当社グループは、医療用医薬品に関して国内外にわたる積極的な研究開発活動を展開しており、国際的に通用する革新的な医薬品の創製に取り組んでおります。国内では、御殿場、鎌倉に研究拠点を配置し、連携して創薬の研究を行う一方、浮間では工業化技術の研究を行っております。また、海外では、中外ファーマ・ユー・エス・エー・インコーポレーテッド(米国)、中外ファーマ・ヨーロッパ・リミテッド(英国)、日健中外科技(北京)有限公司(中国)、台湾中外製薬股份有限公司(台湾)が医薬品の開発・申請業務を、中外ファーマボディ・リサーチ・ピーティーイー・リミテッド(シンガポール)が医薬品の研究開発を行っています。
当連結会計年度におけるCoreベースの研究開発費は
2021年1月1日から2021年12月31日までの研究開発活動の進捗状況は以下のとおりであります。
「がん領域」
・抗CD79b抗体薬物複合体「RG7596」(製品名:「ポライビー」)は、2021年3月に、再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫を適応症として承認を取得し、同年5月に発売しました。また、同年12月に未治療のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫を対象として承認申請を行いました。
・改変型抗PD-L1モノクローナル抗体「RG7446」(製品名:「テセントリク」)は、2021年3月に肝細胞がん(intermediate ステージ)(RG435との併用)、同年5月に筋層浸潤性膀胱がん(アジュバント)を対象としてそれぞれ第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。また、同年7月に非小細胞肺がんの術後補助療法を対象として承認申請を行いました。
・抗VEGF(血管内皮増殖因子)ヒト化モノクローナル抗体「RG435」(製品名:「アバスチン」)は、2021年3月に肝細胞がん(intermediate ステージ)(RG7446との併用)を対象として第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。
・選択的エストロゲン受容体分解薬「RG6171」は、2021年8月に乳がん(アジュバント)を対象として第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。
・抗CD20/CD3バイスペシフィック抗体「RG7828」は、2021年10月に濾胞性リンパ腫を対象として第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。
・RET阻害剤「RG6396」は、2021年7月に固形がんを対象として第Ⅰ相臨床試験を開始しました。また、同年11月に非小細胞肺がんを対象として第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。
・腫瘍溶解性5型アデノウイルス「OBP-301」は、2021年1月に肝細胞がんを対象として第Ⅰ相臨床試験(「RG7446」及び「RG435」との併用)を開始しました。
・抗潜在型TGF-β1モノクローナル抗体「SOF10/RG6440」は、2021年6月に固形がんを対象として第Ⅰ相臨床試験を開始しました。
・RAS阻害剤「LUNA18」は、2021年10月に固形がんを対象として第Ⅰ相臨床試験を開始しました。
・ヒト化抗FAP抗体改変IL-2融合蛋白「RG7461」は、ロシュ社による複数の海外試験の結果に鑑み、固形がんを対象とする開発を中止しました。
・AKT阻害剤「RG7440」は、国際共同治験「IPATunity150試験」の結果に鑑み、乳がんを対象とする開発を中止しました。
「腎領域」
・NaPi-IIb, PiT-1, PiT-2阻害剤「EOS789」の日本を含む全世界・全適応症における開発・製造・販売の独占的実施権を中外製薬が許諾する、オプション・ライセンス契約を2021年7月に、Alebund社と締結しました。
「自己免疫疾患領域」
・BTK阻害剤「RG7845」は、ロシュ社による複数の海外試験の結果に鑑み、関節リウマチを対象とする開発を中止しました。
「神経疾患領域」
・SMN2スプライシング修飾剤「RG7916」(製品名:「エブリスディ」)は、2021年6月に脊髄性筋萎縮症を適応症として承認を取得し、同年8月に発売しました。
・pH依存的結合性ヒト化抗IL-6レセプターモノクローナル抗体「SA237/RG6168」(製品名:「エンスプリング」)は、2021年6月に欧州にて視神経脊髄炎スペクトラム障害を適応症として承認を取得しました。また、同年10月に全身型重症筋無力症を対象として第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。
・抗アミロイドベータ/TfR1融合蛋白「RG6102」は、2021年7月にアルツハイマー病を対象として第Ⅰ相臨床試験を開始しました。
「その他の領域」
・SARS-CoV-2中和抗体カクテル「RG6413/RG6412」(製品名:「ロナプリーブ」)は、2021年3月にCOVID-19を対象として第Ⅰ相臨床試験を開始し、同年6月に承認申請し、同年7月にCOVID-19を適応症として特例承認を取得しました。また、同年10月に承認申請し、同年11月にCOVID-19の発症抑制の適応拡大について特例承認を取得しました。
・抗血液凝固第Ⅸa/Ⅹ因子ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「ACE910/RG6013」(製品名:「ヘムライブラ」)は、2021年11月に後天性血友病Aを対象として承認申請を行いました。
・ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「MRA/RG1569」(製品名:「アクテムラ」)は、2021年12月に新型コロナウイルス肺炎を対象として承認申請を行いました。
・抗VEGF/Ang2バイスペシフィック抗体「RG7716」は、2021年6月に糖尿病黄斑浮腫及び中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性を対象としてそれぞれ承認申請を行いました。また、同年3月に網膜静脈閉塞症を対象として第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。
・抗補体C5リサイクリング抗体「SKY59/RG6107」は、2021年10月に非典型溶血性尿毒症症候群を対象として第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。
・抗FGFR1/KLBバイスペシフィック抗体「RG7992」は、2021年6月に非アルコール性脂肪肝炎を対象として第Ⅰ相臨床試験を開始しました。
・RNAポリメラーゼ阻害剤「RG6422」は、2021年4月にCOVID-19を対象として第Ⅲ相国際共同治験を開始しましたが、同剤に対する共同グローバル開発に関するロシュ社とアテア社の提携解消を受け、今後について検討した結果、開発を中止しました。
・PTH1受容体アゴニスト「PCO371」は、第Ⅰ相臨床試験結果に鑑み、副甲状腺機能低下症を対象とする開発を中止しました。
・ヒアルロン酸ナトリウム製剤「NRD101」(製品名:「スベニール」)は、経営戦略上の理由から、中国における変形性膝関節症/肩関節周囲炎を対象とする開発を中止しました。
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