研究開発活動

5【研究開発活動】

 当社グループの事業は、機能化学品、ライフサイエンス、化薬、その他の事業からなり、これらの固有技術の展開を図るとともにグループとしての総合力を発揮して化学産業を取り巻く環境や社会ニーズの変化に対応した研究開発を進めております。成長の期待される先端分野や新規分野では、先端技術研究所および新規事業開発室を始めとする当社グループの研究部門のみならず、産官学との共同研究や委託研究により研究開発を推進しております。

当連結会計年度は、研究開発費として6,108百万円を投入しました。

以下、各事業セグメントの研究開発活動の概況についてご説明申し上げます。

 

〔主な研究開発の成果〕

(1)機能化学品事業

脂肪酸誘導体、界面活性剤およびエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド誘導体などを中心に高機能・高付加価値製品の開発を進めております。トイレタリー関連では、主力のアミノ酸系界面活性剤のほか、抗シワ効果などが期待できるセラミド類似構造含有ポリマーの市場展開を進めております。また、電子情報関連では金属セラミックス材料用のバインダーポリマーやトナー用の高機能ワックスの開発を進めております。

有機過酸化物・機能性ポリマーおよび石油化学品では、自動車の内装用樹脂材料の摺動性改良剤や異音防止剤のほか、自動車部材用などのシール材に最適な各種エラストマー素材や各種ランプユニットに最適な耐久性の高い防曇剤の開発を進めております。また、成型加工する樹脂表面に耐汚染性や耐擦傷性などの機能を付与できる添加剤の開発も進めております。

特殊防錆処理剤は、自動車部品向けに処理皮膜に傷が付いても耐食性が良好な水系亜鉛フレーク処理剤を開発し、市場展開を進めております。また、自動車部品に続く重点分野として建築・インフラ分野を位置づけ、市場の開拓を進めております。

当セグメントに係る研究開発費は2,772百万円であります。

(2)ライフサイエンス事業

食用加工油脂は、製菓・製パン向けに風味を高める製品の開発や、焼菓子に混合する具材の分散性を高める製品の開発を行いました。また、機能食品では、健康食品向け素材の新たな機能探索などの開発を進めております。

生体適合性素材では、アイケア、生化学、医薬・医療機器関連などの分野に向けたMPCポリマーや新規素材の開発を進めております。

DDS(ドラッグ・デリバリー・システム:薬物送達システム)医薬用製剤原料は、国内外の研究機関と共同で低分子医薬品やタンパク質医薬品のDDS用脂質、活性化PEGの開発を進めております。また、新規開発品として、抗体医薬品や核酸医薬品用に単分散PEG、核酸送達用脂質の開発も進めております。

当セグメントに係る研究開発費は1,494百万円であります。

(3)化薬事業

産業用爆薬類では、コスト低減と安全性の向上を目的に需要家のニーズに応えられる高性能含水爆薬や無線電子雷管、および爆薬装填システムの研究開発を行っております。また、非火薬破砕剤の用途開発も進めております。

宇宙用推進薬では、H3ロケット用推進薬の研究開発を進めております。

防衛用発射薬・推進薬は、国の研究開発計画に基づき新しい製品設計や製造技術の確立に向けて取り組んでおります。

当セグメントに係る研究開発費は1,355百万円であります。

(4)コーポレート研究

先端技術研究所で次世代の素材や技術の研究に取り組むとともに、新設した新規事業開発室とナノ医療イノベーションセンターに研究拠点をおいて、ライフ・ヘルスケア分野の先端医療、再生医療関連で産官学連携でのオープンイノベーションを推進しております。さらに、電子・情報と環境・エネルギー分野では、バイオ化学品と熱制御素材の「産学委託研究公募」を実施し、新技術の導入と次世代の製品群の創出を進めております。

コーポレート研究に係る研究開発費は485百万円であり、各事業セグメントに配分していない全社費用に含まれております。

 

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