文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
当社グループはテクノロジーを活用する人の力を最大化させるコマースプラットフォームであることをミッションに掲げ、「成長志向の国内中堅・中小ECサイト運営企業様の成長を支援すること」と「信頼に基づく安心の環境づくり」を事業内容とし、社会の持続的発展を支えるECインフラの創出を実現させることを経営目標として事業を推進しております。
当連結会計年度における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症オミクロン株の拡大に対して発令されたまん延防止等重点措置が2022年3月をもって全面解除され、今後の経済社会活動の正常化が期待される一方で、2月下旬のロシアのウクライナに侵攻に伴うG7諸国を中心としたロシアに対する経済制裁により原油価格をはじめとする原材料価格の高騰によるインフレの高進などの影響により先行き不透明な状況は続いております。このような事業環境において当社グループのECプラットフォーム事業は、EC事業拡大を目指す事業者にとって、事業開始時からワンストップで必要なサービスを提供できるインフラとして、インターフェースからバックヤードまで、様々なニーズに対してソリューションを提供することにより顧客数及びGMVの拡大及びカスタマイズ案件獲得の拡大を図ってまいりました。
このような状況の中、当社グループの当連結会計年度の売上高は 2,939,619千円 (前期比 16.6%増 )、経常利益 716,917千円 (前期比 21.9%増 )、 親会社株主に帰属する当期純利益 495,981千円 (前期比 26.1%増 )となりました。また主要な事業子会社である株式会社フューチャーショップ及び株式会社ソフテルの2社において重要な経営指標である、GMV、開発売上総額、契約店舗数及び契約社数、1契約社数店舗あたりGMV、1契約社数あたり開発売上高は各社増加ペースに差はあるものの、概ね堅調に推移いたしました。今後もグループ各社の独自性のある経営を重視し、より迅速な経営判断のできる体制を確立して業界の急速な変化に対応できるように努め、さらなる企業価値向上を目指してまいります。
なお、株式会社フューチャーショップ及び株式会社ソフテルの2社におけるGMV、開発売上総額、契約店舗数及び契約社数、1契約店舗数あたりGMV、1契約社数あたり開発売上高の実績推移につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。
財政状態は次のとおりであります。
<資産>
当連結会計年度末における流動資産は 2,006,125千円 となり、前連結会計年度末に比べ 477,245千円増加 いたしました。これは主に業容拡大によりに現金及び預金が 411,297 千円増加したことなどによるものであります。固定資産は 1,102,659千円 となり、前連結会計年度末に比べ 39,181千円増加 いたしました。これは主に売却や時価下落に伴い投資有価証券が 41,530 千円減少したものの、㈱フューチャーショップにおける新機能等の追加開発によりソフトウェアが 143,522千円 増加したことなどによるものであります。この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて 516,426千円増加 し 3,108,784千円 となりました。
<負債>
当連結会計年度末における流動負債は 752,565千円 となり前連結会計年度末に比べ 55,399千円増加 いたしました。これは主に業容の拡大に伴い前受金が 38,283千円 増加したことによるものです。固定負債は 69,610千円 となり前連結会計年度末に比べて 14,158千円減少 いたしました。これは主に投資有価証券の売却や時価の下落等により繰延税金負債が 10,667 千円減少したことによるものです。この結果、負債合計は 822,175千円 となり前連結会計年度末に比べて 41,241千円増加 いたしました。
<純資産>
当連結会計年度末における純資産合計は 2,286,609千円 となり前連結会計年度末に比べて 475,185千円増加 いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益 495,981 千円の計上やその他有価証券評価差額金が 20,725千円 減少したことによるものです。この結果、自己資本比率は 73.6% (前連結会計年度末は 69.9% )となりました。
なお、当社は、ECプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて412,227千円増加し、1,643,469千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は515,511千円(前連結会計年度は466,618千円の収入)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益732,656千円、減価償却費75,666千円、投資有価証券売却益15,739千円、売上債権の増加額40,194千円、前受金の増加額38,283千円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は111,186千円(前連結会計年度は102,053千円の支出)となりました。
これは主に株式会社フューチャーショップにおける新機能等のソフトウェア開発により無形固定資産取得による支出 115,892 千円、投資有価証券の売却による収入 27,422 千円及び敷金及び保証金の差入による支出 18,172 千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は3,683千円(前連結会計年度は92,836千円の収入)となりました。
これは主にリース債務の返済による支出3,612千円によるものであります。
a.生産実績
当社グループは生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
第16期連結会計年度及び第17期連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループはECプラットフォーム事業の単一セグメントであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
1) 財政状態の分析
当連結会計年度における財政状態の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
2) 経営成績の分析
当社グループのECプラットフォーム事業セグメントの当連結会計年度の売上高は 2,939,619千円 (前期比 16.6%増 )となりました。
売上原価は主に開発人件費の増加や株式会社フューチャーショップにおけるソフトウェアの開発に伴う償却負担等の増加により 1,235,877千円 (前期比 18.2%増 )となりました。
販売費及び一般管理費は、主に人員の増加に伴う人件費の増加により、1,027,230千円(前期比13.9%増)となりました。
営業外収益は、保有するWistron Information Tech & Services Corp株式からの受取配当金が増加したことにより、40,412千円(前期比54.0%増)となりました。営業外費用は主に前連結会計年度に上場関連費用の計上があったことにより、6千円(前期比99.9%減)となりました。
特別利益は、投資有価証券売却益の計上により、15,739千円(前期比10.0%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの連結業績は、営業利益 676,511千円 (前期比 18.2%増 )、経常利益 716,917千円 (前期比 21.9%増 )、親会社株主に帰属する当期純利益 495,981千円 (前期比 26.1%増 )となり、堅調な結果となりました。今後もグループ各社の独自性のある経営を重視し、より迅速な経営判断のできる体制を確立して業界の急速な変化に対応できるように努め、さらなる企業価値向上を目指してまいります。
ECプラットフォーム事業セグメントを構成するグループ各社の概況は以下の通りとなります。
(注) グループ内取引の相殺消去前の数値を記載しております。
ECプラットフォーム事業セグメントを構成するグループ各社の経営成績の分析はそれぞれ以下の通りです。
a.株式会社フューチャーショップ
当連結会計年度の売上高は2,228,849千円(前期比16.5%増)、経常利益698,097千円(前期比13.1%増)となり増収増益となりました。一昨年からの新型コロナウイルス感染拡大による消費者の消費行動の変化やそれに対応するための小売事業者のEC化の流れには一服感はあるものの、依然としてEC事業者及び消費者のニーズは高く契約店舗数及び流通総額は着実に増加し、「commerce creator」及び「omni-channel」等の販売増加及び流通総額に比例する手数料売上が増加する結果となりました。新規事業を含む将来に向けた人員の確保やセキュリティ強化対策費など経費の増加は見られるものの営業収益は予想以上の増益となりました。2022年2月に現状課題分析機能である「reportsβ版」を含むバージョンアップをリリースするなどサービスメニューの充実を図りました。今後も引き続きAPIの公開による外部との連携強化、課題分析充実機能などを強化しサービスメニューの充実を図ってまいります。
b.株式会社ソフテル
当連結会計年度の売上高は701,010千円(前期比15.8%増)、経常利益131,241千円(前期比62.1%増)となり、増収増益となりました。新型コロナウイルス感染拡大の悪影響は一巡し、EC事業者の流通総額増加に伴うバックヤードシステム構築意欲の増大し、「通販する蔵」カスタマイズ売上は過去最高の受注残高を背景に好調に推移いたしました。加えて、保守サポートの月額利用料の売上高はカスタマイズ受注案件の大型化に伴い顧客単価が上昇し好調に推移し増収に寄与いたしました。現状でもカスタマイズ案件は売上規模の大きなEC事業者からの引合いが引き続き増加しており、今後とも新規の大型開発案件や既存顧客のカスタマイズ案件の獲得に向け注力してまいります。加えて次世代「通販する蔵」「Commerce Connect」の開発や「futureshop」向けバックヤードオプションの提供などを通じてグループ間シナジーを追求してまいります。
c.株式会社TradeSafe
当連結会計年度の売上高は45,329千円(前期比1.7%増)、経常利益566千円(前期比44.6%減)となりました。当社はEC店舗認証事業であるトラストマーク事業において引き続き審査・モニタリングの質の維持向上を図り、優良店舗の差別化を行うことで、安心安全なEC社会を実現するための社会的なインフラ機能を目指してまいります。また、ECnote(EC店舗の販売分析ツール)については、株式会社ソフテルと連携して「通販する蔵の開発オプション機能」としてサービスの提供を行い、株式会社ソフテルとの連携を通じてグループシナジー追求によるサービスの普及に努めてまいります。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積り・仮定設定を必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や状況に応じて合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、人件費及び業務委託費等であります。これらの資金需要に対しては現状では自己資金の範囲内で対応できております。今後は業容拡大に伴い自己資金、銀行借入、及びエクイティファイナンス等での多様な調達方法を資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討していく方針です。当連結会計年度末の現金及び現金同等物は1,643,469千円であり流動性を確保しております。
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