研究開発活動

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、食品から地球環境関連製品に至るまで、多方面にわたる産業のニーズに応えるため、新素材開発の基礎研究と商品化に向けた応用研究を積極的に展開しております。研究開発体制は、食品事業では、新技術に繋がるシーズの探索、中長期的な新技術開発テーマに取り組む食品油脂研究所とマーガリン、粉末油脂、ホイップクリーム等の新技術開発および製品開発に取り組む技術開発部門、市場のニーズに即応した製品開発、提案活動を行うソフト開発部門の3部門で構成されております。また、油化事業では、界面活性剤、環境産業、新規開発関連用途別の技術部から構成されております。

なお、当連結会計年度に研究開発に要した費用総額は、1,370百万円であります。

セグメントの研究開発活動は、次のとおりであります。

 

食品事業では、「美味しさ・健康・安全・安心・環境・機能・簡便」をキーワードとして、マーガリン、ショートニング、ホイップクリーム、粉末油脂などの食用加工油脂を主体としてお客様に役立つ製品開発、新製品の投入、用途開発、プレゼンテーション、展示会、講習会などの技術活動の推進をしております。さらに油脂製品開発における基盤技術の構築と新技術の研究から学会発表や論文投稿、特許出願等を積極的に進めております。

当連結会計年度におきましては、中期経営計画(2019~2021年)の最終年度として、これからの時代のおいしさ、健康、食生活の変化に貢献する製品の研究開発に注力しました。

SDGsへの取り組みのひとつとして、おいしさを長持ちさせる機能を持った製品群をSDFOODsと名付け、展示会等を活用して積極的に提案活動をおこないました。パンや菓子などのおいしく食べられる期間を延長することで、食品ロスの削減に貢献できる製品として評価をいただきました。この分野の新製品として、ケーキなど焼き菓子のソフトでしとりのある食感を長期間維持できる製品「パールインプラス」を発売しました。市場にて高い評価をいただき、菓子メーカーにてご採用いただきました。

また、プラントベース食品の市場拡大に対応していくため、2020年に発売した「植物のおいしさバター風味」、「植物のおいしさラード風味」に加えて、新たに「植物のおいしさ牛脂風味」を発売しました。牛肉の調理感を表現した油脂素材として、やや物足りない風味となりがちな植物肉にコクとうまみを付与する製品として高い評価をいただきました。粉末油脂事業にも注力し、製菓製パン市場のほか、飲料や食品市場に向けた新製品開発と提案活動に取り組み成果を上げました。

当セグメントに係る研究開発費は835百万円であります。

 

油化事業では、紙パルプ用薬剤、香・化粧品基剤などの各種界面活性剤、工業用エステル基剤のほか、重金属処理剤や生分解性樹脂分散体などの環境関連製品の開発を進めるとともに、新規事業創出に向けた研究開発を推進しております。

界面活性剤関連では、香・化粧品基剤のクレンジング基剤「Mファインオイル」、ボディ、シャンプー用基材「アンホレックス」、紙パルプ分野の家庭紙用柔軟剤が、国内外の市場で高い評価を獲得しました。同時に工業用エステル「Mファインエステル」、土壌改質・機能付与剤「土のオアシス」、不織布用親水化剤「ソフトオイル」の開発にも注力しました。環境関連薬剤関連では、廃水処理剤「エポラス」、「エポフロック」の改良開発や植物由来生分解性樹脂の水系分散体「ランディ」の応用開発を進めました。

また、新規事業の創出に向けた取り組みでは、高機能紫外線吸収剤「MYUA」、イオン液体「MYIL」、機能性界面活性剤の商品開発・用途開拓に注力し、一部採用されるなど、成果を上げました。

当セグメントに係る研究開発費は534百万円であります。

 

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