事業の内容

3【事業の内容】

(1)事業の概要

 当社グループは、当社及び連結子会社2社、その他の関係会社1社で構成され、通信インフラシェアリング事業を行っております。当社グループは、「日本から、世界最先端のインフラシェアリングを。」という企業ビジョンのもと、従来は携帯キャリア各社単独で行われてきた携帯基地局関連インフラに係る装置、アンテナ、工事、構築物等の設備投資を当社で一本化し、各社へシェアリングする事業を国内外で展開しております。従来は、各社毎に行われていた設備投資を一度で済ませることが可能となるため、対策にかかる設備投資や作業工程を大幅に削減することが可能となり、また、環境負荷の低減にもつながります。

 

(2)事業別の主な内容

 当社グループは、主として国内における大型施設内の携帯インフラのシェアリングを行う事業(以下、「国内IBS事業」とする)、海外における大型施設内の携帯インフラのシェアリングを行う事業(以下、「海外IBS事業」とする)、屋外の鉄塔等の携帯インフラのシェアリングを行う事業(以下、「タワー事業」とする)、それらに関連する付加価値ソリューション事業(以下、「ソリューション事業」とする)を展開しております。なお、これらの事業はいずれも通信インフラシェアリングに関連する事業であり、また、これらを集約することは、当社グループの過去の業績を理解し、将来のキャッシュ・フローの予測を適切に評価するための事業活動の内容及び経営環境についての適切な情報提供につながると判断できるため、当社グループでは通信インフラシェアリング事業を単一の報告セグメントとして、セグメントを分類せずに記載しております。当社グループの事業別の主な内容は以下のとおりです。

(注)IBS:In-Building-Solutionの略

 

①国内IBS事業

 国内IBS事業は、これまで日本において携帯キャリア各社がそれぞれ単独で行ってきた屋内携帯インフラの設備投資を、独自に開発した共用設備により一本化するソリューションを提供する事業となります。当ソリューションは、不動産事業者にとっては設備一本化による設備の簡素化・消費電力の削減・対策負担金の削減・窓口の一本化等、携帯キャリアにとっては、設備投資・運用費用の削減等、携帯電話ユーザーにとっては、屋内携帯電波環境整備による満足度向上等のメリットを提供しています。

 当社は、各携帯キャリアと共用設備利用に係る基本契約を締結し、当社の収入は、当社設備の共用利用に対して携帯キャリアから受領する利用料が主な収入となっております。

 

当社のこれまでの成長

 国内IBS事業は、2014年9月の商用サービス開始以来、導入物件数の増加、Tenancy Ratio(物件当たり平均参画キャリア数)の増加により着実に成長しております。

 

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(注)1.累計導入済み物件:導入物件における電波発射が完了し売上計上を開始している物件

2.新規導入予定物件:不動産事業者の内諾や携帯キャリアからの参画意向を受領し、今後数年以内に電波発射し売上計上することが見込まれている物件

3.Tenancy Ratioは累計導入済み物件における数値

導入物件の種別と導入エリア

 導入物件については、商業施設・オフィスビルを中心に、大手不動産事業者を含む多くの不動産事業者での採用が進み、商業施設・オフィスビル以外にも、病院、大学、高層マンション、ホテル、公共施設、展示場等、幅広い種別の施設で導入が広がってきております。また、エリアについても日本全国の各地方で導入がなされております。

 

5G需要への対応

 当期においては、携帯キャリアの屋内5G対策が本格化し、携帯キャリアの設備投資効率化ニーズが更に高まっております。当該ニーズに応えるため、当社は2021年3月期に開発が完了した5G対応の共用装置を活用し、本格的に5G IBSの導入を行っております。

 

②海外IBS事業

 海外IBS事業として、IBS事業を海外でも展開しており、主な展開国はベトナムとなっております。ベトナムにおいては、2017年7月に同国最大手のIBS事業者Southern Star Telecommunication Equipment Joint Stock Companyを株式取得により連結子会社化し、事業運営を行っております。

 

③タワー事業

 タワー事業は、携帯キャリアが屋外での基地局整備において使用する鉄塔・コンクリート柱・ポール・アンテナ等について、当社が新たに建設するか、もしくは、通信事業者等から既存鉄塔の取得(カーブアウト)を行い、携帯キャリア向けにシェアリングを行う事業となります。2022年3月末時点では、ルーラルエリアにおいては、60本超のタワーの導入を決定し、建設を開始しております。また、アーバンエリアにおいては、東京都の協力事業者として、西新宿エリアにスマートポール22本を建柱しております。さらに、カーブアウトにおいては、西日本電信電話株式会社が保有する通信鉄塔71本、東日本電信電話株式会社が保有する通信鉄塔136本並びに株式会社NTTドコモが保有する通信鉄塔最大6,002本のカーブアウトに係る基本契約を締結しております。

 

④ソリューション事業

 通信インフラシェアリング事業を提供するうえで、更なる付加価値を提供するためのソリューション強化にも努めており、以下のサービスを展開しております。

 

 (a)クラウドWi-Fiソリューション

 国内IBS事業において、不動産事業者への更なる付加価値を提供するためのソリューションとして、不動産事業者に対してクラウドWi-Fiソリューションを提供しております。クラウドWi-Fiソリューションでは、設備数が多く長い構築期間を要する旧来型のコントローラ・監視サーバによるWi-Fiではなく、クラウドマネジメントシステムにより、低コストかつ短納期で導入が可能で、遠隔監視による運用管理が可能なシステムを提供しております。

 

 (b)SITE LOCATORサービス

 当社で開発したシステムである、屋上への基地局設置許可を得た不動産事業者情報を集約するデータベース「SITE LOCATOR」を活用して、屋上の遊休スペースの収益化ニーズを有する不動産事業者と、屋上への基地局設置ニーズを有する携帯キャリアをマッチングするサービスを展開しております。不動産事業者に対しては、効率的・能動的な屋上の有効活用、携帯キャリアに対しては、これまで時間・コストを要していた置局(基地局設置)業務の効率化等のメリットを提供しております。

 

 (c)ローカル5G

 当社は、国内IBS事業で培った経営資源を活かす形で、ローカル5G事業の立ち上げを推進しております。政府や地方自治体が主催する実証実験への参画や実験局免許の取得に加えて、2022年2月には、ローカル5G共用装置の開発を完了し、商用化に向けた取り組みを進めております。

[事業系統図]

(1) 国内IBS事業・海外IBS事業

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(注)¥が付いている矢印は、金銭の流れを示しております。

 

(2) ソリューション事業

 

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(注)1.¥が付いている矢印は、金銭の流れを示しております。

2.SITE LOCATORサービスは、連結業績に与える影響が僅少であるため、事業系統図への記載を省略しております。

 

(3) タワー事業

タワー事業は、連結業績に与える影響が僅少であるため、事業系統図への記載を省略しております。

 

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