当事業年度の研究開発活動は、顧客に信頼される『製品』を開発することに加え、既製品の研究改良(品質・安全・性能・環境)を行っております。特に環境対策や作業者に対する安全性、危険性をテーマに溶剤の見地から、改善・開発、及び溶剤のリサイクル化等において努力しております。
当事業年度において当社が支出した研究開発費の総額は、94百万円であります。研究開発活動の内容を示すと次のとおりであります。
(1) 現在、様々な洗浄剤がありますが、その目的・用途に合わせ、最善の製品を提案・提供すると共にリサイクル化を推進し、リサイクル溶剤を有効活用できるように考慮し開発を行っております。
昨今では、世界情勢により石油製品の供給難、価格高騰が顕著になっておりますが、今までのブレンドノウハウを駆使し、その時々の状況で最適なものをリアルタイムで発信していくことで、顧客維持に努めております。
(2) 大気汚染防止法やPRTR法(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律)に鑑み、環境汚染影響のより少ない溶剤を開発するとともに、有害物の大気中への排出を少なくする使用方法の選定や処理設備の検証を行い、お客様に提案できるよう活動を進めております。
特に、昨今の自動車業界では、環境規制の厳正化により水性塗料化が再加速し、それに伴って水性洗浄剤においてもVOCフリー・低減化の要望が多く寄せられ、それらの対応を進めております。
さらに土木分野にも視野を広め、有害粉じん対策における構造物用塗膜剥離剤の開発を発端として、それに関連する鋼構造物の補修・点検分野などにも範囲を広げ、開発着手しております。
(3) より高度な品質を確保するための設備の検証や生産技術の確立、また有機溶剤の枠にとらわれない事業分野展開の助けとして、生産設備の開発を進めております。
また、越谷工場での樹脂溶解関連における実務的な生産技術の確立、及び高効率生産設備開発に取り組んでおります。
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