業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復が緩慢で、経済活動は一進一退を続けております。さらに原油等の原材料価格の高騰による世界的な物価の上昇が続いていることもあり、依然として経済情勢は先行き不透明な状況が続いております。

当社グループにおきましては、このような環境の中で、新型コロナウイルス感染防止に引き続き留意しながら販売活動を展開するとともに、コスト競争力の一層の向上を目指して取り組んでまいりました。

当連結会計年度における各分野の売上高は、以下のとおりであります。

インダストリアル分野の売上高は、粉体塗料分野において車両関連向け出荷が自動車本体の部品の調達不足による生産減の影響はあったものの、前年の新型コロナウイルス感染症の影響の落ち込みから復調したことに加え、鋼製家具向けが堅調に推移したこと、及び、工業用塗料分野において、窯業建材、産業機器向けが好調だったことなどから、年間で5%の増加となりました。

インフラ分野の売上高は、防食塗料分野において、新設橋梁・プラント向けの出荷減が響いたこと、及び、道路施設用塗料分野において、東京オリンピック・パラリンピック開催後の工事件数の減少から、主力のすべり止め材やカラー舗装材の売上が伸び悩んだことなどから減少いたしましたが、子会社における工事売上が好調で前期を上回ったことなどから、年間で3%の増加となりました。

自動車用塗料分野の売上高は、半導体不足等の影響はありましたものの、主力顧客の生産が前年の新型コロナウイルス感染症の影響による減少から回復したため、年間で14%の増加となりました。

その他塗料分野の売上高は、主に、軌道材料製品分野において、新型コロナウイルス感染症の影響で需要が減少いたしましたが、整備新幹線向け出荷が好調に推移したことなどから、年間で2%の増加となりました。

この結果、当連結会計年度における売上高は19,136百万円(前連結会計年度は20,193百万円)となりました。損益面では、原材料価格の高騰に対し、製品価格是正にも取り組み一定の成果をあげましたものの、原材料価格上昇の一部を転嫁するにとどまり、営業損失は343百万円(前連結会計年度は51百万円の営業利益)、経常損失は243百万円(前連結会計年度は167百万円の経常利益)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は、減損損失の計上、不適切行為に関連する費用の計上、及び、繰延税金資産の取崩しを行ったことにより、1,825百万円(前連結会計年度は679百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 なお、当社グループは、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度から適用しております。この結果、前連結会計年度と売上高の会計処理が異なることから、経営成績に関する説明の売上高については、増減額および前年同期比(%)を記載せずに説明しております。

また、当連結会計年度より、報告セグメントを「塗料事業」のみに変更したため、セグメント別の記載を省略しております。

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ、商品及び製品が128百万円および原材料及び貯蔵品が186百万円増加、現金及び預金が585百万円および繰延税金資産が651百万円減少したこと等により、32,637百万円(前連結会計年度末比1,081百万円減)となりました。

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ、支払手形及び買掛金が343百万円および短期借入金が197百万円、長期借入金が183百万円増加、電子記録債務が154百万円減少したこと等により、16,471百万円(前連結会計年度末比842百万円増)となりました。

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ、土地再評価差額金が250百万円増加、利益剰余金が2,231百万円減少したこと等により、16,166百万円前連結会計年度末比1,924百万円減)となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、2,685百万円と前連結会計年度末に比べ615百万円の減少となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは150百万円の収入(前連結会計年度は698百万円の収入)となりました。その主な要因は、増加要因として、減価償却費655百万円、減損損失384百万円及び仕入債務の増加による収入352百万円、減少要因として税金等調整前当期純損失999百万円及び棚卸資産の増加による支出301百万円等によるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは979百万円の支出(前連結会計年度は1,644百万円の収入)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出889百万円および無形固定資産の取得による支出72百万円等によるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは196百万円の収入(前連結会計年度は2,168百万円の支出)となりました。その主な要因は、短期借入金の純増加額380百万円および配当金の支払額154百万円等によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

塗料事業

12,159

13.1

化成品事業

1,934

△1.3

合計

14,093

10.9

 

(注)金額は、販売価格によっております。

 

b.仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

塗料事業

5,348

11.0

化成品事業

合計

5,348

11.0

 

(注)金額は、仕入金額によっております。

 

c.受注状況

当社グループは主として見込み生産によっており、また、受注品も出荷までの期間が非常に短いため、受注状況については特記すべき事項はありません。

 

d.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

塗料事業

19,068

化成品事業

67

合計

19,136

 

   (注) 1.当連結会計年度の期首より収益認識会計基準等を適用しております。この結果、前連結会計年度と収益等の会計処理が異なることから、販売実績における前年同期比は記載しておりません。

2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

大東建託パートナーズ㈱

2,226

11.6

 

 3. 前連結会計年度の大東建託パートナーズ㈱への販売実績及び総販売実績に対する割合については

   当該割合が100分の10未満となっているため記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績につきましては、以下のとおりであります。

(売上高)

売上高は、塗料事業において、前年度の新型コロナウイルス感染症の落ち込みから復調し、835百万円の増収となりましたが、「収益認識に関する会計基準」等の適用に伴い、代理人として関与した取引について売上高を純額とした影響などで1,874百万円の減収となったことから、19,136百万円となりました。

(営業利益及び営業損失)

営業利益は、売価是正や生産合理化等で一定の成果を上げましたものの、原材料高騰の影響の一部を転嫁するにとどまり、前連結会計年度比395百万円減の△343百万円となりました。当社グループといたしましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中長期的な会社の経営戦略」に記載しております施策を進めることにより、利益率の改善を図ってまいります。

(経常利益及び経常損失)

経常利益は、営業利益が前連結会計年度比減益となったことに加え、支払補償費を44百万円計上したことにより、前連結会計年度比411百万円減の△243百万円となりました。

(特別利益及び特別損失並びに税金等調整前当期純利益)

特別利益は、当連結会計年度において当社が減損損失384百万円および品質不適切行為関連費用370百万円を計上したことなどから、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度比1,889百万円減の△999百万円となりました。

 (法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益及び非支配株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の法人税等は繰延税金資産の取り崩しにより764百万円となり、この結果、当期純利益は△1,763百万円となりました。

非支配株主に帰属する当期純利益は連結子会社のジャパンカーボライン㈱の非支配株主に帰属する利益であり、以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は△1,825百万円(前連結会計年度比2,505百万円減)となりました。

当社グループの当連結会計年度末における財政状態につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

経営成績に重要な影響を与える要因としては、当社グループは、アルミ電着塗料、工業用電着塗料、粉体塗料、工業用塗料、建築塗料、防食塗料、道路施設用塗料、軌道材料製品、自動車用塗料、及び化成品と幅広い分野で製造販売を行っておりますが、いずれの分野におきましても、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」 に記載しております様々な要因が想定されます。当社グループといたしましてはリスク対応策を実施するとともに、利益率の改善に向けて、既存塗料製品の高機能化によるシェア獲得・高利益率化、新規コーティング材の開発及び海外市場進出による事業拡大、ITツール導入等による生産性向上を製造、販売、研究開発、管理の全ての分野において推進することの3つを事業展開の軸として積極的に取り組んでまいります。

セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。また、セグメントごとの財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

 

(塗料事業)

セグメント資産は、現預金の減少および減損損失による有形固定資産の減少等から29,471百万円(前連結会計年度末比446百万円減)となりました。また、当連結会計年度における塗料事業の設備投資額は、670百万円(前連結会計年度比17百万円減)であります。

 

(化成品事業)

セグメント資産は、1,161百万円(前連結会計年度末比15百万円増)となりました。また、当連結会計年度における化成品事業の設備投資額は、19百万円(前連結会計年度比9百万円減)であります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報

キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。また、当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、営業活動による収入の他、金融機関からの借入を主な財源としております。当社グループの資金需要の主なものは原材料仕入、製造費、営業活動、製品競争力の強化及び新技術の開発を目的とした研究開発費、一般管理費等であります。当連結会計年度における主要な設備投資は、老朽設備の維持・更新、基幹業務システムの改修等、小規模案件でありましたが、成長投資・収益性向上に資する設備投資については、中長期的な経営戦略との整合性をふまえ採算性を吟味のうえ判断してまいります。

なお、配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

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