業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化するなか、ワクチン接種の進展に伴う経済の段階的再開により持ち直しの動きが見られましたが、新たな変異株の出現のため、景気の下振れリスクが懸念され、先行き不透明な状況で推移いたしました。

当油脂加工業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の世界的流行に伴う油脂原料の需給逼迫とバイオ燃料向けの需要増加の影響等により、油脂原料価格の上昇が止まらず、非常に厳しい経営環境で推移いたしました。

このような状況のなかで当社グループは、「中期経営計画(2019~2021年)」の最終年度として、「世の中にないものを創出します」、「既存市場へ新たに参入します」、「さらに拡売します」の3つの領域を掲げ、既存製品の更なる品質向上や、市場のニーズに対応した高付加価値製品の開発を進める一方、マーケティング活動を強化し、生産ロスの削減や環境に配慮した製品を展開するなど、持続可能な開発目標に向けた取り組みに注力しました。

また、油脂原料をはじめとする原材料価格の急激な上昇に対応するため、製品価格の改定を複数回実施しつつ、製品の安定供給に努めました。さらにコロナ禍による営業活動の制約に対しては、オンラインの商談やWEBを利用した販売手法を取り入れ、製品の拡販に努めました。

この結果、売上高は47,476百万円(前連結会計年度比10.2%増)となりましたが、利益面では、販売価格の改定が原材料価格の上昇スピードに追い付かず、営業利益は698百万円(前連結会計年度比38.0%減)、経常利益は984百万円(前連結会計年度比32.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は677百万円(前連結会計年度比33.4%減)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。
 

≪食品事業≫

食品事業につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で外食産業および土産菓子業界の需要は低迷しておりましたが、緊急事態宣言が解除された秋口より回復傾向で推移しました。また、巣ごもり需要をはじめ新たな消費動向が下支えとなり、主要需要先である製パン業界に回復の兆しが見られたことで、主力製品であるマーガリンやショートニングは堅調に推移しました。

このような状況のなか当社グループは、既存製品の拡販に加えて、新たな時代のニーズに応えるために、プラントベース(植物由来)食品市場に向けた製品「botanova」や、賞味期限の延長に寄与しフードロスの削減につながる製品「SDFOODs」を、展示会への出展やニュースサイトによる情報発信を通じてアピールし、新規市場や新規顧客の開拓に努めました。

一方、生産面では、「AIB国際検査統合基準」への対応の強化や、食品安全システムに関する国際認証規格「FSSC22000」に則った食の安全・安心への対応に取り組むとともに、生産ラインの統合や省エネルギー効率化システムの導入を行い、生産体制の効率化を推し進めました。

その結果、売上高は31,771百万円(前連結会計年度比9.1%増)、営業利益は153百万円(前連結会計年度比3.4%減)となりました。

 

≪油化事業≫

工業用油脂製品につきましては、世界的に経済活動の回復が進むなか、各国への輸出に主導された、家電、自動車、化粧品等への需要が回復したため、主要需要先である合成樹脂、界面活性剤、塗料、ゴム等の業界への脂肪酸およびグリセリンの販売が堅調に推移しました。

界面活性剤製品につきましては、香粧品分野の高機能シャンプー向け原料基剤「アンホレックス」や洗顔用クレンジング製品向けの原料基剤「Mファインオイル」は好調に推移しましたが、紙・パルプ分野の家庭紙用薬剤は、コロナ禍でマスク着用が常態化したことにより需要が低迷しました。また、環境関連分野の飛灰用重金属処理剤は、事業系廃棄物の減少により低調に推移しました。

その結果、売上高は15,182百万円(前年同期比11.1%増)となりましたが、営業利益は、原料価格の高騰により販売価格の是正に努めましたが、495百万円(前年同期比46.7%減)となりました。

 

また、当連結会計年度における財政状態の状況は次のとおりであります。

(資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べ2,978百万円増の25,504百万円となりました。固定資産は、前連結会計年度末に比べ457百万円増の27,118百万円となりました。

この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ3,436百万円増の52,623百万円となりました。

(負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べ2,881百万円増の18,743百万円となりました。固定負債は、前連結会計年度末に比べ515百万円減の8,588百万円となりました。

この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,366百万円増の27,331百万円となりました。

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べ1,070百万円増の25,291百万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ673百万円増加し、5,532百万円となりました。

当連結会計年度における活動ごとのキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動によって得られた資金は3,346百万円(前連結会計年度は2,390百万円)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益954百万円に、減価償却費の加算1,682百万円、仕入債務の増加3,190百万円等による資金の増加があった一方、売上債権の増加2,152百万円、たな卸資産の増加262百万円、法人税等の支払145百万円等による資金の減少があったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果、1,436百万円の資金の減少(前連結会計年度は2,500百万円の資金の減少)となりました。これは、主に有形固定資産の取得2,209百万円、無形固定資産の取得106百万円等による資金の減少があった一方、投資有価証券の売却による収入964百万円等による資金の増加があったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果、1,236百万円の資金の減少(前連結会計年度は1,257百万円の資金の減少)となりました。これは、主に長期借入金の返済による支出722百万円、配当金の支払412百万円等による資金の減少があったことによるものです。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 1) 生産実績

(イ)生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

食品事業

22,069

+14.5

油化事業

8,796

+7.4

合計

30,865

+12.4

 

(注) 1 金額は、製造原価によっております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3 上記金額には、中間製造工程の自家消費分は含まれておりません。

 

(ロ)仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

食品事業

5,093

+4.0

油化事業

4,153

+46.0

合計

9,247

+19.4

 

(注) 1 金額は、仕入価格によっております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 2) 受注状況

当社グループは、原則として受注生産を行っておりません。

 

 3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

食品事業

31,771

+9.1

油化事業

15,182

+11.1

その他

523

+75.1

合計

47,476

+10.2

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 その他は、不動産賃貸、原料油脂等であります。

3 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

ニッシントーア・岩尾㈱

4,757

11.0

4,968

10.5

 

 

 

 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ3,436百万円増の52,623百万円となりました。主な増加は受取手形及び売掛金1,437百万円、電子記録債権715百万円、現金及び預金673百万円、土地665百万円、退職給付に係る資産543百万円であり、主な減少は建設仮勘定586百万円、投資有価証券235百万円であります。

(負債)

負債は、前連結会計年度末に比べ2,366百万円増の27,331百万円となりました。主な増加は支払手形及び買掛金3,158百万円、繰延税金負債393百万円であり、主な減少は借入金722百万円であります。

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べ1,070百万円増の25,291百万円となりました。主な増加はその他有価証券評価差額金467百万円、退職給付に係る調整累計額352百万円、利益剰余金265百万円であります。
  当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の49.2%から48.0%に減少しました。また、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の2,366円38銭から2,475円04銭に増加しました。

 

2)経営成績の分析

(売上高、売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)

売上高は、前連結会計年度比10.2%増の47,476百万円となりました。

食品事業の売上高は、前連結会計年度比9.1%増の31,771百万円となりました。

食品事業においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で外食産業および土産菓子業界の需要が低迷しておりましたが、緊急事態宣言が解除された秋口より回復傾向で推移し、また、主要需要先である製パン業界に回復の兆しが見られたことで、主力製品であるマーガリンやショートニングが堅調に推移しました。

油化事業の売上高は、前連結会計年度比11.1%増の15,182百万円となりました。

工業用油脂製品においては、世界的に経済活動の回復が進むなか、輸出に主導された、家電、自動車、化粧品等への需要が回復したため、主要需要先である合成樹脂、界面活性剤、塗料、ゴム等の業界への脂肪酸およびグリセリンの販売が堅調に推移しました。

界面活性剤製品においては、高機能シャンプー向け原料基剤「アンホレックス」や洗顔用クレンジング製品向けの原料基剤「Mファインオイル」は好調に推移しましたが、家庭紙用薬剤は、コロナ禍でマスク着用が常態化したことにより需要が低迷しました。

環境関連分野においては飛灰用重金属処理剤が、事業系廃棄物の減少により低調に推移しました。

売上原価は、前連結会計年度に比べ4,691百万円増加し、40,322百万円となり、原価率は、前連結会計年度比2.2ポイント増加し、84.9%となりました。これは主に油脂原料相場の高騰が継続したことによるものです。

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比2.1%増の6,456百万円となりました。売上原価、販売費及び一般管理費に含まれている研究開発費は、前連結会計年度比1.9%減の1,370百万円となりました。

この結果、営業利益は、前連結会計年度比38.0%減の698百万円となりました。

なお、研究開発活動の詳細については、「第2 事業の状況 5 研究開発活動」に記載しております。

 

(営業外損益、経常利益)

営業外損益は、前連結会計年度の320百万円の収益(純額)から、285百万円の収益(純額)になりました。

この結果、経常利益は、前連結会計年度比32.0%減の984百万円となりました。

(特別損益、税金等調整前当期純利益)

特別損益は、前連結会計年度の90百万円の損失(純額)から、30百万円の損失(純額)になりました。これは、前連結会計年度の有形固定資産除却損90百万円計上、当連結会計年度の投資有価証券売却益29百万円、有形固定資産除却損59百万円計上によるものです。

この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比29.6%減の954百万円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比33.4%減の677百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の99円61銭から66円35銭となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、油脂原料等の原材料購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、生産設備の更新を中心とした設備投資等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は9,252百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,532百万円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産および負債または損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

また、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。

なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

④ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、株主資本の効率的運用による投資効率の高い経営を図るため、自己資本利益率(ROE)5.0%以上を目標経営指標としております。

当連結会計年度におけるROEは、前連結会計年度に比べ1.5ポイント減少し、2.7%となりました。

これは、新型コロナウイルス感染症まん延に伴う外出自粛要請の影響による巣ごもり需要で、食料品や衛生用品等の需要は堅調に推移しましたが、外食産業関連のサービス消費の需要が低迷し、更に油脂原料相場の高騰が継続しました。このような状況のなか当社グループは、販売価格の改定により利益の確保に努めるとともに、生産体制の効率化等のコスト削減を強力に推進しましたが、原材料価格の高騰による影響を吸収することができず、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益が減少したことによるものです。

 

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