業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

 当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により停滞した経済活動の再開が徐々に進み、全体として持ち直しの傾向が見られました。一方で、ウクライナ情勢の緊迫化や資源価格の高騰等による景気後退も懸念され、先行き不透明感が強まる展開となりました。

 そうした中、当社グループの主力製品である船舶用塗料分野においては、新型コロナウイルスの感染拡大によるマイナス影響は総じて限定的で、修繕船向けの販売は欧州を中心に堅調に推移しました。一方で、新造船向けについては、日本国内及び中国において船舶建造量の減少を受け塗料需要が縮小したことから低調に推移し、船舶用塗料全体の売上高も前期比で減少いたしました。

 工業用塗料分野では、東南アジアにおける重防食塗料について、新型コロナウイルス感染拡大の影響によるインフラ関連プロジェクトの延期等により低調に推移しましたが、建材用塗料や東南アジア以外の地域における重防食塗料の需要回復により、全体としては増収を確保いたしました。

 コンテナ用塗料分野については、世界的なコンテナ輸送需要の逼迫等を背景にコンテナボックスの生産が拡大したことで塗料需要も持ち直し、大幅な増収となりました。

 損益面では、世界的な資源高の影響で主要原材料価格が軒並み高騰したことにより調達コストが大幅に増大いたしました。かかる状況を受け、販売価格の見直しを進めたほか、各種経費の削減にも努めましたが、コスト増をカバーするには至らず、収益性が大幅に低下いたしました。一方、政策保有株式の売却により、投資有価証券売却益601百万円を特別利益に計上いたしました。

 以上の結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は84,295百万円(前期比2.2%増)、営業利益は687百万円(同89.4%減)、経常利益は1,012百万円(同84.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は257百万円(同92.2%減)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

(日本)

船舶用塗料において、国内造船所の船舶建造量が減少したことで新造船向けの販売が大きく落ち込んだものの、修繕船向けの販売は堅調に推移いたしました。工業用塗料においては、前期に新型コロナウイルスの影響で生産調整を実施した建材メーカーの稼働率が改善し、建材用塗料の販売が回復いたしました。その結果、売上高は30,853百万円(前期比5.9%減)となりました。損益面では、主要原材料価格の高騰に伴う調達コストの増大等により、セグメント損失は1,086百万円(前連結会計年度はセグメント利益2,218百万円)となりました。

(中国)

船舶用塗料において、船舶建造量の減少により新造船向けの販売が落ち込み、修繕船向けの販売についても当該期間における当社顧客の入渠船減少等により低調に推移したものの、コンテナ用塗料の販売が、塗料需要の回復により大幅に伸長したほか、重防食用塗料の販売も好調であったことから、売上高は17,680百万円(同9.5%増)となりました。一方、損益面では、主要原材料価格の高騰に伴う調達コストの増大等により、セグメント損失は624百万円(前連結会計年度はセグメント利益391百万円)となりました。

(韓国)

船舶用塗料のうち、主力の新造船向けの販売が高付加価値製品の出荷増等により堅調に推移したことから、売上高は7,481百万円(同8.7%増)となりました。一方、損益面では、為替の影響や主要原材料価格の高騰に伴う調達コストの増大により、セグメント損失は685百万円(前連結会計年度はセグメント利益318百万円)となりました。

(東南アジア)

修繕船向けを中心に船舶用塗料の販売が堅調に推移した一方、新型コロナウイルスに起因するインフラ関連プロジェクトの延期等により重防食塗料の販売が低調に推移し、売上高は11,788百万円(同1.3%増)となりました。損益面では、主要原材料価格の高騰に伴う調達コストの増大により、セグメント利益は1,619百万円(同12.9%減)となりました。

(欧州・米国)

船舶用塗料において、主に修繕船向けの販売が伸長したことや、為替の影響による増収効果があったことから、売上高は16,491百万円(同9.9%増)となりました。一方、損益面では、各種経費の抑制や高付加価値製品の拡販に努めたものの、主要原材料価格の高騰に伴う調達コストの増大をカバーできず、セグメント利益は274百万円(同12.5%減)となりました。

② 財政状態の状況

(資産)

 流動資産は前連結会計年度末に比べ643百万円減少の71,495百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の減少(4,587百万円)や原材料及び貯蔵品の増加(2,226百万円)、商品及び製品の増加(1,379百万円)であります。

 固定資産は前連結会計年度末に比べ91百万円増加の33,123百万円となりました。主な要因は、投資有価証券の増加(520百万円)や有形固定資産の減少(394百万円)であります。

 この結果、当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べ551百万円減少し、104,618百万円となりました。

(負債)

 流動負債は前連結会計年度末に比べ1,525百万円減少の34,694百万円となりました。主な要因は、1年内返済予定の長期借入金の減少(2,707百万円)や支払手形及び買掛金の増加(976百万円)であります。

 固定負債は前連結会計年度末に比べ3,249百万円増加の9,884百万円となりました。主な要因は、長期借入金の増加(2,732百万円)や繰延税金負債の増加(541百万円)であります。

 この結果、当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末に比べ1,723百万円増加し44,578百万円となりました。

(純資産)

 純資産は前連結会計年度末に比べ2,275百万円減少の60,039百万円となりました。主な要因は、自己株式の取得等による減少(3,646百万円)や剰余金の配当等による利益剰余金の減少(1,557百万円)、為替換算調整勘定の増加(2,558百万円)であります。なお、自己株式の消却により、資本剰余金と自己株式がそれぞれ6,282百万円減少しております。

 この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の54.6%から52.9%となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ4,771百万円減少し、17,148百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって使用されたキャッシュ・フローは、238百万円(前年同期は7,129百万円の獲得)となりました。主な増加は、売上債権の増減額2,332百万円、減価償却費2,055百万円、主な減少は、棚卸資産の増減額2,768百万円です。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によって得られたキャッシュ・フローは、155百万円(前年同期比82.1%減)となりました。主な増加は、定期預金の払戻による収入4,321百万円、主な減少は、定期預金の預入による支出4,085百万円です。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によって使用されたキャッシュ・フローは、6,318百万円(前年同期比9.9%減)となりました。主な減少は、自己株式の取得による支出3,683百万円、非支配株主への支払いを含めた配当金の支払額2,200百万円です。

④ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

前期比増減率(%)

日本(百万円)

28,556

9.2

中国(百万円)

16,812

5.3

韓国(百万円)

6,994

24.4

東南アジア(百万円)

8,457

9.0

欧州・米国(百万円)

5,812

29.3

合計(百万円)

66,633

11.1

 (注) 金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

b. 受注実績

 一部の特殊品を除いて販売予量に基づく見込み生産を行っております。

 

c. 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

前期比増減率(%)

日本(百万円)

30,853

△5.9

中国(百万円)

17,680

9.5

韓国(百万円)

7,481

8.7

東南アジア(百万円)

11,788

1.3

欧州・米国(百万円)

16,491

9.9

合計(百万円)

84,295

2.2

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日(2022年6月23日)現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は84,295百万円(前期比2.2%増)、営業利益は687百万円(同89.4%減)、経常利益は1,012百万円(同84.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は257百万円(同92.2%減)となりました。

 これらの要因は下記のとおりであります。

 

a.売上高

 製品分野別・セグメント(地域)別の売上高は以下のとおりです。

 分析内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に含めて記載しております。

(単位:百万円)

0102010_002.png

 

b.売上原価・売上総利益
 主要原材料価格の指標となる国産ナフサの期中平均価格が前年度比で約81%上昇するなど原材料価格が高騰したことで原材料調達コストが大幅に増大し、売上原価は前連結会計年度比13.2%(7,519百万円)増の64,631百万円となりました。販売価格の見直しや高付加価値製品の販売比率拡大といった収益改善要因はあったものの、新造船向けを中心に採算が大幅に悪化し、売上総利益は前連結会計年度比22.4%(5,666百万円)減の19,664百万円、売上総利益率は同7.4ポイント低下し23.3%となりました。

 

c.販売費及び一般管理費、営業利益
 販売費及び一般管理費については、貸倒引当金繰入額や販売手数料が減少した一方、上海子会社の退職給付に係る負債の計上漏れに関する対応費用を計上したこともあり、前連結会計年度比0.8%(152百万円)増の18,976百万円となりました。

  営業利益については、売上総利益の減少と販売費及び一般管理費の増加により、前連結会計年度比89.4%(5,818百万円)減の687百万円、営業利益率は同7.1ポイント低下し0.8%となりました。地域別では、新造船向けの採算悪化が進んだ日本、中国、韓国において減益幅が特に大きくなりました。

 

d.営業外損益・特別損益・税金費用
 前連結会計年度の為替差損計上(386百万円)から一転して営業外収益で為替差益(68百万円)を計上したことなどから、営業外損益は324百万円の益(前連結会計年度は130百万円の損)となりました。

 特別利益については、政策保有株式を8銘柄売却したことで投資有価証券売却益601百万円を計上し、特別損益は602百万円の益(前連結会計年度140百万円の損)となりました。

 税金費用(法人税等合計)については、税金等調整前当期純利益が大幅に減少した一方で、当社において繰延税金資産の取り崩しが発生したこともあり、前連結会計年度比49.8%(1,185百万円)減の1,195百万円となりました。その結果、法人税等の負担率は74.0%(前連結会計年度は38.2%)となりました。

 

 なお、経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

② 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

  中期経営計画における業績目標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 会社の対処すべき課題及び中長期的な会社の経営戦略(中期経営計画等)」に記載のとおりであります。

 

③ キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度においては、財務活動によるキャッシュ・フローが前連結会計年度より増加したものの、営業活動・投資活動の各キャッシュ・フローはともに前連結会計年度より減少し、現金及び現金同等物の増減額は前連結会計年度比5,211百万円悪化し4,771百万円の減少となりました。

各キャッシュ・フローの主な変動要因は以下のとおりです。

(単位:百万円)

0102010_003.png

 

④ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、塗料原材料等の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。
 当社グループは、事業運営上必要な流動性を確保すると共に資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
 短期運転資金につきましては、自己資金または金融機関からの短期借入を基本とし、設備投資や長期運転資金の資金調達につきましては、自己資金または金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は20,498百万円(前連結会計年度末比685百万円増)となっております。

 短期運転資金以外の資金の活用としては、生産設備の新設やリニューアル、競争力強化の為の製品開発といった成長投資を優先いたします。その上で、余剰資金については積極的な株主還元を行うことで自己資本を適切にコントロールし、自己資本利益率(ROE)の改善を図ってまいります。当連結会計年度においては、設備投資に1,025百万円、配当に1,815百万円、自己株式取得に3,683百万円、それぞれ資金を配分いたしました。
 当連結会計年度末現在の現金及び現金同等物の残高は17,148百万円(前連結会計年度末比4,771百万円減少)となりました。また、配当の支払いや自己株式の取得等により自己資本が減少したこともあり、自己資本比率は52.9%(前連結会計年度末比1.7ポイント低下)となりました。今後とも資産効率及び資本効率の向上や営業キャッシュ・フローの改善に努めてまいります。

 

⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

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