課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、「先端の創薬を通じて人々の健康と明日の医療に貢献する」との経営理念の下、医薬品をはじめとした医療関連ビジネスに取組み、社会から信頼される会社として成長・発展していきたいと考えております。また、今後も「いのち」に関わる企業としてのCSRを全うするとともに、経営ビジョンである「競争力のあるスペシャリティファーマ」を目指してまいります。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略および会社の対処すべき課題

 当社グループは2016年4月から2021年3月末までの中期経営計画「ASKA PLAN 2020」を策定しております。その
最終年度である当年度に売上規模700億円、営業利益率10.0%、ROE8.0%を目標に掲げておりましたが、中期経営計画期間中の事業環境変化等による影響により、売上高530億円、営業利益率3.8%およびROE3.6%の数値目標に修正いたしました

 

  当社は当中計期間中に「スペシャリティファーマとしての飛躍」、「持続的成長への足固め」を実現するため、以下の4つの課題に挑戦していきます。

1.創薬機能の再構築を中心とした新薬事業強化

2.育薬による製品価値向上と利益の最大化

3.原価低減、製品ポートフォリオ見直しを柱としたコスト構造改善・生産性向上

4.新人事制度のもと、社員の成長・能力向上

 当社グループの中核事業である医薬品事業においては、産婦人科領域、内科領域(消化器・甲状腺等)、泌尿器科領域の注力分野に資源を集中し、持続的な成長を目指してまいります。

 

 研究開発面においては、2019年12月にCDB-2914(ウリプリスタル)の製造販売承認申請を行いました。今後は、自社創製品AKP-009のPhaseⅡ試験を促進させるとともに、武田薬品工業株式会社より導入したTAK-385(レルゴリクス)における子宮内膜症の適応症を追加するためのPhaseⅢ試験やリフキシマの適応追加を目的とした複数の臨床試験を加速させることにより、重点領域における開発パイプラインの進展と、製品価値の最大化に努めてまいります

アライアンス関係では、ラクオリア創薬株式会社との創薬研究に関する共同研究、子宮収縮抑制剤「マグセント」および子癇発症抑制・治療剤「マグネゾール」の承継、AMEDによる医療研究開発革新基盤創成事業における株式会社レナサイエンスとの共同開発、Insud Pharmaとの経口避妊薬ドロスピレノンに関するライセンス契約、株式会社キノファーマとの子宮頸部異形成治療薬に関するオプション契約など、特に産婦人科領域において、外部企業との連携を強化しております。なお、当社は神奈川県川崎市にある川崎研究所を、同県藤沢市の湘南ヘルスイノベーションパーク(通称:湘南アイパーク)へ全面移転し、2020年4月1日に『あすか製薬 湘南研究所』として始動しました。同施設内にある充実した実験設備の活用と、産官学とのオープンイノベーションの推進により、研究開発を一層加速させ医療ニーズに応える新薬の創製を継続します。

 営業面では、2018年度下期より専任MR制を導入しており、産婦人科専任MRとリフキシマ専任MRによる質の高い情報提供と活動の効率化に継続して取り組んでまいります。産婦人科領域では、2018年度下期に連続して市場投入した3つの産婦人科新製品(①レルミナ錠、②フリウェル配合錠、③ジェミーナ配合錠)の価値最大化を図り、産婦人科領域での当社プレゼンスを向上させ、存在感のあるスペシャリティファーマを目指します。特にレルミナ錠については子宮筋腫治療における約20年ぶりの新薬であり、初めての経口剤という特徴と併せ、順調に売上げを伸ばしております。「肝性脳症における高アンモニア血症の改善」の適応症で2016年に発売したリフキシマ錠も堅調に推移しており、今後は疾患認知度向上への取り組みを継続しつつ、肝性脳症治療のファーストラインを目指してまいります。

 

 グローバル展開への取り組みについては、neopharma LLC(アラブ首長国連邦)の子会社Omnicare Drugs India Private Limited(インド)との合弁会社「NeoASKA Pharma Private Limited」が、インドにおいて医薬品工場を建設し、工場稼働に向けて進めております。

 

 グループ会社を通じて行っている動物用医薬品や検査事業等については特徴ある製品および技術により医薬品事業とのシナジーを発揮しつつ成長を目指してまいりましたが、今後、更なる企業価値の向上を追求するため、当社グループは持株会社体制へ移行し、“トータルヘルスケアカンパニー”を目指すことが最適と判断いたしました。持株会社体制とすることによって新規領域での事業強化を図るとともに、経営監督機能と業務執行機能を分離することで、ガバナンスの強化と意思決定の迅速化を進めてまいります。

 

 費用面においては、オープンイノベーション推進による研究開発の加速や開発段階の進展により、研究開発投資の増加が予想されますが、製品ポートフォリオの見直しや製造原価の低減等に継続して取り組むことで、コスト競争力の強化に努めてまいります。

 

 2020年6月16日に創立100周年を迎えた当社は、持続的な成長に不可欠な人材確保・育成に努め、女性の積極的登用や高齢者再雇用の促進など社員の多様なキャリア志向に対応できる事業基盤の構築を進めていくとともに、人的資源の有効活用と計画的な能力拡大をはかります。また、SDGsへの取り組みを強化してまいります。

 

 なお、新型コロナウイルス感染症の流行拡大をうけ、国内外の経済活動は先行き不透明な環境となっております。しかしながら現時点において、当社グループの事業活動への影響は限定的であり、合理的に影響を算出することが困難であることから、中期経営計画の修正目標値にはその影響を織り込んでおりません。また当社グループの業績について、予想の修正が必要であると判断した場合には、速やかに開示いたします。

 

 当社は、これからも企業情報を積極的かつ公正に開示し、株主の皆様をはじめとするステークホルダーとの対話を充実させるべくIR・広報活動を推進してまいります。

 

 

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