文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、経営方針として、「長期的に持続的成長をする企業」を掲げております。お客様の求める製品・品質・サービスを基軸に、積極的投資によるオープンイノベーションを推進すべく、既存事業の育成と新規事業推進による新たな価値の創出を目指しております。得意とする事業分野に経営資源を集中し、研究・開発、生産、販売各部門の独自の先端技術力を極めた事業基盤のもとに、企業のブランド力を高め、企業価値の最大化および活力ある企業風土を確立してまいります。
(2)経営戦略等
当社グループは、「長期的に持続的成長をする企業」の実現に向けて「すべての事業に関わるプラットフォームの構築」「システム医療機器に対応するための医療機器メーカー・ソフトウェアメーカーとの提携」「オープンイノベーションプログラム「NeyeS」の実用化」を基本方針とした3か年の新中期経営計画を策定しました。この基本方針のもと、サスティナビリティ経営へのシフト化、グローバル展開加速、新規事業・事業境界領域の開拓、生産性・生産体制の革新に取り組んでまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、事業の拡大・発展のための積極投資を行う上で、重視する経営指標としてROIC(総資産利益率)、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)を採用いたしました。資産の有効的投資により利益に還元することを目的としております。今後も事業の収益性と効率性を追及し、企業価値の向上を図ってまいります。
(4)経営環境
当社グループを取り巻く経営環境として、国内外の市場環境は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種普及に伴い、経済活動に一部持ち直しの動きもありますが、今後もオミクロン株等の変異株拡大による感染状況の推移やそれに伴う経済活動の回復は予断を許さない状況が続くことが想定されております。体外診断用医薬品の国内市場においては、同感染症による医療機関への外来患者数・入院患者数の影響が見受けられる等、厳しい環境が続いております。食品企業等の品質検査の国内市場では、コロナ禍において需要が低下している業種がある等、全体的に厳しい情勢が続いております。再生医療分野においては、当初経済産業省の試算した計画に対しては遅延気味ではありますが、臨床治験の実施、治療法確立のための活動等が実施されております。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは、以下の事項を重要課題に設定のうえ対処してまいります。
1.すべての事業に関わるプラットフォームの構築
○サービスを定型化し、世界に提供する
・同一プラットフォーム内で複数事業を展開
・内部精度管理・リアルタイム外部精度管理システム:Ni-QCS(Nissui pharmaceutical - Quality Control System)活用によるサービスの収益化
○ECビジネスの推進
2.システム医療機器に対応するための医療機器メーカー・ソフトウェアメーカーとの提携
○他社との協業・多剤耐性菌(AMR)対策
・次世代迅速感受性試験ビジネスの展開
・微生物同定事業
・PCR検査装置を活用した感染症検査事業
○在宅医療・超高齢化社会への準備
・OTC検査薬
○食品分析受託事業の展開
3.オープンイノベーションプログラム「NeyeS」の実用化
○共同研究で得られた知見を活用し、3年以内での製品実用化を目指す
当社は、すべてのステークホルダーの皆様のご期待に応える企業活動を実現するため、中長期的な企業価値の創出に取り組んでおります。業務の適正化を確保するための内部統制システムについては、都度必要な整備方針を見直しており、方針に沿った体制整備を確実に推進してまいります。環境保全、製品の安全、コンプライアンス、安全・防災活動を含むリスク管理の徹底、人材の育成、社会貢献活動の各分野において実効性の向上に努めてまいります。
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