業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における世界経済は、欧米各国を中心に新型コロナウイルス感染症対策としての行動制限が緩和されるなど、経済活動再開の動きが見られました。他方、世界的な物価上昇が続き、さらにはウクライナ情勢が急激に悪化するなど、依然として先行きが不透明な状況にあります。わが国経済においては、感染力の強い変異株の猛威により限定的な経済活動を強いられるなど、厳しい状況にありました。

 当社グループを取り巻く環境においては、原油・油脂相場の高騰が続いた結果、取扱製品の大部分について原料価格が上昇しました。また、世界的な物流停滞により、輸出・輸入ともに苦戦を強いられました。

 

 このような環境のなか、当社グループにおきましては、製品の供給責任を果たすべく、感染予防対策を徹底した上で事業活動の維持に努めました。業績面においては、収益性の高い製品の一時的な需要拡大や、厳しい事業環境に対応するためコスト削減に注力した結果、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた前連結会計年度に比べ回復いたしました。また、当連結会計年度よりスタートした中期経営計画に基づき、モビリティや電子材料向け樹脂原料などの高付加価値製品の拡販を進めたほか、バイオマス由来製品のラインアップを拡充するなど、環境課題の解決に資する事業を推進しました。

 この結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は、323億5千8百万円(前期比32.4%増)とな

り、損益面では営業利益12億2百万円(前期比317.7%増)、経常利益15億8千9百万円(前期比125.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8億1千1百万円(前期比61.7%増)となりました。

 

 主要製品の概況は次のとおりであります。

 生活産業関連向け製品においては、食品・医薬品向け添加剤及び日用品向けの結晶核剤が堅調に推移したものの、原料の調達難に見舞われたトイレタリー・繊維油剤原料向けアルコール・脂肪酸の販売が低迷しました。しかしながら、原料価格高騰に伴う製品価格の見直しなどの対応を行った結果、売上高は前年を上回りました。

 床材や電線被覆材などの建材向け原料である可塑剤製品は、物流の混乱や海外市況の高騰により、海外競合品の流入が減少した結果、国内顧客への販売が堅調に推移しました。さらに、原料価格の高騰を受けた製品価格の見直しを行ったことから、売上高は前年を上回りました。

 自動車産業向け製品においては、タイヤ向け脂肪酸及び自動車塗料向けの樹脂原料が堅調に推移し、売上高は前年を上回りました。

 

 当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度末に比べ41億9千9百万円増加し400億8千6百万円となりました。負債合計は、前連結会計年度末に比べ34億1千5百万円増加し230億8千6百万円となりました。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ7億8千3百万円増加し169億9千9百万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比

べ、3億4千万円増加し、33億2千9百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、資金は10億7千8百万円増加(前期は12億5千3百万円増加)しました。これは主に、税金等調整前当期純利益9億3千万円売上債権の増加28億8千7百万円及び仕入債務の増加30億3千8百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、資金は16億2百万円減少(前期は17億7百万円減少)しました。これは主に、有形固定資産の取得による支出17億8千3百万円投資有価証券の取得による支出1億5千1百万円及び投資有価証券の売却による収入3億7千5百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、資金は8億6千1百万円増加(前期は5億1千9百万円増加)しました。これは主に、短期借入金の純減5億6千万円及び長期借入金の純増15億5千2百万円、配当金の支払額1億1千1百万円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績を示すと、次のとおりであります。

生産量(トン)

前年同期比(%)

99,930

119.2

 

2)受注状況

 当社グループ(当社及び連結子会社)は、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。

販売高(百万円)

前年同期比(%)

32,358

132.4

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりでありま

す。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度の売上高は、前期比32.4%増金額で79億2千万円増加の323億5千8百万円となりました。これは主に、原料価格高騰を受けた製品価格の見直しやモビリティ、電子材料向け樹脂原料などの高付加価値製品の拡販によるものであります。

 営業利益は、前期比317.7%増、金額で9億1千4百万円増加の12億2百万円となりました。これは主に、収

益性の高い製品の一時的な需要拡大や厳しい事業環境に対応するためのコスト削減によるものであります。

 受取配当金、持分法による投資利益等の営業外損益を加えた経常利益は前期比125.1%増、金額で8億8千3百万円増加の15億8千9百万円となり、減損損失等の特別損失や法人税等を計上した結果、親会社株主に帰属す

る当期純利益は前期比61.7%増、金額で3億9百万円増加の8億1千1百万円となりました。

 当連結会計年度末の総資産は前期末比11.7%増、金額で41億9千9百万円増加の400億8千6百万円となりま

した。

 流動資産につきましては、受取手形及び売掛金が増加した影響などにより前期末比29.7%増、金額で48億7千9百万円増加の213億2千9百万円となりました。固定資産につきましては、投資有価証券の売却などにより前

期末比3.5%減、金額で6億8千万円減少の187億5千7百万円となりました。

 流動負債につきましては、支払手形及び買掛金が増加したことなどにより前期末比16.7%増、金額で19億3千6百万円増加の135億4千9百万円となりました。固定負債につきましては、長期借入金が増加したことなどに

より前期末比18.4%増、金額で14億7千9百万円増加の95億3千6百万円となりました。

 純資産につきましては、利益剰余金が増加したことなどにより前期末比4.8%増、金額で7億8千3百万円増

加の169億9千9百万円となりました。

 この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は39.8%となりました。

 

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、2「事業等のリスク」をご参照ください。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、「(1)②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、運転資金及び設備資金を内部資金又は借入により資金調達することとしております。このうち、借入金による資金調達につきましては、運転資金については短期借入金で、設備資金などの長期資金は、固定金利の長期借入金で調達しております。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は99億6千2百万円となっております。

 また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は33億2千9百万円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、重要な会計方針及び見積りとは、会社の財政状態や経営成績に重要な影響を及ぼす会計方針及び会計上の見積りであり、かつ本質的に不確実な事柄に関する経営者の重要

な、或いは主観的な判断を要するものであります。

 連結財務諸表の作成にあたっては、経営者の判断の下、一定の前提条件に基づく見積りが必要となる場合がありますが、この前提条件の置き方などにより、連結貸借対照表上の資産及び負債、連結損益計算書上の収益及び費用などに重要な影響を及ぼすことがあります。

 そのうち特に重要なものと考えているのは棚卸資産の評価であります。

 なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについては、「5 経理の状況 注記事項(追加情報)」をご参照ください。

 

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