのために、世界中から便利で高品質なスマートフォンアプリ・パソコンソフト等を発掘し、誰でも手軽に買える価格で提供することにより、ソフトウェア市場の新たな創出を目指しております。また、2017年12月には当社初のIoT製品であるAI通訳機「ポケトーク」を発売し、2019年12月には3世代目モデルとなる「ポケトーク S」を発売しました。2022年1月には「ポケトーク字幕」の提供を開始し、2022年4月にはAI通訳アプリ「ポケトーク(iOS 版/ Android 版)」を発表しました。

「ポケトーク」に関しては、2022年2月に簡易新設分割により当社連結子会社としてポケトーク社を設立し、外部からの資金調達なども行いながら、「ポケトーク」ブランドの世界的な認知向上とグローバル展開の加速を進めて参ります。

今後もコンシューマ向けIoT製品の企画・開発を推し進め、世界中にイノベーティブな製品を提供するグローバルIoTメーカーへと邁進して参ります。

 

(2)経営戦略

 現在当社は、IoT製品やスマートフォン向けアプリ及びパソコンソフトの新規ユーザーの獲得、マーケット拡大に注力しております。IoT製品においては当社の20年以上のソフトウェア開発・販売経験を活かし、「驚き・簡単・役立つ」価値のある製品を「安い」価格で提供すべく、今後も企画開発を推し進めて参ります。ソフトウェアビジネスにおいては、「Dropbox」や「Corel」など、海外の大型ブランドを始め、世界中から高品質で便利なコンテンツの取得や、M&A、大手ブランドのIP(知的財産権)取得を推進することにより、更なる事業の拡大を推し進めております。また、市場規模が大きいセキュリティ市場にも注力し、端末固定・期限なしのウイルス対策ソフト「ZEROウイルスセキュリティ」及び「ZEROスーパーセキュリティ」の認知度・信頼性の向上によるシェアの拡大を目指しております。さらに、日本国内においてテレワークの導入が急速に進んでいる背景を受け、テレワーク関連製品の販売を開始するなど、製品の多角化を進めております。今後は「ポケトーク」をはじめとするIoT製品、オリジナリティのあるソフトウェアの開発及び多様な供給形態への対応を通して、世界市場への展開を目指す方針であります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標

当社は、コンシューマ向けソフトウェア業界のマーケットリーダー、及びIoTメーカーとして、付加価値の高い製品を提供していくことにより、コンシューマ向けソフトウェア市場の更なる拡大を牽引し、IoT製品による新たな市場創出をしていく所存であります。従いまして、当該方針において当社が重視する経営指標は、①売上高、②経常利益、③売上高経常利益率です。

 

(4)経営環境

当期のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響や、金融資本市場の変動等の影響により、先行き不透明な状況が続くものと見込まれますが、当社の属するコンシューマ向けソフトウェアおよびハードウェア業界におきましては、技術革新の進展、テレワークの拡大とそれに伴う個人情報を含む情報セキュリティ意識の高まり、AI技術の応用範囲の拡大、IoT製品のコンシューマへの浸透などの要因により、今後より一層の事業拡大が予想されます。これに伴い、更なる競争の激化が進む可能性もあります。

このような事業環境の中で、当社が対処すべき課題は次のようにまとめられます。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 新製品の企画・開発

 スマートフォン・タブレット及びパソコン等のデバイスに対応したソフトウェアの企画・開発を推進して参ります。ソフトウェアタイトルの拡大におきましては、品質・コスト・開発期間のバランスに留意し、自社製品の開発や国内外の複数の開発会社からの知的財産権の取得など、様々な手法を用いて、有力ジャンルの製品開発を進めて参ります。

 IoT製品の新製品開発については、製品がインターネットに繋がることで、これまでに存在しなかった新たな市場の創出が見込まれることから、「ポケトーク」はもちろん、AI通訳機以外の分野についても当社の20年以上のソフトウェア開発経験をハードウェア製品と融合させていくことで、IoT事業を強化して参ります。

また、国内におけるテレワークの浸透など、短期的に環境が大きく変わる中で、市場に求められる製品を企画・開発し、スピーディに提供して参ります。

 

② 販売チャネルの拡大

 当社は、国内においては主要家電量販店、通信キャリア等と協業しての販売や「ポケトーク」をはじめとするIoT製品の法人への導入を推進することにより、更なる販売チャネルの維持・拡大を推進して参ります。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の収束は不透明な状況であり、引き続き家電量販店等での当社グループ製品の販売が影響を受けることが予測されるため、自社オンラインショップの商材拡充および販売、法人営業の強化に、より一層注力して参ります。さらに、製品を多言語化することなどにより、国外への展開を推し進めて参ります。AI通訳機「ポケトーク」の海外展開につきましては、米国・欧州の更なる展開強化に加え、アジアでの積極的な販路開拓を進めて参ります。世界への販路拡大を図り、今後の更なる業績拡大に繋げて参ります。

 

③ ユーザー層の拡大

 当社の売上の多くは自社オンラインショップ販売と家電量販店等の店頭パッケージ販売、法人向け販売によるものであります。同チャネルにつきましては、長期的なブランド形成という観点からも、引き続き非常に重要と考えております。同時に、携帯キャリア、携帯キャリア以外の通信キャリア(ISP等)、全国の法人向け販売代理店など、他社と協業することで新しいチャネルを構築していくことも必要であると認識しております。販路の拡大によるユーザー層の拡大のみならず、M&A等によるユーザー層の拡大もにらみ、こうした提携を積極的に進めていく所存であります。

 

④ 収益力の向上

 売上の拡大と同時に継続的かつ効果的なコスト管理を実施することが必要であると認識いたしております。売上の拡大につきましては、従来の売り切り型に加え、サブスクリプション型の収益モデルを拡大することで安定的な収益基盤を築いて参ります。当社は、引き続き全社的な予算実績管理を徹底し、原価削減及び効果的な販売費及び一般管理費の支出を行ない、一層の収益力の向上を図っていく所存であります。

 

⑤ ポケトーク社における事業と組織の構築

 2022年2月に簡易新設分割によってポケトーク社を設立しました。ポケトーク端末、ポケトーク字幕、ポケトークアプリのプロダクトラインナップで、国内及び海外に積極的に展開をして参ります。特に法人ユースのサブスクリプション型ビジネスモデルとなるポケトーク字幕について、有料課金開始後のユーザー数の積み上げがポケトーク社の企業価値評価上重要になってくると認識しており、重点領域として取り組んで参ります。また、国内及び海外でポケトークを積極的に展開していくために必要となる人材の採用を積極的に進めて参ります。

 

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