業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当社グループは、「世の中の課題を技術で解決する」という経営理念のもと、自社設計のオリジナルサーバーを基軸としたデータ配信と、そのデータを適切に蓄積・分析・処理するAIソリューションを併せてワンストップで提供するサーバープラットフォームビジネスを展開しております。その中で培ったサーバーインフラ技術、データ処理技術及びコンテンツ処理技術等を強みとして、事業規模を拡大してまいりました。

当社グループの事業領域である情報通信産業は、総務省発行の「令和4年版情報通信白書」によると、2020年時点で名目GDP51.0兆円となっており、全産業の9.6%を占めております。

当社グループが注力する電子書籍市場につきまして、2021年度の市場規模は5,510億円と推計され、2020年度の4,821億円から689億円(14.3%)増加しております。2021年度以降の日本の電子出版市場は今後も拡大基調で、2026年度には8,000億円程度になると予測されております(インプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告2022」)。

このような経営環境の中、当社グループは、当連結会計年度では既存事業の拡大及び新規事業への投資に注力してまいりました。

この結果、当連結会計年度の業績は、売上高2,275,923千円(前年同期比139.2%)、営業利益117,717千円(前年同期比52.2%)、経常利益86,533千円(前年同期比39.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益33,848千円(前年同期比21.5%)となりました。

なお、当社グループはインターネットサービス事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。サービス別の状況は、次のとおりであります。

 

(リカーリングサービス)

「リカーリングサービス」は、レベニューシェア収益及び月額固定収益(サブスクリプション)で構成されております。

当連結会計年度においては、グループで取り扱うマンガコンテンツの拡充や新規案件のリリース等により収益力拡大に努めました。マンガサービスにおいては、当社を通じてグループから配信するコンテンツ数が増加した一方で、競合他社との競争の激化やコロナ禍の特需の落ち着き等が売上高に影響を与えていると認識しております。

またリベラルマーケティング株式会社を前第2四半期連結会計期間から、株式会社コンパスを第3四半期連結会計期間から、損益計算書を連結しております。

この結果、リカーリングサービスの売上高は1,900,112千円(前年同期比131.1%)となりました。

 

(初期開発・保守開発サービス)

「初期開発・保守開発サービス」は、リカーリングサービス案件獲得のための受託開発を提供するサービスです。取引先の新規サービス立ち上げ時、既存サーバーからの乗り換え時に、当社グループがその後のサービス保守 運用も見据えたサーバープラットフォームやアプリケーション等をワンストップで提供します。

当連結会計年度においては、持続的な成長に必要不可欠となってくるリカーリングサービス案件の獲得に努めており、PIVOT株式会社と共同開発を行った、経済コンテンツ・アプリ「PIVOT」を含む複数のサービスを開発いたしました。

また、前期以前は検収時に収益認識していた仕掛案件が、当期より適用開始の「収益認識に関する会計基準」により履行義務の充足に係る進捗度に基づき収益認識することとなった結果、初期開発・保守開発サービスの売上高は375,810千円(前年同期比203.2%)となりました。

 

財政状態については次のとおりであります。

(資産)

 当連結会計年度末における資産合計は2,860,423千円となり、前連結会計年度末と比較して238,045千円の増加となりました。

 その主な要因は、売掛金の増加141,660千円によるものであります。

(負債)

 当連結会計年度末における負債合計は729,665千円となり、前連結会計年度末と比較して291,443千円の増加となりました。

 その主な要因は、未払費用の増加165,656千円によるものであります。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は2,130,758千円となり、前連結会計年度末と比較して53,398千円の減少となりました。

 その主な要因は、子会社株式の追加取得に伴う資本剰余金の減少112,906千円によるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は923,961千円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は74,055千円となりました。その主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上48,424千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は104,560千円となりました。その主な要因は、投資有価証券の取得による支出58,306千円及び有形固定資産取得による支出30,283千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果支出した資金は139,659千円となりました。その主な要因は、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出140,000千円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。なお、当社グループはインターネットサービス事業の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。

サービスの名称

当連結会計年度

(自 2021年8月1日

至 2022年7月31日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

初期開発・保守開発サービス

446,948

207.13

154,668

164.93

 (注)リカーリングサービス及びその他サービスで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループはインターネットサービス事業の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。

サービスの名称

当連結会計年度

(自 2021年8月1日

至 2022年7月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

リカーリングサービス

1,900,112

131.1%

初期開発・保守開発サービス

375,810

203.2%

合計

2,275,923

139.2%

 (注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年8月1日

至 2021年7月31日)

当連結会計年度

(自 2021年8月1日

至 2022年7月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社小学館

430,803

26.4

359,304

15.8

and factory株式会社

314,440

19.2

286,079

12.6

株式会社集英社

183,250

11.2

197,670

8.7

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。

 この連結財務諸表の作成にあたって、見積り、判断並びに仮定を用いることが必要となりますが、これらは期末日における資産・負債の金額、開示期間の収益・費用の金額及び開示情報に影響を与えます。ただし、これらの見積り、判断並びに仮定は、実際の結果とは異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針及び重要な見積りは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。また経営成績等に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に含めて記載しております。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。

 当社グループの資金需要は、事業規模の拡大に係る人件費、その採用費、広告宣伝費及び主にサーバー購入に係る設備投資資金等の運転資金並びにM&A等の戦略的投資資金となります。財政状態等を勘案しながら、自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等による資金調達を考えております。

 流動資産と流動負債のバランスを注視し、財政状態の健全性を評価しており、当連結会計年度末時点で健全な財務体制であると判断しております。なお、資金の短期流動性確保のため、金融機関と合計800,000千円の当座貸越契約を締結しております。

 

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