有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
ただし、当該事業は、国内外の経済情勢や、顧客企業動向に左右されるうえ、技術進化が著しく、顧客ニーズも多様化していくことから、それらへの対応が遅れた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
主軸事業であるCLOMO事業の販売チャネルとしては、携帯電話販売会社や携帯電話販売代理店を通じての取引が多く、販売先の上位5社による売上が売上高の83.5%(2022年6月期実績)を占めています。これらの会社とは良好な関係を築いておりますが、販売先の予期せぬ販売方針の変更や当社グループが原因となる重大な不具合の発生等により、良好な関係を毀損する事態となった場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの売上高は、すべてCLOMO事業によるものであり、当連結会計年度より投資事業を開始しているものの、売上の計上時期は提出日現在において未定となっております。そのため、CLOMO事業が属するモバイル端末管理市場(MDM市場)の成長が想定通り進まない場合、又は当社グループが事業環境の変化に適切に対応できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。一方で、(4)に記載の通り、当社グループは収益源の多様化のため、新規事業を展開する方針であり、代替となる収益基盤の構築を進めてまいります。
当社グループはCLOMO事業を主軸事業としていますが、収益源の多様化のため、リスクを慎重に検討しつつ、新規事業を展開する方針です。新規事業の開発あるいは収益化が計画通りに進まない場合、減損損失の計上が必要になる等、投資を回収できなくなる可能性があります。また、新規事業の内容によっては、事業固有のリスクが加わる場合があります。これらの新規事業の内容あるいは進捗状況によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
主軸事業であるCLOMO事業においては、携帯電話販売会社や携帯電話販売代理店によるモバイル端末販売と合わせて、顧客企業であるエンドユーザーと契約を行うため、エンドユーザーと携帯電話販売会社や携帯電話販売代理店の関係悪化等の要因により、エンドユーザーが他社の販売するモバイル端末に切り替える場合に、当社グループによる関与が及ばない状態で、契約を解約される可能性があります。予算及び経営計画において、将来の解約を見込んでおりますが、想定を超える解約が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当該リスクの対応策として、主要プラットフォームに向けた機能をそれぞれ強化することで、エンドユーザーがモバイル端末を切り替えた場合においても、製品を継続して利用して頂けるよう対策してまいります。
主軸事業であるCLOMO事業の属するEMM(MDM)の業界において、新規参入や他社との競合により、価格競争が激化し、想定した単価で契約ができない場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループはApple Inc.やGoogle LLC、Microsoft Corporation等といった、いわゆるプラットフォーマーの提供するOSやインフラを利用して、CLOMOサービスを提供しております。これらのプラットフォーマーは自社でもEMM(MDM)サービスを提供していますが、当社グループに対する料金体系や利用上の制約を変更した場合、あるいは当社グループに対するサービス提供を停止した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、業務に関連して多数の顧客企業の情報資産を取り扱っております。当社グループは、情報システム管理規程を策定し、役員及び従業員に対して情報セキュリティに関する教育研修を実施するなど、情報管理の徹底に努めております。また、ファイアウォールだけでなく、統合脅威管理機能を持つシステムも導入し、さらに社外専門家からのチェックを受ける等の施策を実施することにより、情報セキュリティ体制の強化を行っております。
しかしながら、コンピューターウイルスの混入、外部からの不正な手段によるコンピューター内への侵入、従業員の過失による重要データの消去や従業員による不正取得の可能性のほか、何らかの理由により重要な情報資産が外部に漏洩するような場合には、当社グループの社会的信用の失墜、損害賠償責任の発生等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、第三者との間で将来の業績に影響を及ぼすような重大な訴訟やクレームといった問題が発生したという事実はありません。しかしながら、事業活動を展開する中で、知的財産権、環境、労務等、様々な訴訟の対象となるリスクがあり、将来の業績に大きな影響を及ぼすことが危惧される重大な訴訟が提起された場合や訴訟の結果によっては当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、事業活動の遂行に際し、内部統制の充実やコンプライアンスの強化に努めております。
また、当社グループでは、事業展開にあたり知的財産権に関する訴訟を未然に防ぐため、特許事務所を通した知的財産権の特許調査を実施しており、当社グループの技術等が他社の知的財産権に抵触しているという事実は認識しておりません。しかしながら、当社グループの業務に関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当社グループが認識せず他社の知的財産権を侵害してしまう可能性は否定できません。この場合、知的財産権侵害として損害賠償請求等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、Apple Inc.やGoogle LLC、Microsoft Corporation等のクラウドサービスを利用してインターネット上でサービスを提供しております。したがって、自然災害や事故によるインターネット通信網の損傷や予期せぬアクセス急増に伴うサーバーダウンに起因して、当社グループのサービス提供に支障が生じる場合があります。そのような事態となった場合、エンドユーザーへの補償等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの対応策として、分散バックアップデータを元に、早急に障害等から復旧する体制の強化を行ってまいります。
当社グループは、業務の適正性、財務諸表の信頼性確保のため、内部統制システムの適切な運用を行っております。また、内部監査室を設置し、コンプライアンスに関する規程を整備・充実するとともに、従業員への研修など啓蒙活動を継続的に実施し、法令遵守に取り組んでおります。しかしながら、故意あるいは想定し得ない重大なコンプライアンス違反や法令違反があった場合、当社グループの社会的信用が低下し、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、従業員が99名(当連結会計年度末現在)と小規模な組織であり、業務執行体制もこれに応じたものになっております。今後の事業拡大に応じて従業員の育成、人員の採用を行うとともに業務執行体制の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、急激な社員増加に対応しきれない場合や、退職が続出するような場合には、事業計画が想定通り進捗せず、長期的な競争力の低下あるいは機会損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの創業者であり、代表取締役執行役員社長 CEOである佐々木勉は、当社設立以来、経営方針や戦略の立案・実行、システム開発を推進し、当社グループを強いリーダーシップで牽引してきました。当社グループの保有する知的財産権のほとんどは同氏が手がけたものです。当社グループは各部門のリーダーに権限委譲し、安定的な経営体制を構築しておりますが、同氏に不測の事態が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 人材確保について
当社グループは、業容拡大に伴う適切な人材確保が必要であると考えており、主にソフトウェア開発等に高度な技術スキルを有する人材の確保を必要としております。人材を確保するにあたり、全社的にリモートワークへ移行したことで、居住地に囚われない人材採用が可能となりました。また、外国籍のエンジニアを積極的に採用する等、多様性の促進と優秀な人材の採用を進めております。
しかしながら、人材の確保が順調に進まない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、当社役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、当連結会計年度末現在におけるこれらの新株予約権による潜在株式数は101,150株であり、発行済株式総数5,274,850株の1.91%に相当しております。
(15) ベンチャーキャピタル等の株式所有割合について
当社の発行済株式総数に対するベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下「ベンチャーキャピタル等」という。)の当社株式の所有割合は、当連結会計年度末現在9.16%であります。当社株式の株価推移によっては、ベンチャーキャピタル等が所有する株式の全部又は一部を売却する可能性が考えられ、その場合、株式市場における当社株式の需給バランスが短期的に損なわれ、当社株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの対応策として、一般の株主の方向けの決算説明会と機関投資家との継続的な面談など、健全な株価形成のためのIR活動と、中長期的な視点での株主作りを行ってまいります。
当社グループは受託開発ではなく、自社で開発した技術をライセンス提供するというビジネスモデルを展開しており、その根幹を支える研究開発に多くの予算を投入していく予定であります。研究開発は、調査やレポートをもとに、利用者のニーズや競合他社の動向等を予測の上、方針を決定しておりますが、予測が大きく外れた場合や、研究開発に係る方針を転換しなければならない場合には、投下した資金を回収できず、また事業の展開が遅延することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(17) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大について
新型コロナウイルス感染症等疾病の蔓延やその他天災等により、販売先が事業活動を縮小又は休止、あるいはモバイル端末の生産と出荷が縮小される事態が発生した場合は、一時的に当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループにおいては、すべての従業員をリモートワークによる勤務に切り替え、対面営業を原則控える等、安全衛生と業務効率を確保できるよう業務環境を整えることで、新型コロナウイルス感染症の感染拡大への対応を行っております。当社グループでは従来から、より柔軟な働き方を実現するべく、クラウド等を活用した業務環境の整備を進めていたことから、リモートワークに移行したことによる事業環境への影響は軽微であります。
(18) 投資事業について
当社グループは新たな収益源の創出のため、当社グループの事業領域と親和性の高い企業、社会課題解決型企業、当社グループが本社を置く九州の地場で活動している企業を対象に投資を実施しております。投資先の事業の状況によっては、保有有価証券の評価損が発生し、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、投資対象の株式等について取得原価を上回る価額で売却できる保証はなく、期待されたキャピタルゲインが実現しない可能性や投資資金を回収できない可能性があります。
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