課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、「世の中の課題を技術で解決する」という経営理念のもと、自社設計のオリジナルサーバーを基軸としたデータ配信と、そのデータを適切に蓄積・分析・処理するAIソリューションを併せてワンストップで提供するサーバープラットフォームビジネスを展開しております。

 

(2)経営戦略等

今後、5Gの商用サービスの開始により、あらゆるモノがインターネットを通じてつながるIoT時代、大容量データの配信が容易になる時代の到来が予想され、移動通信システムのトラヒック量は更に飛躍的に増加していくものと予測しております。そのような状況下において、当社の強みである大量のデータを高速かつ安価に捌けることの優位性も比例して高まっていくと考えております。

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出所)総務省「我が国の移動通信トラヒックの現状」より作成

 

このような環境の中、マンガサービスにおいては、日本国内向け配信サービスを継続して成長させるとともに、Comikey Media社と連携しながら海外向け配信サービスを開拓してまいります。またこれまで多様なコンテンツを取り扱うことで蓄積したノウハウやコンテンツホルダーとの関係性を、自社コンテンツの獲得やNFTサービスにも活用したいと考えております。

このように既存事業の収益力向上に努めるとともに、汎用的に応用可能な技術を活用し、マンガに限らず多様なコンテンツを配信する新規サービスにも取り組むことで、収益力の基盤を固めつつ、新たな収益力の基盤を構築し、企業価値の向上に努めてまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは持続的な成長を通じた企業価値の向上を目指しており、売上高を重要な経営指標と位置付け、収益力の向上に邁進してまいります。

 

(4)当社グループの経営成績に影響を与える経営環境

 当社グループの事業領域である情報通信産業は、総務省発行の「令和4年版情報通信白書」によると、2020年時点で名目GDP51.0兆円となっており、全産業の9.6%を占めております。

 当社グループが注力する電子書籍市場につきまして、2021年度の市場規模は5,510億円と推計され、2020年度の4,821億円から689億円(14.3%)増加しております。2021年度以降の日本の電子出版市場は今後も拡大基調で、2026年度には8,000億円程度になると予測されております(インプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告2022」)。

 またインプレス総合研究所の「動画配信ビジネス調査報告書2022」によると、普段よく視聴する映像・動画の種類において無料の動画配信サービスはコロナ禍2年目の2021年度には外出自粛が緩和された時期もあり29.1%と2021年との比較で1.6ポイント減少しました。

 今後5Gの商用サービスの開始により、より動画視聴環境の向上が見込まれ、動画視聴サービスへの需要は高まってくると思われます。また、動画視聴サービス提供時のハードルとなりやすいDRMにつきましても、当社グループが一貫してご提供することにより、サービス開始時のコストの最小化を実現しております。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループでは下記の事項を対処すべき課題として取り組みを進めております。

 

① システム技術の強化

 当社グループのサービスとして、電子認証、大量データ配信に対応したシステムを提供しております。今後、予想される更なる、1人当たりデータ配信量の増加、ユーザー数の増加、IoTデバイス等の新たなデバイスに対応した新しい技術の開発に取り組んでまいります。

 

② 新たなコンテンツホルダーとの契約の実現

 当社グループの主力事業であるコンテンツビジネスにおいて、継続的な成長のためには、今まで取扱いができなかったコンテンツホルダーと契約して、商材としての知名度が高く人気のあるコンテンツを獲得することで、コンテンツを拡充していくことが不可欠であると考えております。したがって、これまでのマンガを中心とした画像配信に加え、今後は教育・動画・音楽等の分野において新たなコンテンツホルダーとの契約の実現を目指してまいります。

 

③ 将来に向けた新規事業・技術力向上について

 当社グループが事業を展開するインターネット業界においては、ボーダレス化の加速や競合企業の台頭など、市場環境や顧客ニーズ、競合他社の状況が常に変化しており、今後も変化の激しい事業環境になることが想定されます。

 このような事業環境においては、将来を見据えた新規事業の創出や技術のキャッチアップは重要な課題であると考えております。

 今後、当社グループの中長期の競争力確保につながる技術力の向上及びノウハウの蓄積を積極的かつ継続的に行うとともに、新規事業開発にも取り組んでまいります。

 

④ 海外事業展開の推進

 当社グループは主に国内で事業展開しておりますが、多くの優良なコンテンツを抱える日本の電子書籍業界においては、ボーダレス化が進みグローバル市場での事業展開が加速していくものと思われます。当社グループとしても日本の電子書籍コンテンツを海外配信するため業務体制を強化し、世界に向けたビジネスを展開していきたいと考えております。

 

⑤ 優秀な人材の確保

 当社グループは、国家資格である情報処理安全確保支援士の試験に合格したエンジニアが多く在籍しているものの、クライアントの更なる拡大を図るためには、引き続き優秀な人材を確保し育成することが重要であると考えております。

 人材獲得競争は今後も厳しい状況が続くと思われますが、当社グループとしましては、優秀な人材を惹きつけられるように、社内教育制度の整備、福利厚生の充実を図っていくとともに、サービスの提供を通じて業界での存在感をさらに高め、会社の魅力を訴求していくことで採用強化につなげたいと考えております。

 

⑥ 知的財産権について

 当社グループは、これまで第三者の知的財産権に関してこれを侵害することのないよう対応してまいりました。しかしながら、当社の事業拡大に伴い、知的財産権の取扱いが増加することから、第三者の知的財産権を侵害することのないよう知的財産権への理解をさらに深め、管理体制の強化に努めてまいります。

 

⑦ 内部管理体制の強化

 当社グループが今後更なる業容拡大を図るためには、各種業務の標準化と効率化の徹底を図ることにより、事業基盤を確立することが重要な課題であると認識しております。そのため、適切かつ効率的な業務運営を遂行するために、従業員に対し業務フローやコンプライアンス等を周知徹底させ、内部管理体制の強化をするとともに、業務の有効性、効率性及び適正性の確保に努めてまいります。

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