課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、界面活性剤の技術を中核に据えた研究開発型の企業です。従業員のおよそ2割強が研究開発部門に所属し、繊維産業を中心とした各種産業のユーザーの製品の品質向上と生産性向上に欠かすことのできない、さまざまな製品を供給させていただいております。規模の拡大よりも、グローバル経済に対応できる「より強い」「より利益率の高い」企業になることを目指しております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、成長性と収益性の向上に努め、売上高及び売上高営業利益率を継続して高めていくことを目標にしております。また、株主利益の増大を図るために、1株当たり当期純利益も重要な指標としてとらえております。売上高及び1株当たり当期純利益の推移は「第1 企業の概況」の「主要な経営指標等の推移」に記載のとおりであります。売上高営業利益率は、2018年3月期16.5%、2019年3月期16.0%、2020年3月期15.1%、2021年3月期13.3%、2022年3月期15.5%と、高い数値で推移しております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、界面活性剤分野のみならず、高分子分野におきましても独自の技術開発を続けることによって、現在の地位を築いてまいりましたが、現状の延長線のみの研究活動に安住することなく、新しい分野での技術開発を図ってまいります。当社グループの顧客層は広範囲な分野にわたっており、顧客ニーズを的確に把握することによって、これまで培ってきた技術力を大きく伸ばすことができると確信しております。すなわち、繊維向け油剤の開発から高分子マツモトマイクロスフェアー、金属加工油剤のDI缶用油剤にいたるまでの開発の系譜を深化・拡大してゆくということであります。

 

(4) 会社の対処すべき課題

世界経済の見通しは、新型コロナウイルスの感染再拡大の影響、ロシアによるウクライナへの侵攻、米国の金融引き締め等により依然として不透明な状態が続いております。日本でも為替相場の急激な円安の進行により、回復基調であった経済環境の停滞・悪化が懸念されております。

このような状況下、当社グループといたしましては、ポストコロナを見据えつつ、今後も引き続き経営基盤の強化に取り組んでまいります。繊維工業関連や自動車関連における世界的な需要の変動に対しては、柔軟に生産量を調整するとともに、競争力のある新製品の開発、販路の拡大、製品の安定供給体制の維持、社内の合理化により全社一丸となり業績の拡充と収益率の向上に努める所存でございます。

またここ数年、生産設備の増強に努めてまいりましたが、その有効活用と、既存設備の見直しを引き続き展開してまいりたいと考えております。

研究開発につきましては、付加価値のより高い新素材・新用途の開発を行っておりますが、今後とも社会情勢の変化に対応すべく適材適所で機動的に事業の運営を図ってまいりたいと考えております。

 

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