課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針、目標とする経営指標と中長期的な会社の経営戦略、経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものになります。

 当社グループは、社是『企業を通じてよりよい社会を建設しよう』のもと、顧客とともに価値ある製品を創出する「グローバルでユニークな優良企業グループ」を目指しています。また、2018年度からは、第10次中期経営計画“New Sanyo for 2027”を定め、「変える。」のスローガンのもと、業績の向上を図るとともに、従業員一人ひとりが自分らしさを大切にしながら誇りと働きがいを感じることができるよう、多様な価値観を尊重する職場環境づくりを進めてまいりました。

 第10次中期経営計画は2020年度末で期間満了となっておりましたが、直前まで株式会社日本触媒との統合検討を実施していたことも踏まえ、次期経営方針の拙速な作成は控えて2021年度1年間をかけて十分に社内議論を進めてまいりました。その議論の過程において、決められた数値目標を達成するための定型業務に励むことよりも、すべての従業員が行動変容を起こし、モチベーション高く活躍することで企業が成長していくという考えに至り、数値目標中心のイメージが強い“中期経営計画”という表現ではなく、中長期の“経営方針”として「WakuWaku Explosion 2030」を策定いたしました。

 Mission、Values及びVisionを当社グループ全員で共有し、一丸となってその実現に取り組んでまいります。

Mission

企業を通じてよりよい社会を建設しよう

Values

・すべてのステークホルダーのワクワク

・環境・社会的価値と経済価値をステークホルダーと共創

・社員一人ひとりが価値の創出に貢献

Vision

全従業員が誇りをもち、働きがいを感じるグローバルでユニークな高収益企業に成長する

<経営環境を踏まえた中長期的な経営戦略、客観的な指標等>

 激変する経営環境の中でも持続的に企業価値を向上していけるよう、当社グループの現在の事業活動を、「新たな成長軌道」、「基盤事業からの展開」、「基盤事業の見直し」の3つに再整理し、それぞれの方針を「化学の枠を超えたイノベーションで環境・社会課題の解決に貢献」、「強みを活かした事業領域の拡大、深耕による成長」、「構造改革の加速と、環境視点での事業転換」として、事業ポートフォリオの再編、強化に取り組んでまいります。その結果として2030年営業利益500億円、ROIC10%を目指してまいります。 

<対処すべき課題と具体策>

 2021年度も引き続き新型コロナウイルス感染症の世界的な流行によって、世界経済の停滞や幅広い産業分野における需要の減少が見られました。2022年度は新型コロナウイルス感染症用のワクチン開発・接種がより一層進み、世界経済の改善が予測されてはおりますが、不確実な状況が今後もしばらくの間続くと想定しています。また、環境・エネルギー問題の深刻化、一部地域における地政学リスクの高まりに起因する急激な原油高及びそれに伴う原料価格の高騰等、当社グループをとりまく経営環境は不透明感を増しています。このような経営環境の中、生産・物流等のコスト削減努力に加え、製品価格への反映等、利益確保のために必要なあらゆる策を講じてまいります。また、将来にわたって当社グループ自身が持続的な成長を遂げるべく、よりよい社会への貢献を通じて、以下の内容に重点を置いて取り組んでまいります。

①2050年CO排出ネットゼロ企業へ

 カーボンニュートラル及びサーキュラーエコノミーへの貢献として、2050年CO2排出ネットゼロ企業を目指すとともに、2030年エコ製品化率50%以上を目指します。また、昨年12月には、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同を表明しました。今後、同提言に基づいた分析を進めるとともに、適切に開示を行ってまいります。

②全ステークホルダーがワクワクする会社に

 当社グループの海外拠点や生産現場、コーポレート機能等、「あらゆる立場の多様な従業員一人ひとりが主役」との考えのもと、全員にスポットライトを当て、生産現場改革、プロフィットを産み出すためのコーポレート機能戦略、DEI(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)、職場改革、DXを活用した企業改革等に関する活動方針を策定しております。また、異業種含め産業界の活性化を目指す新たなマッチングサイト(UQ chem)を創設しており、埋もれた製品・技術を活用した新しい価値の提供にも注力していく予定です。加えて、健康経営の推進、社内複業制度の拡充等を進めており、従業員が安心して働きながら達成感を味わえるような、ワクワクできる会社を目指してまいります。

③透明性のある経営の徹底

 非財務情報の開示・株主との対話の充実をはかるとともに、第三者機関を活用した取締役会の実効性評価等を通じて、透明性ある経営を徹底してまいります。なお、昨年6月、取締役の指名・報酬等に係る手続の公正性・透明性・客観性を強化し、コーポレートガバナンスの充実を図るため、任意の指名・報酬委員会を設置しております。

 当社は「ユニークでグローバルな高収益企業」を目指し、ステークホルダーの皆さまのご理解とご協力をたまわりながら、社是「企業を通じてよりよい社会を建設しよう」の実現に向けて邁進し、その結果としてステークホルダーの皆さまへの還元を充実させてまいります。

 

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