文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行に伴う経済活動の制限が継続している中、企業収益の一部に改善がみられるものの、原材料の価格高騰も影響し、個人消費が依然として低迷するなど厳しい状況が続き、さらに感染再拡大の影響による緊急事態宣言が度々発出されるなど先行きに不安を抱える状況となっております。
介護業界におきましても、高齢者や障がい者の方々を対象としている業界であるため、感染拡大防止を最優先とした事業活動の制限が継続している厳しい状況となっております。
このような状況のもと、当社グループといたしましては、コロナ禍において進みつつある価値観の変化への対応及び業績回復のため、営業体制の強化を行い、収益性の向上を図りました。また、「CSV(共有価値の創造)」を事業活動の根本に据え、その一環として国連が掲げる「SDGs(持続可能な開発目標)」達成への取り組みにも着手いたしました。全社を挙げての営業活動が実を結び、当連結会計年度の売上高は123億82百万円(前年同期比6.4%減)と減収となりましたが、前期末に譲渡した福祉用具事業を除くベースでは前年同期比3億9百万円の増収(前年同期比2.6%増)でありました。さらに新型コロナウイルス感染症対策に対する助成金収入等の計上により、経常利益は1億3百万円(前年同期比875.4%増)と前年同期比92百万円の改善となり、親会社株主に帰属する当期純損失は32百万円(前年同期は89百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)と前年同期比56百万円の改善となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
イ.ホーム介護事業
ホーム介護事業につきましては、前期に新たな有料老人ホーム3拠点を開設した一方で、2021年1月には「ロングライフみなせ(大阪府三島郡)」を建物賃貸借契約の満了に伴い事業運営を終了した結果、当連結会計年度末におけるホーム数は23ホームで居室総数は1,041室となっております。引き続きホーム介護事業の運営体制の効率アップ並びにブランディング活動等の営業強化により、入居率の引き上げに注力しております。
ホーム介護事業の売上高は51億44百万円(前年同期比4.4%増)、経常利益は86百万円(前年同期は1億58百万円の経常損失)と前年同期比2億45百万円の改善となりました。
ロ.在宅介護事業
在宅介護事業につきましては、当連結会計年度末におけるサービス数は122サービスとなっております。各事業所職員の育成充実と、訪問介護における特定事業所加算が適用される事業所を増加させ、サービスの質の向上を図り、事業拠点の収益力アップに努めております。
在宅介護事業の売上高は58億99百万円(前年同期比2.1%増)、経常利益は2億55百万円(前年同期比104.5%増)となりました。
ハ.フード事業
フード事業につきましては、主に当社グループが運営する有料老人ホーム等に食事を提供しております。また、新規事業への取組みやオリジナル商品の販売等によるグループ外への営業強化に注力することで、ブランド力の向上に努めております。
フード事業の売上高は79百万円(前年同期比51.4%増)、経常利益は2百万円(前年同期比81.5%減)となりました。
ニ.リゾート事業
リゾート事業につきましては、函館、箱根、由布院、石垣島の全国4拠点において会員制リゾートホテルの運営を行っており、また、新たにブライダル事業者との提携を行い、サービスの向上と新規会員の獲得に注力しております。
リゾート事業の売上高は2億42百万円(前年同期比30.7%増)、経常損失は2億49百万円(前年同期は3億37百万円の経常損失)となりました。
ホ.その他
その他につきましては、調剤薬局事業及び医療関連事業を行う連結子会社の「ロングライフメディカル株式会社」、国内外企業への投資及びコンサルタント事業を行う連結子会社の「ロングライフグローバルコンサルタント株式会社」及び「朗楽(青島)頤養運営管理有限公司」の3社により構成されております。
その他セグメントの売上高は10億16百万円(前年同期比10.1%減)、経常利益は2百万円(前年同期比87.6%減)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ19億71百万円減少し、177億4百万円となりました。
流動資産につきましては、前連結会計年度末より16億29百万円減少し、42億75百万円となりました。その主な要因は、現金及び預金が15億51百万円減少したことによるものであります。
固定資産につきましては、前連結会計年度末より3億41百万円減少し、134億28百万円となりました。その主な要因は、有形固定資産が2億46百万円減少したことによるものであります。
流動負債につきましては、前連結会計年度末より16億34百万円減少し、72億85百万円となりました。その主な要因は、1年内返済予定の長期借入金が1億85百万円増加し、短期借入金が12億円、未払法人税等が2億33百万円、前受金が5億3百万円それぞれ減少したことによるものであります。
固定負債につきましては、前連結会計年度末より2億13百万円減少し、79億63百万円となりました。その主な要因は、リース債務が60百万円増加、長期借入金が2億90百万円減少したことによるものであります。
また、純資産は前連結会計年度末に比べ1億23百万円減少し、24億55百万円となり、自己資本比率は13.9%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度末に比べ15億43百万円減少し、11億78百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は1億54百万円の増加(前連結会計年度は5億86百万円の資金増加)となりました。その収入要因は、税金等調整前当期純利益89百万円、減価償却費6億16百万円、未払金の増加額1億6百万円、未払消費税等の増加額96百万円などであり、支出要因は、前受金の減少額5億3百万円、法人税等の支払額3億54百万円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は2億41百万円の減少(前連結会計年度は7億38百万円の資金減少)となりました。その支出要因は、有形固定資産の取得による支出2億55百万円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は14億54百万円の減少(前連結会計年度は18億73百万円の資金増加)となりました。その収入要因は、長期借入れによる収入10億円などであり、支出要因は、短期借入金の純減少額12億円、長期借入金の返済による支出11億4百万円などであります。
④ 生産、仕入及び販売の実績
イ.生産実績
当社グループは生産活動を行っていないため、生産実績は記載しておりません。
ロ.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年11月1日 至 2021年10月31日) |
前年同期比(%) |
ホーム介護事業(千円) |
21,084 |
329.1 |
在宅介護事業(千円) |
- |
- |
フード事業(千円) |
245 |
- |
リゾート事業(千円) |
- |
- |
報告セグメント計(千円) |
21,330 |
3.5 |
その他(千円) |
422,513 |
76.8 |
合計(千円) |
443,843 |
38.1 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.在宅介護事業及びリゾート事業では、商品を取り扱っていないため、商品仕入実績は記載しておりません。
ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年11月1日 至 2021年10月31日) |
前年同期比(%) |
ホーム介護事業(千円) |
5,144,003 |
104.4 |
在宅介護事業(千円) |
5,899,693 |
102.1 |
フード事業(千円) |
79,890 |
151.4 |
リゾート事業(千円) |
242,408 |
130.7 |
報告セグメント計(千円) |
11,365,995 |
93.9 |
その他(千円) |
1,016,755 |
89.9 |
合計(千円) |
12,382,751 |
93.6 |
(注)1. セグメント間の取引については相殺消去しております。
2. 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2019年11月1日 至 2020年10月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年11月1日 至 2021年10月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
大阪府国民健康保険団体連合会 |
4,505,712 |
34.1 |
4,377,479 |
35.4 |
3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.売上高
当連結会計年度の売上高は123億82百万円となり、前連結会計年度と比べ6.4%減の減収となりましたが、前期末に譲渡した福祉用具事業を除くベースでは3億9百万円の増収(前年同期比2.6%増)でありました。詳細につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
ロ.売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価率は78.6%となり、前連結会計年度の78.5%より0.1ポイントの増加となりました。また、販売費及び一般管理費の売上高に対する割合は21.0%となり、前連結会計年度の20.8%より0.2ポイントの増加となりました。
ハ.営業利益
当連結会計年度の営業利益は新型コロナウイルス感染症対策のコスト増の影響等で46百万円となり、前連結会計年度の98百万円と比べ51百万円の減益となりました。
ニ.経常利益
当連結会計年度の経常利益は新型コロナウイルス感染症対策に対する助成金収入等の計上により、1億3百万円となり、前連結会計年度の10百万円と比べ92百万円の改善となりました。
ホ.特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の特別利益は22百万円となり、内容は投資有価証券売却益及び資産除去債務戻入益であります。特別損失は36百万円となり、内容は賃貸借契約解約損及び固定資産除却損であります。親会社株主に帰属する当期純利益は法人税等1億22百万円を計上した結果、32百万円の損失となり、前連結会計年度の損失89百万円と比べ56百万円の改善となりました。
なお、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載の各指標についての当連結会計年度の数値は次のとおりであります。
経営指標 |
目 標 |
当連結会計年度(2021年10月期) |
1株当たり当期純利益(EPS) |
30円以上 |
△3.16円 |
自己資本利益率(ROE) |
10%以上 |
- |
売上高前年対比 |
10%以上 |
△6.4% |
売上高経常利益率 |
10%以上 |
0.8% |
②経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、短期借入金から長期借入金へ借り換えの実施やシンジケートローンの約定返済を行いました。
また、今後の中長期的な成長に向けて、新規の事業所開設や事業基盤強化のための投資等を計画しており、これらの資金需要につきましては、自己資金のほか、金融機関からの借入金も含め、最適な方法による資金調達にて対応する予定であります。なお、重要な設備投資の計画につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画(1)重要な設備の新設」に記載のとおりであります。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症による今後の影響等を含む仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
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