(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの再拡大に加え半導体の供給不足や、ロシアによるウクライナ侵攻及び原油価格の高騰等の影響が懸念され、先行き不透明な状況が続いております。一方で当社グループが属する情報サービス業界におきましては、EC市場の拡大を背景としたネット通販に関連したシステム基盤の構築や業務の効率化及び生産性向上等を目的とした投資需要は底堅く、またAIやIoT、クラウドサービスの利用領域の多様化等の流れは継続しております。
このような状況の中で、当社グループにおきましては、システムの維持運用の効率化に向けたクラウドサービスやITシステム基盤等のクラウドサービス利用支援分野において新規及び既存顧客の受注、各種プロダクトの販売に注力した結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
ⅰ.財政状態
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比べて1,153百万円増加し、7,815百万円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比べて724百万円増加し、4,393百万円となりました。
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べて428百万円増加し、3,421百万円となりました。
ⅱ.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高は16,198百万円(前年同期比12.2%増)、営業利益は1,196百万円(同28.5%増)、経常利益は1,190百万円(同24.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は785百万円(同16.5%増)となりました。
セグメントごとの経営業績は、次のとおりであります。なお、セグメントの売上高については、外部顧客への売上高を記載しております。
(ソリューション事業)
システムの維持運用の効率化に向けたクラウドサービスやITシステム基盤等のクラウドサービス利用支援分野の受注が好調に推移した結果、当連結会計年度における売上高は13,609百万円(前年同期比12.8%増)、セグメント利益は3,376百万円(同16.2%増)となりました。
(アウトソーシング事業)
AI関連サービス等を含めたデータセンター業務等が堅調に推移した結果、当連結会計年度における売上高は1,889百万円(前年同期比6.1%増)、セグメント利益は579百万円(同3.7%増)となりました。
(プロダクト事業)
MOS(モバイル受発注システム)、就業役者(勤怠・作業管理システム)及びSHIFTEE(クラウド型シフト管理システム)等の販売が好調に推移した結果、当連結会計年度における売上高は670百万円(前年同期比20.8%増)、セグメント利益は399百万円(同35.2%増)となりました。
(その他事業)
北米で展開しているメディア関連事業等については、当連結会計年度における売上高は27百万円(前年同期比3.3%減)、セグメント利益は4百万円(同28.6%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ502百万円増加し、当連結会計年度末は2,702百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は1,007百万円(前年同期比42.1%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,176百万円、減価償却費177百万円、売上債権の増加額476百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は274百万円(同0.7%減)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出125百万円、無形固定資産の取得による支出60百万円、有形固定資産の取得による支出33百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は240百万円(同45.2%増)となりました。これは主に、配当金の支払額340百万円、長期借入れによる収入100百万円等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
ⅰ.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
前年同期比(%) |
ソリューション (千円) |
10,245,475 |
112.1 |
アウトソーシング (千円) |
1,322,716 |
107.2 |
プロダクト (千円) |
274,655 |
109.1 |
報告セグメント計(千円) |
11,842,847 |
111.5 |
その他 (千円) |
25,099 |
100.7 |
合計 (千円) |
11,867,946 |
111.5 |
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
ⅱ.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
|||
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
ソリューション |
13,794,207 |
112.9 |
613,796 |
113.4 |
アウトソーシング |
1,902,033 |
107.3 |
13,995 |
526.0 |
プロダクト |
698,437 |
128.5 |
56,051 |
173.4 |
報告セグメント計 |
16,394,678 |
112.8 |
683,843 |
118.7 |
その他 |
27,746 |
96.7 |
― |
― |
合計 |
16,422,424 |
112.8 |
683,843 |
118.7 |
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
ⅲ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
前年同期比(%) |
ソリューション (千円) |
13,609,855 |
112.8 |
アウトソーシング (千円) |
1,889,780 |
106.1 |
プロダクト (千円) |
670,955 |
120.8 |
報告セグメント計(千円) |
16,170,591 |
112.3 |
その他 (千円) |
27,746 |
96.7 |
合計 (千円) |
16,198,337 |
112.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
ⅰ.経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、16,198百万円(前年同期比12.2%増)となりました。これは主にソリューション事業でシステムの維持運用の効率化に向けたクラウドサービスやAWSやMicrosoft Azureといったクラウドサービス領域でのアライアンス強化による利用支援の増加等に伴い、既存及び新規のエンドユーザーとの取引が増加するなどしたためであり、同事業の売上高は13,609百万円(同12.8%増)となりました。
なお、当社グループは新型コロナウイルスの感染拡大に伴う事業活動の停止等は生じておらず、売上高への影響は軽微にとどまりました。
(売上原価及び売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は11,861百万円(前年同期比11.0%増)となりました。これは主に、採用活動が堅調に推移し社員数が増加したことによるものです。また、原価率について、高利益率であるServiceNowの受注拡大や在宅勤務に伴う固定費の減少等により0.8ポイント改善した結果、売上総利益は4,336百万円(同15.9%増)となりました。
(販売費及び一般管理費並びに営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は3,140百万円(前年同期比11.7%増)となりました。これは主に事業拡大に向けた体制強化に伴う人件費、Microsoft Base Kanazawa開所に伴う消耗品費、研修費用等の増加によるものです。これらの結果、営業利益は1,196百万円(同28.5%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は助成金収入の減少等により、18百万円(前年同期比60.0%減)となりました。営業外費用は為替差損の増加等により、25百万円(同6.5%増)となりました。これらの結果、経常利益は1,190百万円(同24.7%増)となりました。
(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別損失は当社アウトソーシングセンターの業務用資産である建物及び構築物、土地等の減損損失を計上したため14百万円(前年同期比42.0%減)となりました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は785百万円(同16.5%増)となりました。
また、2023年6月期の目標とする経営指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照下さい。
ⅱ.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比べて1,153百万円増加し、7,815百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比べて984百万円増加し、6,303百万円となりました。これは主に、現金及び預金が556百万円増加したこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末と比べて168百万円増加し、1,511百万円となりました。これは主に、のれんが196百万円、繰延税金資産が62百万円増加し、「投資その他の資産」の「その他」に含まれる長期前払費用が41百万円、工具、器具及び備品(純額)が35百万円、建物及び構築物(純額)が5百万円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比べて724百万円増加し、4,393百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末と比べて562百万円増加し、3,686百万円となりました。これは主に、未払費用が186百万円、短期借入金が130百万円、未払法人税等が123百万円、未払金が92百万円、「その他」に含まれる前受金が58百万円増加し、買掛金が24百万円減少したこと等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末と比べて161百万円増加し、707百万円となりました。これは主に、長期借入金が75百万円、退職給付に係る負債が48百万円、役員退職慰労引当金が25百万円、リース債務が10百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べて428百万円増加し、3,421百万円となりました。これは主に利益剰余金が457百万円増加したこと等によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、労務費及び外注費等の製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資、新規及び機能の追加等によるソフトウエアの開発費用等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は1,209百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,702百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業運営等に関連する様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
⑤ 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
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