当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種率の上昇等に伴い緩やかな回復傾向にありましたが、新たな変異株の感染拡大に加えて、ロシアのウクライナ侵攻等による資源価格高騰など、景気の先行きは依然として不透明な状態が続いています。
当社が主として関連する塗料業界におきましては、こうした経済環境のもと、生産、出荷数量は、ともに前年並みの水準となりました。
このような情勢のもとで当社は、有機溶剤専業メーカーとして新規ユーザーの開拓を中心に販売拡大を図りましたが、製品については生産数量153,710トン、出荷数量153,567トンと、1.0%、0.9%の増加となりました。
当事業年度の業績といたしましては、売上高は1年を通して原材料価格の上昇や海外におけるサプライチェーンの停滞を背景とした一部原料の供給制限がありましたが、原材料価格の上昇分を販売価格に一部価格転嫁したことにより販売単価が上昇したため、313億1百万円と前年同期比22.1%の増収になりました。
主な品目別の売上高は、ラッカーシンナー類が6億90百万円で前年同期比14.2%増、合成樹脂塗料用シンナー類が5億58百万円で前年同期比9.9%増、洗浄用シンナー類が17億50百万円で前年同期比16.0%増、印刷用溶剤類が56億13百万円で前年同期比28.5%増、特殊シンナー類が29億15百万円で前年同期比8.6%増、単一溶剤類が138億11百万円で前年同期比28.4%増、塗料・その他が20億44百万円で前年同期比6.3%減、単一溶剤を中心とした商品が39億18百万円で前年同期比29.1%増となりました。
利益面につきましては、効率的な原材料購入を推進しましたが、海外における環境規制の強化により一部原材料の供給不足や原油価格の高騰が継続し、原材料コストの増加となり、営業利益は前年同期比39.0%減の9億93百万円、経常利益は前年同期比38.1%減の10億32百万円となり、当期純利益は前年同期比39.0%減の6億94百万円と、いずれも減益となりました。
当事業年度末における総資産は、232億55百万円(前事業年度末比22億22百万円増)となりました。
当事業年度末における流動資産は、178億76百万円(前事業年度末比23億11百万円増)となりました。これは主に、売掛金の増加(同19億45百万円増)、電子記録債権の増加(同9億1百万円増)等があったものの、現金及び預金の減少(同5億73百万円減)、受取手形の減少(同4億27百万円減)等があったことによるものであります。
当事業年度末における固定資産は、53億79百万円(前事業年度末比88百万円減)となりました。これは主に、機械及び装置の増加(同80百万円増)、保険積立金の増加(同81百万円増)等があったものの、減価償却費3億79百万円の計上等があったことによるものであります。
当事業年度末における流動負債は、83億79百万円(前事業年度末比17億80百万円増)となりました。これは主に、電子記録債務の増加(同24億42百万円増)、買掛金の増加(同14億円増)等があったものの、支払手形の減少(同15億12百万円減)、未払法人税等の減少(2億86百万円減)等があったことによるものであります。
当事業年度末における固定負債は、3億64百万円(前事業年度末比78百万円減)となりました。これは主に、長期借入金の減少(同1億10百万円減)等があったことによるものであります。
当事業年度末における純資産は、145億11百万円(前事業年度末比5億20百万円増)となりました。これは主に、利益剰余金の増加(同5億15百万円増)等があったことによるものであります。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年同期に比べて5億73百万円減少し、38億31百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、60百万円(前年同期は15億89百万円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上10億31百万円、減価償却費3億79百万円、仕入債務の増加23億30百万円等があったものの、売上債権の増加24億19百万円、法人税等の支払額6億4百万円等があったことによるものであります。
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、3億33百万円(前年同期は5億69百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2億39百万円、保険積立金の積立による支出88百万円等があったことによるものであります。
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、3億1百万円(前年同期は3億32百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出1億22百万円、配当金の支払額1億78百万円等があったことによるものであります。
当社は、シンナー製造業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
なお、セグメントについての詳細は、「第5 経理の状況 (セグメント情報等)」をご覧ください。
当事業年度における生産実績については、単一セグメントのため品目別に記載しております。
(注) 金額は販売価格で表示しております。
当事業年度における受注実績については、単一セグメントのため品目別に記載しております。
(注) 金額は販売価格で表示しております。
当事業年度における販売実績については、単一セグメントのため品目別に記載しております。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注) 上記の相手先、東洋インキ㈱には、東洋インキ北海道㈱、東洋インキ東北㈱、東洋インキ中四国㈱、東洋インキ九州㈱等の販売高を含んでおります。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当事業年度における売上高は、1年を通して原材料価格の上昇や海外におけるサプライチェーンの停滞を背景とした一部原料の供給制限がありましたが、原材料価格の上昇分を販売価格に一部価格転嫁したことにより販売単価が上昇したため、313億1百万円(前事業年度比56億55百万円増)となりました。
売上原価は、効率的な原材料購入を推進しましたが、海外における環境規制の強化により一部原材料の供給不足や原油価格の高騰が継続し、原材料コストの増加となり、271億68百万円(前事業年度比63億87百万円増)となりました。販売費及び一般管理費は、賞与及び役員賞与引当金繰入額の減少等から31億39百万円(前事業年度比95百万円減)となりました。
上記の結果、営業利益は9億93百万円(前事業年度比6億36百万円減)となりました。
営業外損益は、38百万円のプラス(前事業年度は、37百万円のプラス)となりました。受取利息及び配当金から、支払利息、手形売却損を差し引いた金融収支は、14百万円のプラス(前事業年度は、12百万円のプラス)となっております。
上記の結果、経常利益は10億32百万円(前事業年度比6億35百万円減)となりました。
特別損益は、0百万円のマイナス(前事業年度は、4百万円のプラス)となりました。
この結果、税引前当期純利益は、10億31百万円(前事業年度比6億41百万円減)となりました。税金費用を差し引いた当期純利益は、6億94百万円(前事業年度比4億44百万円減)となっております。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、出荷数量は新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞により影響を受け、販売単価は原料市況に影響を受けます。利益面につきましては、中東の地政学リスクによる原油価格の変動、為替変動、運送費の上昇等、更には海外景気に起因する需給関係により影響を受けます。
目標とする経営指標として、売上高経常利益率3.3%となり、期初目標とした売上高経常利益率5.0%を下回る結果となりました。引き続き、目標数値の達成を目指します。
② 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の運転資金は、主に製品製造に使用する原材料の調達及び販売商品の購入に費やされており、その他人件費、販売のための運賃等、製造経費や販売費及び一般管理費に計上される費目に対しても同様に費消されております。
さらに、設備投資資金は、生産力増強を目的とした生産設備の新規取得、それらを管理するシステムの整備等に支出されております。
これらの必要資金は、利益の計上、減価償却費等により生み出される内部資金により賄うことを基本としておりますが、必要に応じて金融機関からの資金調達にて対応しております。
当事業年度においては、越谷工場及び兵庫工場のシンナー製造設備等に対して2億31百万円の設備投資を実施いたしました。
新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた資金繰り等については、予定されている資金支出に対して十分に余裕をもって手許現預金を確保しながら、資金的にも安定した経営に努めております。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物は、前年同期に比べて5億73百万円減少し、38億31百万円となりました。キャッシュ・フローの分析につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」のとおりでありますが、キャッシュ・フロー関連指標のトレンドを示しますと下記のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
2 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
3 有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
売上債権等の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、必要な貸倒引当金を計上しております。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合には、追加の引当が必要となる可能性があります。
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
当社は、確定給付制度を採用しております。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、昇給率等の様々な計算基礎があります。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
d 固定資産の減損
当社は、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループがある場合には、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しています。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において減損損失が発生する可能性があります。
お知らせ