業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

1. 財政状態の状況

 

当社は、第2四半期連結会計期間において企業結合に係る暫定的な会計処理を確定し、暫定的に測定された公正価値の修正を行ったため、前連結会計年度の財務数値を修正しています。これに従い、遡及修正後の数値で前期比較を行っています。

 

(1) 資産
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べて419,057百万円(6.3%増)増加し、7,110,386百万円となりました。

 

主な増減理由は以下のとおりです。

 ・現金及び現金同等物の主な増減理由は、「3.キャッシュ・フローの状況」に記載しています。

  ・営業債権及びその他の債権は、主にワイジェイFX(株)(現 外貨ex byGMO(株))の連結除外により前連結会計年度末と比べて減少しました。

  ・銀行事業の貸付金は、主に住宅ローン債権が増加したことにより前連結会計年度末と比べて増加しました。

  ・無形資産は、ヤフー(株)が主にYahoo!およびYahoo! JAPANに関連する日本での商標権を取得したことにより前連結会計年度末と比べて増加しました。

 

(2) 負債

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比べて426,457百万円(11.5%増)増加し、4,128,188百万
 円となりました。

 

主な増減理由は以下のとおりです。

  ・営業債務及びその他の債務は、主にワイジェイFX(株)(現 外貨ex byGMO(株))の連結除外により前連結会計年度末と比べて減少しました。 
・銀行事業の預金は、顧客からの預金の増加により前連結会計年度末と比べて増加しました。
・有利子負債は、主に借入金の増加、社債発行による増加およびコマーシャル・ペーパー発行による増加により前連結会計年度末と比べて増加しました。 

 

(3) 資本

当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末と比べて7,400百万円(0.2%減)減少し、2,982,197百万円となりました。

 

主な増減理由は以下のとおりです。

 ・資本剰余金は、主に自己株式の消却により前連結会計年度末と比べて減少しました。 
・利益剰余金は、配当の支払があったものの、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上により前連結会計年度末と比べて増加しました。 
・自己株式は、自己株式の消却があったものの、自己株式の取得により前連結会計年度末と比べて増加しました。

 

2. 経営成績の状況

 (1) 事業全体およびセグメント情報に記載された区分ごとの状況

当連結会計年度の売上収益は、2021年3月にLINE(株)と経営統合したことにより連結子会社化したことに加え、広告事業の売上収益が増加したこと等により、過去最高となる1兆5,674億円(前年同期比30.0%増)となりました。

調整後EBITDAは、上記増収に加え、ワイジェイFX(株)(※1)の株式売却益や「ヤフージャパン ライセンス契約」の終了に伴うロイヤルティ支払い解消等により、過去最高となる3,314億円(12.4%増)となりました。

 

(※1) ワイジェイFX(株)は、2021年9月27日に外貨ex byGMO(株)へ商号変更しました。

 

セグメント別の経営成績は次のとおりです。なお、各事業の成長フェーズに合わせ、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントを変更しています。変更後の報告セグメントは以下のとおりです。

 

報告セグメント

 

主な事業内容

メディア事業

メディア・広告、検索、マーケティングソリューション、バーティカル、コンテンツ、スタンプ

コマース事業

ショッピング、リユース、アスクル、O2O、LINE FRIENDS

戦略事業

決済、金融、AI、ヘルスケア

 

(注) 1 戦略事業は、メディア事業やコマース事業に次いで新たな収益の柱となるよう取り組んでいく、Fintechを中心とした事業が含まれます。

2  取扱商品の詳細は、168ページ「各セグメントの主なサービス・商品」に掲載しています。

 

① メディア事業

メディア事業の売上収益は、2021年3月にLINE(株)を経営統合により連結子会社化したことに加え、広告の需要回復、プロダクト改善施策等により、前年同期比で大きく増加しました。

ヤフー(株)では、市場全体における需要回復の取込み、プロダクト改善等により、広告関連売上収益は前年度比で2013年度以来の2桁成長となりました。また、LINE(株)ではディスプレイ広告におけるトークリスト常時表示化、新商品の投入及び広告主の拡大、またアカウント広告における開設アカウント数の順調な拡大等により、広告関連売上収益は前年同期比で大きく増加しました。

以上の結果、当連結会計年度のメディア事業の売上収益は6,395億円(前年同期比74.3%増)、調整後EBITDAは2,661億円(前年同期比63.7%増)となりました。なおメディア事業の売上収益の全売上収益に占める割合は40.8%となりました。

 

② コマース事業

 コマース事業の売上収益は、2021年3月にLINE(株)を経営統合により連結子会社化したことに加え、ZOZOグループおよびアスクルグループの増収等により、前年同期比で増加しました。

また、eコマース取扱高(※2)は3兆5,788億円(前年同期比10.9%増)となり、うち物販系取扱高は、2兆9,525億円(前年同期比10.5%増)となりました。

以上の結果、当連結会計年度におけるコマース事業の売上収益は8,109億円(前年同期比8.7%増)、調整後EBITDAは1,315億円(前年同期比13.7%減)となりました。なおコマース事業の売上収益の全売上収益に占める割合は51.7%となりました。

 

(※2)eコマース取扱高は、168ページ「各セグメントの主な商品」に掲載している「物販EC」、「サービスEC」およびメディア事業の「その他」の有料デジタルコンテンツ等における取扱高の合算値です。

 

③ 戦略事業

 戦略事業の売上収益は、2021年3月にLINE(株)を経営統合により連結子会社化したことに加え、Fintech領域が成長したことにより、前年同期比で増加しました。

また、PayPay取扱高は、ユーザー数の拡大や利用頻度の増加に伴い決済回数が増加したことにより、5兆4,436億円(前年同期比67.2%増)と好調に推移し、PayPayカード(株)(※3)のクレジットカード取扱高は2兆9,081億円(前年同期比19.8%増)、PayPay銀行(※4)の口座数は602万口座(前年同期比17.6%増)と着実に増加しました。

以上の結果、当連結会計年度における戦略事業の売上収益は1,161億円(前年同期比32.9%増)となりました。なお戦略事業の売上収益の全売上収益に占める割合は7.4%となりました。

 

(※3) PayPayカード(株)は、2021年10月1日にワイジェイカード(株)から商号変更しました。

(※4) PayPay銀行(株)は、2021年4月5日に(株)ジャパンネット銀行から商号変更しました。

 

(2) 生産、受注及び販売の実績

 当社グループはインターネット上での各種サービスの提供を主たる事業としており、また受注生産形態をとらない事業も多いため、セグメント毎に生産の規模および受注の規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。
 なお、販売の状況については、「2 経営成績の状況 (1) 事業全体およびセグメント情報に記載された区分ごとの状況」における各セグメントの業績に関連づけて示しています。

 

(3) 経営指標に関する分析・検討

当社は、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の各指標を主要な経営指標としています。当連結会計年度における当該指標の推移のうち、全社の売上収益、調整後EBITDA、広告関連売上収益、eコマース取扱高、「PayPay」取扱高、「PayPay」決済回数については、「2.経営成績の状況」に記載のとおり堅調に推移しています。

その他の経営指標に関しましては、メディア事業ではヤフー㈱の月間ログインユーザーID数及びログインユーザー利用時間、LINE㈱の月間アクティブユーザー数及びデイリーアクティブユーザー数(DAU)/月間アクティブユーザー数(MAU)率はいずれも堅調に増加しています。また、戦略事業ではキャッシュレス推進や「PayPay」との連携等により、PayPayカード(株)のクレジットカード取扱高やPayPay銀行(株)の銀行口座数が順調に増加しており、これらの増加は当連結会計年度における業績の堅調な成長に寄与していると判断しています。

なお、新型コロナウイルス感染症の各経営指標への影響については、セグメントごとに影響の内容及び大きさは異なるものの、グループ全体で多種多様なサービスを提供していることなどから、当連結会計年度における主要指標は堅調に推移しています。

 

3. キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ61,796百万円増加し、1,127,523百万円となりました。このうち銀行事業に関する日銀預け金は320,403百万円です。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

営業活動によるキャッシュ・フローは、銀行事業の貸付金の増加があったものの、主に銀行事業の預金の増加および税引前利益の計上により266,314百万円の収入となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、銀行事業の有価証券の売却による収入があったものの、主に無形資産および銀行事業の有価証券、株式の取得により303,899百万円の支出となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済および自己株式の取得による支出、配当金の支払があったものの、主に長期借入れおよび社債の発行による収入、コマーシャル・ペーパーの発行・償還により91,630百万円の収入となりました。

 

 流動性および資金の源泉

流動性リスクとその管理方法については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 29. 金融商品」に記載しています。

当連結会計年度における資金の主な増減要因については、上記に記載していますが、子会社株式の取得に関わる資金は、主に借入により調達しました。また、恒常的な支出であるサーバー等ネットワーク設備への設備投資等につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローを源泉としています。

 

4. 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

   当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり採用した重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4.見積り及び判断の利用」に記載しています
 

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