事業等のリスク

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスクの可能性を認識した上で、発生の回避、発生した場合の対応に努める方針です。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性のある全てのリスクを網羅するものではありません。

 

(1) 事業環境に関するリスク

1. インターネット関連市場について

当社グループはインターネット関連サービスを主力事業としており、事業の継続的な拡大発展のためには、更なるインターネット環境の整備、インターネットの利用拡大が必要と考えております。総務省発表の「令和3年版情報通信白書」によれば、2020年末のインターネット利用率は83.4%であり、スマートフォン保有率は69.3%とインターネット利用シーンは変化しながら拡大しております。しかしながら、インターネットの環境整備やその利用に関する新たな規制の導入や技術革新等の要因により、今後のインターネット関連市場が大きな変革を迫られ、当社グループがかかる変革に適時に対応することができなかった場合には、当社グループの提供するサービスが他サービスと比較して魅力や競争力を失うこととなり、結果として、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクシナリオが顕在化する可能性については比較的低いものと考えておりますが、かかるリスクに対応するため、当社グループでは技術革新等に対応できるようなエンジニア人材を中心とした優秀な人材を社内で確保するとともに、市場の動向についての情報収集に努めており、当該リスクが当社グループに実際に大きな影響を及ぼす可能性は限定的と考えられます。

 

2.医療ヘルスケア市場について

当社グループは収益の多くを医療ヘルスケア領域で獲得しております。当領域においては、高齢化等により今後も市場の成長が見込まれますが、何らかの理由により、市場の成長が停滞、あるいは市場が縮小した場合や、市場動向に当社グループが対応できない場合には、当社グループが目標としている売上高の継続的な高成長に悪影響を及ぼし、その結果として当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

各種統計・予測情報によれば、予防医療や健康管理、生活支援サービスの充実、医療・介護技術の進化などの要因により我が国の医療ヘルスケア市場は2030年頃まで急速な拡大が続くことが予想されており、上記のリスクシナリオが顕在化する可能性については中期的には低いものと想定しております。当社グループでは、医療ヘルスケア領域における市場の拡大に合わせて各種サービスのラインナップを充実させていけるよう優秀な人材の確保・組織力の強化に努めておりますが、グローバル市場においても収益源を確保してカントリー・リスクを分散させることができるよう、当社グループのグローバル展開についても中長期的に検討を行ってまいります。

また、2022年度診療報酬改定において政府方針としてオンライン診療の更なる利用促進が推進されておりますが、今後の政策転換その他の理由により、オンライン診療市場の動向が大きく変化した場合には、当社グループの医療プラットフォーム事業におけるオンライン診療サービスの収益性に変化が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、我が国の医療政策がICT技術の活用による効率化を志向している現状においては、政策転換に伴い当該リスクシナリオが顕在化する可能性は比較的低いものと考えられます。当社グループとしては、政策動向に関する情報収集体制を継続的に強化するとともに、政府官公庁に対するオンライン診療の必要性に関する適切な情報提供を通じて、かかるリスクに適切に対応してまいります。

 

3.他社との競合について

当社グループは、医療ヘルスケア領域におけるインターネットサービスの提供を主たる事業領域としておりますが、同様の事業領域における競合企業は多く存在しています。当社グループでは、インターネット業界で活躍してきたエンジニアと臨床現場で活躍してきた医師の双方がサービスの開発に関わる開発体制に加え、約25.5万の顧客事業所数を有する顧客基盤を活かして他社との差別化を図ることで、市場における優位性を構築してまいりました。今後も、当社グループの各サービスの規模拡大と質的な充実を図ることにより、一層の競争力強化を推進していく方針ですが、他の有力企業等による新規参入等の影響により競争が激化した場合には、人材プラットフォーム事業における広告宣伝費・販売促進費の増加や医療プラットフォーム事業における顧客単価の減少等、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクシナリオが顕在化する可能性の程度や時期について具体的に予測することは困難ですが、医療ヘルスケア産業が就業者数ベースで国内最大の産業になっていくことが予測されているため、競争環境が激化した場合においても、市場自体の拡大により事業及び業績への影響は限定的となる可能性もございます。また、 かかるリスクに対応するため、当社グループでは顧客ニーズにあったサービスラインナップの拡充と、オペレーショナル・エクセレンスの追求による組織力の強化に取り組んでまいります。

 

(2) 事業内容に関するリスク

1.人材プラットフォーム事業ジョブメドレーにおける不正行為について

人材プラットフォーム事業ジョブメドレーでは、求職者が求人を出している顧客事業所に入職した時点で当社グループの売上高として成果報酬が計上されるため、顧客である事業所から適切な採用結果の申告を受けることによりサービスが成立しております。当該サービスでは、採用した求職者の職種と雇用形態に応じた成果報酬を事業所から受領しておりますが、成果報酬の支払基準を満たしても事業所が採用の事実を隠ぺいする等の不正行為が一定程度の割合で発生しています。かかる不正行為の発生割合が将来的に増加していくような事象が発生した場合には、人材プラットフォーム事業ジョブメドレーの売上高成長に一定の影響を及ぼす可能性がありますが、現時点での不正行為の発生確率は非常に低いものと考えられ、当社グループの事業及び業績への影響は限定的です。

当社グループでは、このような不正行為に対して、利用規約での禁止やユーザーへの啓発活動を積極的に行うとともに、違反者には違約金支払義務を課す等の対策を実施しておりますが、これに加えて事業所と求職者のデータの突き合せ、勤続支援金制度(注)を活用した求職者による入職報告の促進等を行うことで不正の発生しづらい環境構築に努めております

(注)当社グループは、ジョブメドレーを通じて採用された求職者に対し勤続支援金を進呈しており、その要件のひとつに入職報告があるため、勤続支援金制度には求職者の入職報告を促す効果があると考えております

 

2.人材プラットフォーム事業ジョブメドレーにおける早期退職返金について

人材プラットフォーム事業ジョブメドレーにおいては、求人事業所との間でシステムの利用を開始する前に、利用規約により成果報酬額及び早期退職による返金の取り決めを行っており、入職者が自己都合により早期に退職した場合、成果報酬の一部を返金しております。かかる返金は「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日 企業会計基準委員会)の適用に伴い、2022年12月期連結会計年度より売上高に対するマイナスとして計上することとなります。入職者の早期退職率は今後も一定の水準で推移するものと見込んでおりますが、医療ヘルスケア領域における人材流動性の高まり等の要因により早期退職率が想定より上昇した場合には、当社グループの人材プラットフォーム事業ジョブメドレーにおける売上高が想定どおりに伸長しない等、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3.オンライン診療の医療上の信頼性について

医療プラットフォーム事業では、対面診療が原則であった医療の現場に、オンライン診療という新たな医療体験を提供する点で、医師・患者双方にとって有益な仕組みを提供しています。しかし、万一、CLINICSを利用する医師等が不適切なオンライン診療を行い、医療上何らかの問題が発生した場合、オンライン診療という新たな医療提供方法自体に対する信頼性、適切性に社会からの疑義がもたらされ、オンライン診療の浸透速度が鈍化する可能性があります。そのような事業環境の変化が生じた場合には、当社グループの収益性向上に遅れが生じ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクシナリオが顕在化する可能性については中長期では一定程度の確率で存在するものと考えられ、オンライン診療サービスに対する影響度は相当程度高くなる可能性がございます。当社グループでは、かかるリスクに対応するため、医療プラットフォーム事業のサービスラインナップの多角化(例:電子カルテ、かかりつけ薬局支援システム、クラウド歯科業務支援システムの提供等)に努めるとともに、医療機関により適切なオンライン診療が実施されるための情報提供及び啓発活動等に取り組んでおります。

 

4.医療情報の提供における安全性及び健全性の維持について

当社グループでは、医療プラットフォーム事業の一環として、患者及びその家族に向けた医療情報提供サービスの「MEDLEY」を運営しております。MEDLEYの掲載記事については、当社グループの定めた編集ガイドラインに従っており、当社グループ所属の医師による編集や協力医師による指摘によって、医療情報を適切に提供できる体制構築に努めております。また、医療に関する情報提供は診療行為・治療行為に相当するものではなく、提供情報に基づくユーザーの医療その他に関わる判断・言動について当社グループでは一切の責任を負わない旨を利用規約内で明示しております。しかしながら、ユーザーがこれらの情報に基づき一定の判断をした結果として何らかの不利益を被った場合には、ウェブサイトに対するユーザー等の支持が低下し、又はサイト運営者としての当社グループの何らかの責任が問われ、社会的信頼性の毀損等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

現時点での医療情報提供サービスの利用のされ方、及び当社グループにおけるMEDLEYサービスの売上高が僅少であること等を踏まえると、当社グループとしてはかかるリスクシナリオが当社グループの事業及び業績に大きな影響を及ぼす形で顕在化する可能性は低いと考えておりますが、今後とも医療情報を適切に患者及びその家族に提供する体制を真摯に構築していくことで、かかるリスクに対応してまいります。

 

5.M&A及び業務提携

当社グループは、自社で行う事業開発に加えて、M&A及び他社との業務提携を通じた事業展開を推進しています。M&A及び提携にあたっては、当社グループ戦略との整合性やシナジーを勘案して対象企業の選定を行い、当該企業の財務内容、契約関係、事業の状況等についてデューデリジェンスを実施した上で、取締役会において細心の注意を払って判断を行っております。しかしながら、これらのM&Aや提携が期待通りの効果を生まず戦略目的が達成できない場合、投資後に未認識の債務や問題が判明した場合等には、対象企業の株式価値や譲り受けた事業資産の減損処理を行う必要が生じる等、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループが過去に実施したM&Aに伴い、のれん及び無形固定資産を計上しておりますが、今後、これらのグループ企業の収益性が著しく低下し、株式取得時の業績計画が達成できない見込みとなり減損損失の計上が必要となった場合、当社グループの業績及び財務状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクシナリオが顕在化した場合の当社グループの業績及び財務状態への影響度は、各会計期間において計上されるのれん及び無形固定資産の総額を上限としたものとなります。今後、当社グループでは適切なデューデリジェンスの実施及びグループ企業の戦略目的に達成のために適切な人材を配置し組織体制を整備することで、かかるリスクに対応してまいります。

 

6. 提携先との関係及び提携先の業績に係るリスク

当社は、2021年4月に、オンライン診療の適切な普及の加速及びユーザー向け新サービスの展開を目的として株式会社NTTドコモと資本業務提携契約を締結しております。この資本業務提携は、特に当社の医療プラットフォーム事業におけるユーザー数拡大等の観点で事業戦略上重要である一方、当該提携先が事業上の問題に直面した場合、何らかの事由によって戦略を転換した場合、又は双方にとって提携の意義が失われることとなった場合などには、当社との業務提携が解消される、又は提携内容が変更される可能性があります。その結果、同社との提携により見込んだ効果が実現されない場合、当社の業績への好影響が見込めなくなります。現時点において、株式会社NTTドコモとの資本業務提携に基づき、株式会社ミナカラの株式の共同取得やCLINICSの共同運営の開始等が実現しており、協業は順調に推移しております。

 

(3) 事業運営体制に関するリスク

1.人材の確保及び育成について

当社グループが事業拡大を進めていくには、優秀な人材の確保・育成が重要な課題であると認識しております。しかしながら、人材獲得競争の激化等により優秀な人材の確保・育成が計画通りに進まない場合や、既存の優秀な人材の社外流出等が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に相当程度の影響を及ぼす可能性があります。 そのため、当社グループでは、インセンティブプランの強化や継続的な事業拡大を見据えた人事制度の導入の検討、獲得競争が激化しているエンジニアの採用費の投資強化等、優秀な人材を確保し、適切に育成・配置していくための施策を実行し、当該リスクシナリオの顕在化の可能性を低減させることに努めております。

 

2.内部管理体制について

当社グループでは、コンプライアンス及びコーポレート・ガバナンスの徹底を図るための様々な施策を実施しております。また、業務の適正化及び財務報告の信頼性確保のため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。しかしながら、グループ企業の急激な増加や事業の急速な拡大等により、グループ全体での内部管理体制の構築が追い付かないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループがM&Aによる売上高成長を重要な経営課題の一つと捉えている現状を踏まえると、適切な対策を講じない限りはこのようなリスクシナリオが顕在化する可能性が高くなるものと考えられます。企業集団全体での内部統制及び内部管理体制の適切な整備は中長期的な企業価値の維持・向上に不可欠な要素であることから、管理部門における優秀な人材確保に積極的に取り組むことで、当該リスクシナリオの顕在化の可能性を低減させることに努めております。

 

(4) システム等に関するリスク

1.システム障害について

当社グループは顧客事業所及びユーザーに対してシステム提供を行うことが各事業の中心的な役務内容となっていることから、当社グループが運営するサービスにおいて大規模なシステムトラブルの発生は、当社グループの事業及び業績に大きな影響を与える可能性のあるリスクとなっています。そのため当社グループでは、運営サービスにおけるシステムトラブルの発生可能性を低減するために、安定的運用のためのシステム強化、セキュリティ強化を徹底しており、万が一トラブルが発生した場合においても短時間で復旧できるような体制を整えております。

また、当社グループのサービスは、Amazon Web Services, Inc.が提供しているクラウドコンピューティングサービス「AWS」(Amazon Web Services)を主な基盤として運営しています。そのため、AWSの安定的な稼働が当社グループの事業運営上、重要な事項となっております。当社グループではAWSが継続的に稼働しているかを常時監視しており、障害の発生又はその予兆を検知した場合には、当社グループの役職員に連絡が入り、早急に復旧するための体制を整えております。なおAWSは、世界中に点在する複数の地理的リージョン(注1)及びアベイラビリティゾーン(注2)で運用されており、FISC安全対策基準(注3)を満たす安全性を備えております。

しかしながら、大規模なプログラム不良や大規模な自然災害の発生、想定を大幅に上回るアクセスの集中等により開発業務やシステム設備等に重大な被害が発生した場合、その他何らかの理由によりシステム障害等が発生した場合には、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。そのような支障が長期にわたった場合、当社グループの顧客や利用者との信頼関係に悪影響を及ぼし、賠償責任の発生等によって、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(注)1.地理的に独立したサーバーの設置エリアのことをいいます。各リージョン同士は完全に独立しているため1つのリージョンで障害が発生しても他のリージョンには影響が出ない設計となっております。

2.リージョンの中の個々の独立したデータセンターの名称のことをいいます。

3.金融庁が金融機関のシステム管理体制を検査する際に使用する基準のことをいいます。

 

(5) 法務に関するリスク

1.情報セキュリティについて

当社グループは、人材プラットフォーム事業において求職者の求人案件への応募に関連して取得する個人情報、医療プラットフォーム事業において患者がオンライン診療を受診するために入力・提供する個人情報を取得利用しているため、「個人情報の保護に関する法律」(以下「個人情報保護法」という。)が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されております。特に、医療プラットフォーム事業においては個人情報保護法に定めるいわゆる要配慮個人情報を取得することもあり、当社グループではCLINICS、Dentis及びPharmsについてISMS国際認証を取得しており、その他機密情報の外部への不正な流出を防止するため、情報の取扱いに関する社員教育、セキュリティシステムの改善、情報へのアクセス管理等、内部管理体制の強化に積極的に取り組んでおります。

しかしながら、当社グループや委託先の関係者の故意・過失、悪意を持った第三者の攻撃、その他想定外の事態の発生により、これらの情報が流出又は消失する可能性があります。そのような事態が生じた場合、当社グループの社会的信用の失墜、競争力の低下、損害賠償やセキュリティ環境改善のための多額の費用負担等が発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

2.各種規制について

当社グループの主要な事業である人材プラットフォーム事業は、職業安定法が定める募集情報等提供事業として、提供する情報の的確な表示や個人情報の適切な管理等の義務が課されております。今後、人材プラットフォーム事業を適用対象とする新たな法令等の規制や既存法令等の解釈変更がなされた場合には事業運営が制約を受け、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

さらに、医療プラットフォーム事業においては、医師法・薬剤師法・医療法・医薬品、薬機法、健康保険法その他これらに関連する政令・省令・通達、ガイドライン等の解釈適用が重要であるため、何らかの理由によりこれらの内容が変更される場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。これらの法令、政省令等の内容に変更が生じた場合には、当社が顧客医療機関に提供するサービスの内容に追加の変更が必要となる恐れがあり、その場合には、当社サービスにおいて追加のシステム開発費用の発生や顧客医療機関獲得の低迷等、当社グループの業績に影響が発生する可能性がございますが、当社グループはもとより継続的にシステム改善を行っていくことを前提としたSaaS型の事業モデルを採用していることに加え、オンライン診療・オンライン服薬指導システムにおいて国内最大規模の導入実績を有する企業として、医療機関に対して適切な活用方法を促進する活動を展開しているため、その影響は限定的と考えられます。

また、かかるリスクシナリオの顕在化による当社グループへの影響度を低減させるために、政府官公庁との情報連携や政策動向の注視に平時から努めていることから、リスクに対する一定の対応策が取れているものと考えております。なお、当社グループが認識している限りでは、当社グループの医療プラットフォーム事業における法令、政省令等の違反に該当する事実及びそのおそれはありません。

その他、インターネット関連分野においては、現在のところ当社グループの事業継続に著しく重要な影響を及ぼす法的規制はありませんが、「電気通信事業法」、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」等の適用を受けます。近年インターネット関連事業を規制する法令は徐々に整備されてきておりますが、今後、インターネットの利用や関連するサービス及びインターネット広告を含むインターネット関連事業を営む事業者を規制対象とする新たな法令等の規制や既存法令等の解釈変更がなされた場合には事業運営が制約を受け、例えばユーザーに対するマーケティング効率が低下して当社グループのマーケティング費用が増大する等の影響により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

このような、各種規制の改正・変更に伴うリスクが顕在化する可能性については正確な見通しが困難な領域ではありますが、当該リスクが顕在化した場合でも、当社グループの事業及び業績への影響を最小限のものとすべく、法務コンプライアンス部が主導する形で、当社グループが関連する事業領域における法規制の改正・変更に関する情報収集の体制並びに外部専門家からのアドバイスを受けられる体制の整備に努めております。

 

3.訴訟について

当社グループでは、コンプライアンス規程を制定し、役職員に対して当該規程を遵守させることで、法令違反等の発生リスクの低減に努めております。しかしながら、当社グループを構成する企業及びその役職員の法令違反等の有無に関わらず、ユーザーや取引先、第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、訴訟に発展する可能性があります。また、知的財産についても訴訟発生リスクが存在します。当社グループに対して訴訟が提起された場合には、その訴訟の内容及び結果によっては、多大な訴訟対応費用や企業ブランドイメージの悪化等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) その他のリスク

1.株式価値の希薄化について

当社グループでは、役職員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権等に加え、今後付与される新株予約権等について行使が行われた場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。

なお、当連結会計年度末現在、新株予約権による潜在株式数は926,600株であり、発行済株式総数32,462,500株の2.85%に相当しております。  

 

2.新型コロナウイルス感染症の感染拡大による経済的影響

世界的に流行している新型コロナウイルス感染症(以下「COVID-19」という。)の感染拡大状況は依然として予断を許さない状況となっております。

当社では、全社員に対して感染疑いや体調不良時の就業に関する対応方針を周知徹底し、事業活動を継続しつつ感染拡大防止のための措置を講じておりますが、今後もCOVID-19が収束せずに緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用がなされることによる外出自粛や営業自粛で国内経済の停滞が長期化した場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

2020年4月の緊急事態宣言の発出以降、医療プラットフォーム事業においてオンライン診療の時限的な規制緩和が実施されたことを背景にCLINICSオンライン診療の利用増加は継続しており、また2022年の診療報酬改定によって一層増加することが期待されています。また、人材プラットフォーム事業においては、求職者に対するワクチン接種対応や従事者自身の接種による職場の負担増加等を理由として一部の顧客事業所で見られた採用プロセスの遅延等も解消しております。従って、現時点においては、当社グループの事業展開及び経営成績に重大な影響を及ぼすまでには至っておりませんが、引き続き今後の推移状況を注視するとともに、COVID-19による重大なリスクが観測された場合には、速やかに開示いたします。

なお、当社グループでは、COVID-19の感染拡大の長期化に伴うリスクに対応するため、事業運営体制におけるリモートワーク環境の整備・強化及びオンラインでの社内コミュニケーションの促進に努めるとともに、人材プラットフォーム事業における採用プロセスの遅延等の影響を軽減する措置として、WEB面接機能・動画選考機能の追加開発及び顧客事業所への案内強化等に取り組んでおります。

 

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