課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、品質の向上に努め安定供給の責を果し、お客様の満足が得られる品質の確保と納期を遵守して製品の品質向上を目指します。なお、経営の基本方針としては次のとおりであります。

① 差別化できる新製品の開発、生産性の向上、販売体制の強化を図り、強固な経営基盤を確立します。
② リサイクルによって資源の有効活用と環境に重視して社会に貢献できる企業を目指します。
③ 業容拡大と収益重視した経営によって、株主の期待に応えます。
④ お客様の満足を得るために、信頼性の高い生産管理、高度な品質管理体制の確立に総力を挙げて行います。
⑤ 一人一人がまたはグループで、課題を謙虚に学び、考え、評価し、迅速に改善します。

 

(2) 経営環境

① 企業構造

当社は有機溶剤のブレンド(シンナー)を専門とするメーカーとして、ここ数年来高いシェアを維持し続けております。

製品である混合溶剤は、塗料の他、インキの希釈剤や洗浄液として使用されるものであり、各種溶剤の配合により製造されております。

② 事業を行う市場の環境

当社は1952年(昭和27年)創業以来、有機溶剤専業メーカーとして歩み続け、同時にその用途開発にも注力。塗料業界、印刷業界、自動車業界、化学工業界、医薬品業界など幅広い産業分野でご活用いただき、高い信頼をいただいております。

当社の製品数は約32,000種類、出荷数量は約153,500t/年と圧倒的な実績を誇っています。これは、お客様の用途に対応して品質追求とカスタマイズを積み重ね、多品種少量生産を基軸とした生産システムを構築しております。

③ 競合他社との競争優位性

システム化された受注生産によりスピーディーな生産・出荷体制を確立しております。

・全国に約1,000社の販売代理店をもち、業界随一の規模を誇っております。

・完全コンピュータ化による、統轄的なコントロールシステムを構築しております。

④ 主要製品

当社が手がける製品は、ラッカーシンナー類、合成樹脂塗料用シンナー類、洗浄用シンナー類、印刷用溶剤類、特殊シンナー類、単一溶剤類、塗料・その他となります。

このうち単一溶剤類が最も受注額が多く約5割を占め、それに印刷用溶剤類、特殊シンナー類が続いております。

⑤ サービスの内容

近年、塗料希釈剤、洗浄剤、剥離剤などは、塗料及び素材の多様化、環境対応性、性能、安全性、リサイクル性などの多岐多様な要望が求められております。

当社ではお客様のご要望に応えられる製品を個別に研究開発、製造(オーダーメイド)し、現在では約32,000種類の膨大な製品情報をデータベース管理し、石油缶1缶からでも、受注生産・即納できる体制を整えております。

OEM(相手先商標製造)による製品供給も行っております。

⑥ 顧客基盤及び販売網

すぐれた製品づくりを最優先させ、販売はすべて代理店に任せる販売スタイルをとっております。

その方針は業界随一を誇る、全国にきめ細かな販売ネットワークを構築し、現在全国に約1,000社の販売代理店網を形成しております。これら広範な代理店組織は単に製品の供給を行うだけでなく、お客様のニーズを的確に把握し、その情報をフィードバックし当社の製品やサービス活動に反映していくという、大切な役割も担っております。

 

 

⑦ 環境への対応

石油資源から得られる化学製品の効率的な利用を目指すとともに環境にやさしい技術と製品を開発し、それらをお客様に積極的に提供することで、地球環境の保全に努め、社会へ貢献していきます。

ユーザーに選ばれるメーカーとして発展していくためには、リサイクルへの取り組み姿勢が現在ひとつの大きなカギとなっています。

自動車メーカーとの契約で納品している溶剤の8割程度、及びその他のユーザーより使用済み溶剤の回収を行い、リサイクルシステムにおいてリサイクル品(再生溶剤)を原料として使用しております。

また、ドラム容器も一部ステンレスドラムによりリサイクルを行っております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

新型コロナウイルスによる景気減速や原油・ナフサの市況によって会社の業績が大きく影響されますが、既存分野での新規需要の獲得、剥離剤やエタノール関連製品、さらには新しい溶剤のマーケットの開拓など販売活動に全力を傾注するとともに、生産、物流面の合理化を押し進め業績の振れを緩和させます。また、環境と生産性を重視して越谷、兵庫工場に設備投資を計画的に実施します。

 

(4) 会社の対処すべき課題

今後の見通しといたしましては、ロシアのウクライナ侵攻に伴う資源価格の上昇や円安進行、さらには新型コロナウイルス感染症の収束の見通しが依然として不透明であり、当社を取り巻く経営環境は引き続き厳しい状況で推移するものと思われます。

当社は、以下に掲げる項目を重点的な経営課題として売上拡大と収益性の向上に取り組んでまいります。

① シェア拡大

新製品の拡販に注力するとともに、新規需要先の開拓に努めてまいります。

② 新規事業の育成

剥離剤等の新規事業や、新型コロナウイルスの感染症に関係するエタノール関連製品につきましては、今まで培ってきたノウハウと企業財産を基盤に新たなフィールドへの進出を目指していきます。

③ 人材の育成

企業の競争力の源泉はヒトにあるとの認識の下、セミナー等に積極的に参加し、社員一人一人の能力を伸ばしていきます。

④ 財務体質の強化

経営資源の効率的な活用、販売費及び一般管理費の抑制に努め、設備投資については営業キャッシュ・フローの範囲内にて行うようにキャッシュ・フローの管理を徹底し、財務体質の強化を図ってまいります。

 

(5) 目標とする経営指標

当社は、収益力の向上と財務体質の強化を経営目標の中心として重視しております。収益機会の増加とともに生産、物流面の合理化を推進して、売上高及び経常利益をさらに高めてまいりたいと考えております。

経常利益の水準としては、売上高経常利益率5.0%程度を目指しております。

 

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