事業の内容

3【事業の内容】

 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び子会社27社により構成されております。

 当社グループは、「ヘルスビッグデータ」、「遠隔医療」、「調剤薬局支援」の3つを報告セグメントとしています。各報告セグメントを構成する主な事業及び主な会社は、以下のとおりであります。

 

(1)ヘルスビッグデータ

主な事業

主な会社

インダストリー向け事業

当社、メディカルデータベース株式会社、データインデックス株式会社、エヌエスパートナーズ株式会社

保険者(※1)・生活者向け事業

医療提供者向け事業

 

(2)遠隔医療

主な事業

主な会社

遠隔医療事業

株式会社ドクターネット

 

(3)調剤薬局支援

主な事業

主な会社

調剤薬局支援事業

株式会社ユニケソフトウェアリサーチ

 

 各報告セグメントに含まれる主な事業の内容は、以下のとおりであります。

〈ヘルスビッグデータ〉

① インダストリー向け事業

 当事業は、主に製薬企業や保険会社に対し、当社グループが保有する健康保険組合や医療機関などに由来する匿名加工化された疫学データを提供しております。当社グループが保有するヘルスケアデータは疾病ごとの有病率や罹患率の計算や、治療行為の時系列での追跡等に強みを有しております。そのため、製薬企業においては創薬から市販後調査まで幅広く活用可能であり、保険会社においては新商品開発や支払査定業務の効率化などに活用されております。

 個別の要望事項に対して当該データベースから必要なデータを抽出・分析するサービス「アドホック販売」や、当社のデータベース自体の一部又は全部へのアクセス権を付与する「データベース販売」を主たるサービスとして提供するほか、データベースを用いたコンサルティングやアプリケーション開発を提供することで、サービスの付加価値を向上させております。

 

② 保険者・生活者向け事業

 当事業は、健康保険組合を中心とした保険者に対する保健事業の支援と、その加入者(組合員)に対するPHR(※2)サービスの提供を行っております。

 保健事業の支援では、健康保険組合に対して、紙・画像レセプトを含めたレセプト(※3)データ、健診データ、台帳(※4)データ等をデータベース化すること、及び、そのデータを起点にした保健事業におけるPDCAのための様々な支援サービスを提供しております。これらのサービスにおいて、健康保険組合員の個人情報を扱う部門は、当社の中でも物理的・技術的に厳格に隔離され、また、管理された環境で活動を実施しております。

 PHRサービスでは、当社開発の健康情報プラットフォーム「PepUp」(ペップアップ)を提供しております。「PepUp」では、保険者データから連携された健診結果、医療費通知、調剤履歴を表示する他、当社開発の健康年齢(※5)算出サービス、名医紹介サービス「clintal」(クリンタル)、独自のポイントプログラム、健康に関するコンテンツ等を提供しております。また、ウェアラブル端末と組み合わせて活用することにより利用者の日々の生活習慣の記録と健康管理を行うことが可能となっております。

 

③ 医療提供者向け事業

 当事業は、薬剤DB事業及びその他の医療提供者向け事業に分解されます。薬剤DB事業では、医薬品添付文書をはじめとした医薬品の情報をもとに、当社グループの薬剤師の薬学的見解を加味したデータベースを開発し、医療系システム会社へのデータベースの提供を行うとともに、当該データベースを用いた大規模病院向け部門システムの開発・販売・保守を行っております。その他の医療提供者向け事業では、データを用いた医療機関の経営やオペレーションの改善のためのコンサルティングや診療報酬債権のファクタリングなどを行っております。

 

〈遠隔医療〉

 遠隔医療事業は、CT/MRIなど医用画像の診断依頼を医療機関から遠隔で受け付け、契約読影医による診断レポートを提供する遠隔読影(※6)マッチングサービスを提供しております。

日本の病院及び一般診療所は約11万施設(出所:厚生労働省「医療施設動態調査」2020年10月1日現在概数)存在するのに比して、放射線診断専門医は約6,000名(出所:公益社団法人日本医学放射線学会ホームページの専門医一覧、2020年12月時点)となっており、放射線診断専門医の過重労働や専門医の診断がつかず誤診につながる症例が問題となっております。そのような中、当社グループは遠隔読影のリーディングカンパニーとして国内最大規模の放射線診断専門医プラットフォームを形成しており、サブスペシャリティごとに最適なマッチングを行うことで、高品質な読影レポートをスピーディに提供しております。

 その他に、医療機関と放射線診断専門医をクラウドでつなぎ、遠隔での画像診断を可能とするASPサービスも提供しております。

 

〈調剤薬局支援〉

 調剤薬局支援事業では、調剤薬局向けの業務システム(レセコン(※7)、電子薬歴(※8)など)を提供し、薬剤を処方する薬剤師が必要な情報を適切に患者に提供できる環境「スマートファーマシー」(※9)の構築を目指しております。また、自らも5店舗の調剤薬局を運営しており、オペレーションテストを実施しております。

 

 

 

《用語説明》

※1 保険者

公的医療保険制度の運営主体のことをいう。健康保険の保険者には、健康保険組合のほかに、全国健康保険協会(協会けんぽ)、市町村や都道府県が運営する国民健康保険及び後期高齢者医療制度などが存在する。

※2 PHR

Personal Health Recordの略。生涯型電子カルテとも言われ、複数の医療機関や薬局などに散らばる健康関連の情報を一元的に集約・管理する仕組みをいう。

※3 レセプト

患者が受けた保険診療について、医療機関が保険者に請求する医療報酬の明細書をいう。

※4 台帳

健康保険組合において組合加入者の情報を登録したものをいい、加入者台帳ともいわれる。

※5 健康年齢

健診結果をもとに算出された医療費予測からみた健康状態を年齢に置き換えて示す指標。

※6 遠隔読影

医用画像について、ICTを活用することで検査が行われた施設とは異なる場所から実施する診断をいう。

※7 レセコン

レセプトコンピュータの略。レセプトを作成するコンピュータ若しくはソフトウエアを指す。本書において、特段の記載がない限りは、調剤薬局で使用する医師の処方箋に基づくレセプト処理システムを指す。

※8 電子薬歴

医師から発行された処方箋に基づき、調剤・指導歴を電子化したものをいう。本書において、特段の記載がない限りは、調剤薬局で使用する電子薬歴システムを指す。

※9 スマートファーマシー

保険薬局や薬剤師が、服薬情報の把握や在宅での対応等の薬学的管理・指導などの機能を果たしつつ、セルフメディケーション(自分で自身の健康を管理すること)の拠点としての役割も担う近未来の薬局像として掲げるビジョンをいう。

 

以上を事業系統図によって示すと以下のとおりであります。

 

0101010_002.png

 

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得